心身社会研究所 自然堂のブログ

からだ・こころ・社会をめぐる日々の雑感・随想

「外傷性水晶体損傷」としての白内障 

2024-07-08 22:24:30 | 健康・病と医療

紫外線が白内障をはじめ、眼病リスクを高めるという報告はこれまでたくさん発表されてきました。

ところが、紫外線だけでなく、環境温度や熱中症の既往も白内障リスクを高める可能性があることが明らかになってきています。

 紫外線被曝といい、環境温度や体内温度といい、いずれも気候変動問題が白内障リスクとしても見逃せない重要な要因となっているということですね。

地球沸騰化や気候変動の問題は、災害等を通して、1980年代以降の「トラウマの時代」の成立に大きな役割を果たしてきましたが、

いわば眼球の水晶体に対しても「トラウマ」を引き起こしているわけです。ただし、「トラウマ」の本来の意味、つまり身体的な外傷としてですね。

とするなら、白内障とくに「核白内障」は、今や「外傷性水晶体損傷」(traumatic crystalline lens injury)とでも呼ぶべき病態なのではないでしょうか!

「トラウマの時代」が孕む問題の深刻さを痛感させられると同時に、その克服が本当に喫緊の問題であることを、改めて痛感させられるトピックです。

 

2024年6月14日、ジョンソン&ジョンソン本社で開催されたプレスセミナーで、

金沢医科大学眼科学講座主任教授の佐々木 洋氏が「紫外線と高温環境が目に与える影響と対策」と題した講演を行ない、

紫外線だけでなく、環境温度や熱中症の既往も白内障リスクを高める可能性があることを報告されたそうです。

 佐々木氏らの研究グループは、これまで世界各地で紫外線被曝量と白内障リスクの関連について調査してきましたが、

講演はその調査データをまとめて報告したものです。以下のようなものです。


 ①中国・台湾の3エリアで行なった生涯紫外線被曝量(COUV)と白内障リスクの関連の研究では[Miyashita et al. 2019]、人種を漢民族に絞り、COUV量の異なる三亜・太原・台中において年齢、性別、糖尿病の有無、眼軸長(強度近視)調整後の白内障リスクを比較しましたが、その結果COUVは、これまで報告されてきた水晶体皮質の白濁による「皮質白内障」の発症よりも、水晶体核の硬化による「核白内障」発症リスクとの関連が最も大きいことが明らかになりました。


②沖縄県・西表島の40歳以上の住民を対象とした研究では[桶本・佐々木2020]、幼年期の紫外線被曝量が成人後の白内障リスク因子として大きいことが判明しました。なかでも、同じ西表島在住の成人でも、20代以前から在住していた群は、20代以降に移住した群よりも「核白内障」に8.67倍なりやすかったとのことです。

さらに、世界各地の研究結果を比較すると、COUVが高い地域の在住者はそうでない地域の在住者と比較して、

総じて「核白内障」のリスクが増すこと、そのうえ、COUVが同等の地域であっても、屋外活動時間やメガネ・サングラス装着習慣の有無によって、

発症リスクが大きく変わることも明らかになりました。

 

 さらに見逃せないことには、高温地帯で白内障の発症リスクと強い相関が確認されることから、紫外線だけでなく、環境温度や体内温度も白内障リスクと関わりがあるとのではないか、という仮説が生まれたことから、
 ③名古屋工業大学・平田 晃正氏のチームは、人体を対象とした複合熱解析手法により、環境温度・湿度、深部温度、年齢、出生地域、太陽光曝露の有無などの因子が水晶体温度をどう変化させるのかについて、スーパーコンピュータを使った計算機シミュレーションで予測できることを報告し、この研究結果を基礎研究データとし、これまでの眼疫学研究から得た「核白内障」の有病率とシミュレーションにより計算した水晶体温度の関連を併せて検討した結果、高温環境下、具体的には水晶体温度が37度以上の熱負荷が続くと、「核白内障」のリスクが増す可能性が高いことが明らかになりました[Yamamoto et al. 2020]。

