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1日10分から始めるおうち書類の片づけ術、「まず収納用品を買う」がNGの理由 202301

2023-01-12 21:39:00 | 生活編

1日10分から始めるおうち書類の片づけ術、「まず収納用品を買う」がNGの理由
 8760 postseven より 230112 

⚫︎書類整理用の事務用品「個別フォルダ」を使用する(『実践!はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』より)
「1日10分からおうち書類の片づけを始めてみましょう」——『実践! はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)の著者でオフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師の長野ゆかさんはそう提案します。リバウンドしない「ホームファイリング」のコツについて聞きました。


【目次】
ーいきなり収納用品を買わない
ーホームファイリングの手順
ー「いる」「いらない」を見極めるコツ
ーリバウンドしないホームファイリング

⚫︎いきなり収納用品を買わない
 長野さんが提唱する家の書類の整理・収納術「ホームファイリング」の第一歩となるのは、1枚の厚紙に書類を挟むだけの「個別フォルダ」(主にオフィスの書類整理などに使われるアイテム。文房具店などで購入できる)を基本ツールに使うことです。

 個別フォルダと聞いて実物がピンとこない方は、パソコンのデスクトップ画面にある「フォルダ」のアイコン(図柄)を思い浮かべてください。これに、それぞれの分類の仕方(「保険」「病院」などの分野別、または「父」「母」「子供」といった人物別など)で整理した書類を入れていきます。

 しかし、いきなり個別フォルダを購入するのはNGだといいます。なぜでしょうか。

▶︎「収納」から始めるとリバウンドする
「整理の前にいきなり収納用品から買ってしまうと、購入したことに満足してしまい整理が進まなかったり、多めに購入することで未開封の収納用品がたまってしまいがちです。また、スペースにどんどんモノを押し込み、増やすことにもつながり、部屋が徐々に狭くなる原因にもなります」(長野さん・以下同)

 収納の前に整理を行うと、必要な書類の量に合わせて、個別フォルダの数をより適切に見積もることができるようになり、購入の失敗も減らせるといいます。

▶︎書類10cmに必要な収納の数は?
では、書類の量に対して適切な個別フォルダの数を知るには、どうすればいいでしょうか。
「具体的には、1フォルダ約1cmで見積もります。書類の整理後、残った書類が10cmの厚さなら、個別フォルダは10冊程度が必要になる。そう数の目安を立ててから買うようにしましょう」

⚫︎ホームファイリングの手順
 書類整理を始める前の準備にも、正しい手順があるといいます。

▶︎まずは3ステップの作業準備を
「準備の1つ目は、家全体の書類量の全体を把握することです。リビング、廊下、押し入れ、車のダッシュボード内など、書類はさまざまな場所に散らばっています。

▶︎2つ目に、1つ目で出てきた書類がある場所をスマホで撮影しておきましょう。後日、見返した時に『こんなに片づいた』とモチベーションのアップにつながるうえ、万が一紛失した時に探すときの手がかりとなります。

▶︎3つ目は『いつまでに、どの範囲を、どこまで作業するのか』の計画を立てることです。数か月かかるとしても、心配はいりません。何年も溜め込んだ書類を、数日でやりきるほうが無理があると思って、ゆっくり、確実に進めていきましょう」

 自分の手に負えないくらいの量の書類があると思ったら、まずは日々の生活に関係する書類から先に取り掛かるのがセオリーです。

 書類整理は1日10分、数cm分が目安
次は、いよいよ書類の「整理」に取り組みます。
「対象書類の全体を把握できたら、『整理』を開始しましょう。たとえば、本棚の左から3cm、平積みの書類は上から5cmなど、10分程度で要不要を判断して分け終わる範囲の書類をすべて一気に出します」

⚫︎「いる」「いらない」を見極めるコツ
 書類の要不要を分ける作業は意外と頭を悩ませる作業です。「いる」「いらない」を見極めるコツはなんでしょうか。

▶︎全部出して内容を見る
「要不要の判断基準は、『自分自身が置いておきたいのか、捨てたいのか』です。全部見たうえでなら1枚も処分しなくてもOK。一方でNGなのが、不要な書類だけを処分する『間引き片づけ』です。あいまいな書類を置いたままにしてしまうと、書類の把握は進みません」

 整理する量よりも、1日10分程度で済む分について、全部を取り出しチェックすることのほうが大事だそうです。

▶︎迷った時のヒント
「いるかいらないか迷う書類がでてきたら、『いつ使うか』『必要な時になかったらどうするか』を具体的に考えてみてください。書類がなくても、『インターネットで検索すればどうにかなる』、または『もう一度手に入れる手段がある』とわかれば、手放せるはずです」
 納得する理由を見つけていくことで、悩む書類が減っていきます。

▶︎場所を区切ってゴールを設定する
「書類の片づけがうまくいかない大きな原因のひとつが、『ゴールがわからない』ことです。初めて取り組む人は、次の『3つのクリア』をゴールとしましょう。

【1】同じ大きさ・形の個別フォルダが並んでいること、
【2】個別フォルダのタイトルには、内容を示すタイトルが書かれていること、
【3】個別フォルダが整頓・整列していること、です。つまり、単純に、書類を個別フォルダに入れ、タイトルを付けて、並べていくだけ。

 最初から家にある全書類に取り組むのは挫折のもとですので、まずは『カウンターの上の書類だけ』『子供の書類だけ』など、一部分から完成させていきましょう」

⚫︎リバウンドしないホームファイリング
 さらに、リバウンドしないコツについて聞きました。

▶︎「片づけ」とは出したものを元に戻すこと
「書類は、収納用品を個別フォルダに統一することで、自然に整います。それだけで『整理・収納・整頓』が完了し、書類の『住所』が決まります。そして、使うために取り出せば必ず散らかるため、その出したモノ(書類)を、元の場所(住所)に戻すことで、『片づけ』を完成することができます」

これを実践するためには、次の「鉄則」があるそうです。

▶︎「個別フォルダ丸ごと取り出す」が鉄則
「収納場所から、そのときに必要な書類だけを出し入れする使い方は、NGな管理方法です。
 取り出すときは個別フォルダごと取り出し、書類を使い終わってフォルダ内に戻すまでは、該当の個別フォルダは机の上などに出したままにしておきます。『現在使用中』だとわかるように工夫しましょう。個別フォルダを丸ごと出し入れすることで、紛失も防ぐことができます」

▶︎50点の精度でOK
一方、このようなホームファイリングをひと通り実践するなかでは、「整理」や「個別フォルダ化」など、手が止まりやすい山場も生じてくるそうです。そんなときの対処法として、長野さんはこう助言します。
「各ステップの精度は50点でもいいから、手を止めずに進めましょう。一通り実践することが大事です」


◆教えてくれたのは:オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師・長野ゆかさん
オフィスミカサ代表取締役、オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師。文書ファイリングを中心に、オフィスの環境改善、効率化などを指導。コンサルタントとしてのべ40トンの書類削減実績。講師として厚労省、全国の自治体や企業で研修実績がある。ホームファイリング(R)では一般向けのセミナー、訪問作業サポートができる講師の育成にも注力する。2022年10月、『実践! はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)を出版。https://twitter.com/officemikasa

※ホームファイリング(R)は株式会社オフィスミカサの登録商標です。

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