生活保護のケースワーカーの仕事がマンガに
なった。
小学館(552円+税)
先週のしんぶん赤旗日曜版に紹介されていた
ものだが、釧路の本屋では新刊本コーナーに
たくさん積まれていた。
けっこう売れているようだ。
区役所に入った新人が、最初に生活保護課に
配属されたところから話がはじまる。
読み進むうち、私も議員時代に遭遇したケー
スがいくつも思い出された。登場する似たよ
うなケースが多いものだと思った。主人公の
「義経えみる」がケースワーカーとしてどう
成長するか、楽しみな展開になっている。
時代背景は現在で、生活保護そのものが攻撃
されており、ストーリーのなかで「指導」が
ひんぱんにでてくる。しかしベテランの半田
さんのもと、どのようなケースワーカー像に
なっていくか。
釧路市での実践を紹介した本「希望をもって
生きる/生活保護の常識を覆す釧路チャレン
ジ」のなかでの言葉。
ケースワークの仕事が「指導」から「人とし
ての尊厳」の回復というコペルニクス的転回
であった取り組みが具体的に明らかにされて
いる。この中で、福祉事務所の所長が公園で、
被保護者といっしょに清掃に汗を流す光景が
すばらしい。
この「理念」がとりわけ大切だ。
これがなければ単なる就労指導という、もと
の立場に転化してしまうと思う。
この釧路市でも、強引な就労指導で逆に精神
不安定に陥ってしまた相談も寄せられている。
この漫画の今後の展開として、国の政策との
板挟みがでてくるであろうと思う。
人間の尊厳の回復、という気高い理想にむかっ
て、「えみる頑張れ」と思ってしまう。
ぜひ一読を!