④とくに熱帯地域や高齢者、屋外労働者などでリスクが高いことが明示されています[Kodera et al. 2020]。

⑤さらに続く研究により、「核白内障」リスクの寄与因子として、水晶体への熱負荷が52%、紫外線被曝が31%、その他加齢要因が17%であることが示されました[Kinoshita et al. 2023]。

 

 佐々木氏らは、さらにこの研究を進め、高温多湿の環境が引き起こす疾患、熱中症が白内障リスクにつながるのかについても調査しています。その研究は現在論文執筆中とのことですが、2016年1月~2023年2月のレセプトデータを用い、追跡可能だった255万8,593例を調査対照としたうえで、対象者を熱中症、白内障、糖尿病の病名で分類し、年齢、性別、都道府県、糖尿病罹患歴の有無でマッチングコホートを作成し、追跡期間中の熱中症既往の有無により、5年間の年代別白内障発症率を比較したものです。
 その結果、追跡期間中1回以上の熱中症既往のある人は、そうでない人に比べ、白内障リスクが3~4倍高く、その差は年代が上がるほど急激に開く傾向が確認されました。おそらく熱中症時の急激な体温上昇によって、水晶体の温度も上昇し、水晶体熱負荷が白内障発症リスクにつながったものと佐々木氏はみています。なお、幼少期の紫外線被曝が白内障リスク上昇に関与している可能性を示唆する調査結果も出ており、紫外線被曝や熱中症既往は、30~40代といった若い時期の老眼リスクにもつながりかねません。

 

 ではどうするのか? 地球沸騰化や気候変動の問題を解決するのが最も根本的ですが、さしあたりの具体的な対策として、

まずとくに眼科医が少ない発展途上国では、白内障発症はそのまま失明につながることも多いため、啓蒙と対策が喫緊の課題とみられています。

日本では、紫外線・赤外線カットサングラス、UVカットコンタクトレンズなどを使った対策を普及させること、

これと併せて熱中症予防対策を強化することと考えられます。

紫外線カットの具体的な方法としては、日本ではまず日傘の使用者が多いですが、その紫外線カット率は10~30%程、

これに対し帽子は種類により20~70%、しかしサングラスは50~98%、帽子とサングラスの併用で95~99%カットできるとされています。

とくにUVカット機能のあるコンタクトレンズは、角膜全体を覆い、耳側から入る光や反射光も防ぐことができるため有用ともいわれます。

 遠くない将来ヒトは、世界中どこへ行っても、頭には帽子、目にはサングラスやコンタクト、さらに口にはマスクを必携とするようになり、

何もつけてない素顔で出かけることは、裸体で街を歩くのと同等度の、猥褻な振舞いということになる時代に突入するのかもしれません。

ただし佐々木氏は、「西表島で課外活動中の小学生にサングラスを掛けさせる運動を行なったこともあるが、

子供がずっとサングラスを掛け続けることは難しい面もあり、ほかの対策を併用する必要があるだろう」と述べておられますが。


このように紫外線被曝といい、環境温度や体内温度といい、

いずれも気候変動問題が白内障リスクにおいても見逃せない重要な要因となっていることがわかります。

地球沸騰化や気候変動の問題は、災害等を通して、1980年代以降の「トラウマの時代」の成立に大きな役割を果たしてきましたが、

いわば眼球の水晶体に対しても「トラウマ」を引き起こしているわけです。

ただし、「トラウマ」の本来の意味、つまり身体的な外傷としてですね。

とするなら、白内障とくに「核白内障」は、今や「外傷性水晶体損傷」とでも呼ぶべき病態なのではないでしょうか! 

「トラウマの時代」が孕む問題の深刻さを痛感させられると同時に、その克服が本当に喫緊の問題であることを、改めて痛感させられるトピックです。

 

<文 献>

Kinoshita, K., Kodera, S., Hatsusaka, N., Egawa, R., Takizawa, H., Kubo, E., Sasaki, H. & Hirata, A., 2023 Association of nuclear cataract prevalence with UV radiation and heat load in

 lens of older people -five citystudy, in Environmental science and pollution research international, vol.30, no.59;123832-123842. doi:10.1007/s11356-023-31079-2.

