自閉症当事者の方々とポリヴェーガル理論について語り合うのはスリリングだ。
何より彼ら自身が非常に面白がってくれる。
ただし、ポリヴェーガル理論はとても面白いけれども、
私たちのことを「お前たちは爬虫類と同類だ」と言われているような気がするとのこと。
かねて私も抱いていた問いを、鋭く突き付けてくれる。
もしもそれが、哺乳類であることにこそヒトとしての本来のあり方を見ようとする理論であるとするなら、
必ずこういう疑問が出てくることになるのではないか。
その場合、自閉症者は、「腹側迷走神経複合体」の「社会的関与」⇄「安全」を欠いた“爬虫類的生き方”をするヒトとみられ、
“爬虫類的生き方”を“哺乳類的生き方”に矯正するのが最善のケアということになりかねない。
果たして自閉症の支援や治療とは、自閉症者を定型発達者と同じような人間にすることなのだろうか。
自閉症者も定型発達者も、どちらもが脳や神経に1人1人ちがう特性を持つ存在として、認めていくことの方が重要ではないのだろうか。