🔭閉鎖危機の京大・花山天文台に念願のバス停 CFで費用調達
毎日新聞 より 211012
京都大花山天文台近くに新設された待望のバス停を前に喜ぶ元台長の柴田一成さん。
天文台までの案内板も設置した=京都市山科区で
資金難で存廃に揺れる京都大の花山天文台(京都市山科区)近くに、待望のバス停が設置された。
研究者や有志が存続に向けて活動しているが、公共交通機関での不便さが課題で、バス停新設の資金を募っていた。
新型コロナウイルスの感染拡大で実現していなかった定例の一般公開も10月末から開催する予定。「多くの方の来訪につながれば」と期待している。
同天文台は1929(昭和4)年、国内2番目の大学天文台として設立された。
同天文台は1929(昭和4)年、国内2番目の大学天文台として設立された。
太陽や火星の観測で知られ、研究者やアマチュア天文家も育成し、「アマチュア天文学の聖地」と呼ばれる。
国内最古の現役の望遠鏡があり、伝統のある太陽観測では今もデータを取り続け、大学院生らの実習に活用されている。
だが、運営に必要な予算がつかなくなった。京大は2018年、岡山天文台(岡山県浅口市)に大型望遠鏡を設置し、資金をそちらに配分したためだ。
だが、運営に必要な予算がつかなくなった。京大は2018年、岡山天文台(岡山県浅口市)に大型望遠鏡を設置し、資金をそちらに配分したためだ。
閉鎖の危機に陥ったが、高松市の企業が10年間で計1億円の寄付を申し出て、28年度まで存続のめどがついた。
研究者や有志らは、歴史ある天文台を「次世代の天文・宇宙文化教育の拠点」にしたいと、19年に「花山宇宙文化財団」を発足。
研究者や有志らは、歴史ある天文台を「次世代の天文・宇宙文化教育の拠点」にしたいと、19年に「花山宇宙文化財団」を発足。
資金確保に向け、研究者が宇宙や天文をテーマに話す「金曜天文講話」と題した講演会を続ける。20年春からは土・日曜に講演やガイドツアー付きの一般公開を始める予定だったが、コロナ禍で定期開催できていなかった。
京都市中心部から遠くない同天文台の立地だが、花山山(221メートル)の山頂近くに建ち、最寄りの京都市営地下鉄東西線「蹴上」駅からは徒歩30分を要する。
京都市中心部から遠くない同天文台の立地だが、花山山(221メートル)の山頂近くに建ち、最寄りの京都市営地下鉄東西線「蹴上」駅からは徒歩30分を要する。
このため、2年前から京阪バスにバス停の新設を要望し、その設備費を含む天文台の施設整備費を自ら確保するため、クラウドファンディングを実施。目標額300万円に対して600万円以上が集まり、設置が決まった。
9月末に新設されたバス停「花山天文台・阿含」は、同天文台まで徒歩10分以内で着くという。バスは「三条京阪」駅発着で土休日の日中1時間に1本のペースで運行する。
同天文台の存続活動を続ける元台長の柴田一成・同志社大特別客員教授(66)は「車のない方には不便だったが、念願のバス停ができアクセスが改善された。92年の歴史がある天文台にはお宝がたくさんある。この機会に親子で訪れ、子どもたちが宇宙や天文に興味を持つきっかけにしてもらえたら」と話す。
10月30日に開始予定の一般公開は、講演と映像体験を含む2コースある。
9月末に新設されたバス停「花山天文台・阿含」は、同天文台まで徒歩10分以内で着くという。バスは「三条京阪」駅発着で土休日の日中1時間に1本のペースで運行する。
同天文台の存続活動を続ける元台長の柴田一成・同志社大特別客員教授(66)は「車のない方には不便だったが、念願のバス停ができアクセスが改善された。92年の歴史がある天文台にはお宝がたくさんある。この機会に親子で訪れ、子どもたちが宇宙や天文に興味を持つきっかけにしてもらえたら」と話す。
10月30日に開始予定の一般公開は、講演と映像体験を含む2コースある。
コロナ対策で人数制限があり、申し込みが必要。 有料。
16日には世界的音楽家の喜多郎さんによる2年ぶりの野外コンサート「未来へ」を同天文台で開催(無観客・オンライン配信)する。
いずれも予約や詳細確認は同天文台のウェブサイト(https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/)で。【千葉紀和】