Kodera, S., Hirata, A., Miura, F., Rashed, E. A., Hatsusaka, N., Yamamoto, N., Kubo, E. & Sasaki, H., 2020 Model-based approach for analyzing prevalence of nuclear cataracts in

 elderly residents, in Computers in Biology and Medice, vol.11;126;104009. pii: S0010-4825(20)30340-1.

Miyashita, H., Hatsusaka, N., Shibuya, E., Mita, N., Yamazaki, M., Shibata, T., Ishida, H., Ukai, Y.,Kubo, E. & Sasaki, H., 2019 Association between ultraviolet radiation exposure dose

    and cataract in Han people living in China and Taiwan: A cross-sectional study, in PloS one, vol.14, no.4; e0215338. pii: e0215338.

Yamamoto, N., Takeda, S., Hatsusaka, N., Hiramatsu, N., Nagai, N., Deguchi, S., Nakazawa, Y., Takata, T., Kodera, S., Hirata, A., Kubo, E. & Sasaki, H., 2020 Effect of a Lens Protein in

    Low-Temperature Culture of Novel Immortalized Human Lens Epithelial Cells (iHLEC-NY2), in Cells, vol. 9, no.12; pii: E2670.

 

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温泉つかると腸内細菌叢が整う?

2024-05-14 08:22:22 | 健康・病と医療

九州大学大学院工学研究院都市システム学講座の馬奈木俊介主幹教授(兼:九州大学都市研究センター長)と武田美都里特任助教らの研究グループは、

別府市と別府市旅館ホテル組合連合会と共同して温泉の効果の検証を行なってきましたが、

今回、2021年6⽉~2022年7⽉に、九州地方在住の18歳~65歳の健康な成⼈136人(男性80人、⼥性56人)を対象に、

別府温泉の異なる5泉質(単純泉、塩化物泉、炭酸⽔素塩泉、硫⻩泉)に7⽇間連続して⼊浴してもらい

(⼊浴時間は毎⽇20分以上とし、かつ通常通りの⾷⽣活を維持する)、

温泉入浴前後における腸内細菌叢の変化を、16S rRNA遺伝⼦アンプリコンシーケンシングにより測定し、分析しました。

 

その結果、炭酸水素塩泉入浴によりビフィズス菌の一種(Bifidobacterium bifidum)が有意に増加することが明らかになりました。

他にも、単純泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉での入浴後には、それぞれ異なる腸内細菌叢の有意な変化のあることが確認されました。

本研究結果から、炭酸水素塩泉への入浴がビフィズス菌を増加させ、健康効果につながる可能性を示唆しています。

また、泉質ごとに異なる効能として、腸内細菌叢が関連している可能性を示しました。

 

<文 献>

Takeda, M.,  Choi, J., Maeda, T. & Managi, S., 2024  Effects of bathing in different hot spring types on Japanese gut microbiota, in Scientific Reports, vol. 14, no.1.

    DOI:10.1038/s41598-024-52895-7.

 

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医師の共感度が高いほど患者の腰痛が改善する!

2024-05-02 08:20:52 | 健康・病と医療

アメリカのUniversity of North Texas Health Science CenterのJohn C. Licciardone氏らは、

患者評価による医師の共感度が高いほど12ヵ月にわたる患者の痛み、機能、健康関連QOL(HRQOL)が良好であることを明らかにしました。

 

対象者は、2016年4月1日~2023年7月25日にThe Pain Registry for Epidemiological, Clinical, and Interventional Studies and Innovation(PRECISION)

に登録された21~79歳の慢性腰痛患者(3ヵ月以上継続したもの)を12ヵ月間追跡したものです。

 

