◆藤井裕久財務相が2010年1月6日、体調不良を理由に辞表を鳩山由紀夫首相に提出、は、後任に菅直人副総理を抜擢し、7日辞令を交付した。
酒豪で知られる藤井裕久前財務相が、体調を崩したのは、一つには飲みすぎである。公用車にも酒を携行してチビチビやっていたというから、肝臓には相当大きな負担だったであろう。ストレス解消のためとはいえ、健康管理を怠ったのが祟り、自業自得であり、同情の余地はない。
◆それ以上に、大問題だったのは、藤井財務相が2010年度政府予算案編成作業の過程で、大変なポカをしでかしたことである。12月9日、東京都内のホテルで開かれた財務省と日本経団連との意見交換会に出席して、御手洗冨士夫会長らから「税の優遇措置を継続して欲しい」などと直接陳情を受けた。これを聞いた民主党の小沢一郎幹事長が、激怒したという。
小沢幹事長が激怒するのは、当たり前である。自民党政権下で、族議員が跳梁闊歩してきた悪習を打破し、「政財官学の癒着構造」を根本から改めようと、小沢幹事長は業界諸団体や都道府県・市町村などからの「陳情窓口」を民主党の下部組織である都道府県連や民主党所属の国会議員を通じて「幹事長室に一元化」しており、藤井前財務相もその意味と目的を百も承知していたにもかかわらず、これを白日、堂々と無視したのである。
日本経団連といえば、日本最大最強の「圧力団体」であり、自民党への政治資金提供団体である。従来、民主党と距離を置き、政治資金を提供しても、ほんの雀の涙程度であった。しかも、民主党政権が2009年9月16日に樹立されてからも、正式な協力関係は築かれていない。
◆小沢幹事長は、2010年度政府予算案編成作業の過程で、業界諸団体や都道府県・市町村などから「陳情」を受けて、「民主党を支持してくれるかどうか」を直接、あるいは暗に確かめていた。陳情を「幹事長室に一元化」したのは、文字通り「踏み絵」を迫るためであった。その最中に、藤井前財務相は、小沢幹事長の了解を得ることもなく、勝手に日本最大最強の「圧力団体」である日本経団連から直接陳情を受けていた。そればかりか、政府税制調査会会長でもある藤井前財務相は、相手の要望通りに「税の優遇措置を継続」を易々と受け入れてしまったのである。
◆藤井前財務相の振る舞いは、どこから見ても「利敵行為」以外の何ものでもない。小沢幹事長の側近中の側近として仕えてきた藤井前財務相の「迂闊さ」をこれまでの功労に免じて一旦、例外として許してしまえば、業界諸団体や都道府県・市町村などは、「幹事長室」を無視して、予算配分の権限を持つ財務省に直接陳情するようになるのは眼に見えている。これでは、「政財官学の癒着構造」を根本から改めようとする改革は頓挫し、水泡に帰してしまう。
藤井前財務相は、大蔵官僚のОBであり、絶大な権力を有していた自民党時代の大蔵大臣という地位の栄光に酔いしれていたのかもしれない。あるいは、もしかしたら齢77歳という高齢ゆえに認知症の気に陥っていたとも疑われる。いずれにしても、小沢幹事長が言う「無血革命」の意味をよく理解していなかったようである。「迂闊さ」とは言いながら、いずれにしても「利敵行為」の責めを負い「切腹」は免れない。晩節を自ら汚し、文字通り自業自得である。同情の余地はない。
板垣英憲マスコミ事務所
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酒豪で知られる藤井裕久前財務相が、体調を崩したのは、一つには飲みすぎである。公用車にも酒を携行してチビチビやっていたというから、肝臓には相当大きな負担だったであろう。ストレス解消のためとはいえ、健康管理を怠ったのが祟り、自業自得であり、同情の余地はない。
◆それ以上に、大問題だったのは、藤井財務相が2010年度政府予算案編成作業の過程で、大変なポカをしでかしたことである。12月9日、東京都内のホテルで開かれた財務省と日本経団連との意見交換会に出席して、御手洗冨士夫会長らから「税の優遇措置を継続して欲しい」などと直接陳情を受けた。これを聞いた民主党の小沢一郎幹事長が、激怒したという。
小沢幹事長が激怒するのは、当たり前である。自民党政権下で、族議員が跳梁闊歩してきた悪習を打破し、「政財官学の癒着構造」を根本から改めようと、小沢幹事長は業界諸団体や都道府県・市町村などからの「陳情窓口」を民主党の下部組織である都道府県連や民主党所属の国会議員を通じて「幹事長室に一元化」しており、藤井前財務相もその意味と目的を百も承知していたにもかかわらず、これを白日、堂々と無視したのである。
日本経団連といえば、日本最大最強の「圧力団体」であり、自民党への政治資金提供団体である。従来、民主党と距離を置き、政治資金を提供しても、ほんの雀の涙程度であった。しかも、民主党政権が2009年9月16日に樹立されてからも、正式な協力関係は築かれていない。
◆小沢幹事長は、2010年度政府予算案編成作業の過程で、業界諸団体や都道府県・市町村などから「陳情」を受けて、「民主党を支持してくれるかどうか」を直接、あるいは暗に確かめていた。陳情を「幹事長室に一元化」したのは、文字通り「踏み絵」を迫るためであった。その最中に、藤井前財務相は、小沢幹事長の了解を得ることもなく、勝手に日本最大最強の「圧力団体」である日本経団連から直接陳情を受けていた。そればかりか、政府税制調査会会長でもある藤井前財務相は、相手の要望通りに「税の優遇措置を継続」を易々と受け入れてしまったのである。
◆藤井前財務相の振る舞いは、どこから見ても「利敵行為」以外の何ものでもない。小沢幹事長の側近中の側近として仕えてきた藤井前財務相の「迂闊さ」をこれまでの功労に免じて一旦、例外として許してしまえば、業界諸団体や都道府県・市町村などは、「幹事長室」を無視して、予算配分の権限を持つ財務省に直接陳情するようになるのは眼に見えている。これでは、「政財官学の癒着構造」を根本から改めようとする改革は頓挫し、水泡に帰してしまう。
藤井前財務相は、大蔵官僚のОBであり、絶大な権力を有していた自民党時代の大蔵大臣という地位の栄光に酔いしれていたのかもしれない。あるいは、もしかしたら齢77歳という高齢ゆえに認知症の気に陥っていたとも疑われる。いずれにしても、小沢幹事長が言う「無血革命」の意味をよく理解していなかったようである。「迂闊さ」とは言いながら、いずれにしても「利敵行為」の責めを負い「切腹」は免れない。晩節を自ら汚し、文字通り自業自得である。同情の余地はない。
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