「数は力」の小沢一郎が「政界再編」を睨み、「敵味方」の票読みを進めているという

2010年03月30日 21時08分41秒 | 政治
◆最近とみに、大新聞が「鳩山首相は、いつ小沢一郎幹事長に辞任をもとめるのだろうか」とか「鳩山首相が小沢離れしている」などという記事を書いているけれど、本当だろうか。どうも、民主党の「グループ」を事実上「派閥」であることを認識していないようである。確かに旧来の自民党の派閥というイメージはない。だからといって「派閥」でないとは言えない。それは、昨年夏の総選挙で小沢幹事長の息のかかった新人候補者が、143人も当選してから「グループの質」が変ったとみられるからである。
◆試しに、民主党の衆参両院の議員423人(衆院307人、参院116人)の派閥分布を点検してみると、次のような結果が出た。民主党内には、以下のように八大派閥と一グループ、それに無派閥が存在している。
①鳩山由紀夫派(政権公約を実現する会)=40人(衆院30人、参院10人)②小沢一郎派(一新会・旧自由党系、新人)=167人(衆院130人、参院37人)③羽田孜派(政権戦略研究会=ベテラン保守系)=34人(衆院25人、参院9人)④横路孝弘派(新政局懇談会=旧社会党系)=39人(衆院20人、参院19人)⑤川端達夫派(民主協会=旧民社党系)=34人(衆院15人、参院19人)⑥菅直人派(国のかたち研究会)=35人(衆院24人、参院11人)⑦前原誠司・枝野幸男派(凌雲会=旧日本新党系)=29人(衆院25人、参院4人)⑧野田派(花斉会=若手保守系・「松下政経塾系旧「志士の会」)=16人(衆院12人、参院4人)⑨リベラルの会=4人(衆院3人、参院1人)⑩無派閥=25人(衆院23人、参院2人) 
最大派閥は小沢派(全体の39%の勢力)であり、衆院は、自民党の119人を上回っており、さながら「小沢党」である。第2派閥は、総理・代表派閥の鳩山派であるが、月とスッポンである。主流派は、「小沢派+鳩山派+横路派+菅派+川端派+羽田派」の6大派閥で構成されている。主流派は、349人(衆院議員244人、参院議員105人)で渡部恒三、生方幸夫ら一部の落ちこぼれ組を除いても、全体の82%)を占める大勢力である。
◆民主党内の「反小沢グループ」(反小沢派)は、大きく分けて3つある。「前原誠司・枝野幸男グループ」(凌雲会=日本新党・若手保守系)、「野田佳彦グループ(花斉会、旧志士の会=松下政経塾出身の若手保守系の集まり)、「リベラルの会=平岡秀夫代表」それに、「無派閥の一部」小沢一郎の政治手腕に反感を抱く者たちである。反主流派は、「前原・枝野派+野田派」(45人=衆院議員37人、参院議員8人)である。「リベラル・グループ+無派閥」には、29人(衆院議員26人、参院議員3人)がいる。
◆参議院議員選挙は、「組織戦」、すなわち、組織と組織の激突なので、無党派層は、寝ていてもらいたいところであろう。「みんなの党」(候補者20人擁立)が吸収しても、大勢は「民主党圧勝」が予想される。目下、小沢一郎は、参院選後の「政界再編」を睨み、「敵味方」の票読みを進めているという。「反小沢派」を切り捨てて追い出すか、「主流派」を引き連れて離党するかして、自民党の与謝野馨、舛添要一、無所属の鳩山邦夫らと合流、衆議院過半数(241人)、参議院過半数(122人)を上回る勢力を確保する確信を得て、反主流派と決別する計略のようである。公明党とは、「連立」ですでに話しがついているとも言われている。


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ペイオフは、日本の銀行の信用力を低下させるのが目的だった

2010年03月30日 10時06分48秒 | 政治
◆亀井静香金融担当相と菅直人副総理兼財務相の郵政をめぐる口争いは、みっともなかった。とくに首相を狙う菅直人は、とてもではないけれど、「首相の器」に非ずの感を見せつけられた。相変わらずの短気、イラ菅であった。首相には、十年早い。
 菅直人も、仙谷由人、野田佳彦も、みなそうなのだが、郵政民営化がだれのために行われたのかを忘れている。はっきり言えば、アメリカ最大、否、世界最大財閥であるロックフェラーのシティグループとゴールドマンサックス社のためではなかったのか。にもかかわらず馬鹿正直に「ペイオフ」を守り続け、いまだに呪縛にとらわれている。
◆この呪縛とマジックのカラクリを知っているのは、亀井静香金融担当相である。日本版金融のビッグバンの断行を強要されたのは、橋本龍太郎首相であり、開始したのは、小渕恵三首相だった。その総仕上げにペイオフをさせられたのは、一体何の目的だったか。ペイオフとは、日本の銀行も倒産することがあり、現行では、銀行が倒産した場合、預金保険機構は、1000万円では保障するが、これ以上は保障しないという制度で、日本の銀行の信用力を落とすのが狙いだった。それは、預金好きな民族である日本人を投資民族に変えるのが目的だった。預貯金を銀行、信用金庫、信用組合から解約させ、その資金を株式投資や外貨預金に振り向けさせようとしたのである。
◆しかし、現実は、そううまくはいかなかった。「飲む、打つ、買う」という「三悪」に手を染めるのを諌め、禁止する教育を受けた日本の高齢者は、超低金利にもかかわらず預貯金を固く守り、コツコツと預貯金に励んだ。老後生活安心のためである。
 結論的に言えば、高齢者は、カネを使わず、預金する。株にも債権にも、外貨預金にも手を出さない。この結果、預貯金ばかりが増えつつけることになる。この資金は、国債に化けていく。企業家の設備に向かわず、ますます預貯金に向かう。日銀から都市銀行に下ろされる資金の大半も国債に投入されている。資金が、産業投資に向かわない。企業家の設備投資意欲が萎縮しており、金融機関の貸付は広がらない。
◆鳩山政権が樹立されて半年を過ぎているというのに、国家戦略室は、何をやっているのか、頭脳の程度が疑われる。最大の間違いは、経済のプロを配置していないということである。弁護士上がりを配置してはダメだ。仙谷由人など経済オンチは、即刻配置替えしてしまわなければ、日本は滅ぶ。弁理士上がりのアジテーター・菅直人もミスキャストである。この際、年齢、当選回数を無視して、若い経済人出身の政治家を大抜擢すべきである。

 
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