医師の共感度は、CARE Measure(患者の視点で医師の共感度を評価するツール)を用いて評価され、

10項目を1(poor)~5(excellent)点で評価し、合計スコアが30点以上の場合に「非常に共感的」、

29点以下の場合に「わずかに共感的」な医師と分類されました。

主なアウトカムは、患者報告による痛み、機能、HRQOLが検討され、登録時および3ヵ月ごとの診察の際にデータが収集され、

そのデータは時間的傾向を測定し、ベースラインおよび長期的な共変量を調整するために、

多変量モデルを含む一般化推定方程式を用いて解析されました。

 

解析には、1,470例が組み込まれ、平均年齢は53.1(SD 13.2)歳。女性が1,093例(74.4%)。

医師を「非常に共感的」と評価した患者群と「わずかに共感的」と評価した患者群のベースライン特性はおおむね同等でした。 

 

その結果、医師の共感度が高いほど、患者の12ヵ月後のアウトカムが良好であることが判明しました。

 ・痛みの強さ β=-0.014、95%信頼区間[CI]:-0.022~-0.006、p<0.001

 ・腰痛関連障害 β=-0.062、95%CI:-0.085~-0.040、p<0.001

 ・HRQOL障害(例:痛みによる生活障害) β=-0.080、95%CI:-0.111~-0.049、p<0.001)

 

また、「わずかに共感的」と評価した群と比較して、「非常に共感的」と評価した群の患者では、

痛みの強さや腰痛関連障害、HRQOL障害の平均スコアが有意に低く出ました。

 

そして、医師の共感は、非薬物療法やオピオイド療法、腰椎手術よりも良好な結果と関連することが明らかになりました。

 

 <文 献>

Licciardone, J. C., Tran, Y., Ngo, K., Toledo, D., Peddireddy, N. & Aryal, S., 2024  Physician Empathy and Chronic Pain Outcomes, in JAMA network open, vol.7, no.4. e246026. pii: e246026.

 

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血糖値低下はショウガが三冠王!

2024-03-25 08:58:26 | 健康・病と医療

血糖値低下はショウガが三冠王!

 スペインZaragoza大学のMaria C. Garza氏らは、2023年9月までPubMed、Web of Science、Scopusの各データベースを検索し、

地中海食に一般的に含まれるハーブ/スパイス(ブラッククミン、クローブ、パセリ、サフラン、タイム、ショウガ、黒コショウ、ローズマリー、ターメリック、バジル、オレガノ、

シナモン)が2型糖尿病患者の血糖プロファイルにどのくらい影響を及ぼすかについて、

システマティックレビューおよびメタ解析を行なった結果(77論文をシステマティックレビューの対象とし、そのうち45(3050例)をメタ解析の対象としたもの)、

いくつかのハーブ/スパイス、なかでも特にショウガの摂取が空腹時血糖、HbA1cおよびインスリン値の低下に有意に関することを明らかにしました。

具体的には――

 

空腹時血糖値が有意に改善したのは、ブラッククミン、シナモン、ショウガ、ターメリック、サフラン(以下、カッコ内は95%信頼区間)。

 ・ブラッククミン摂取群:26.33mg/dL低下(-39.89~-12.77、p=0.0001)

 ・シナモン摂取群:18.67mg/dL低下(-27.24~-10.10、p<0.001)

 ・ショウガ摂取群:17.12mg/dL低下(-29.60~-4.64、p=0.0004)

 ・ターメリック摂取群:12.55mg/dL低下(-14.18~-10.86、p<0.001)

 ・サフラン摂取群:7.06mg/dL低下(-13.01~-1.10、p=0.020)

 

HbA1cが有意に改善したのは、ショウガとブラッククミンであった。

 ・ショウガ摂取群:0.56%低下(-0.90~-0.22、p=0.0013)

 ・ブラッククミン摂取群:0.41%低下(-0.81~-0.02、p=0.0409)

 

インスリン値が有意に改善したのは、ショウガとシナモンであった。

 ・ショウガ摂取群:1.69 IU/μL低下(-2.66~-0.72、p=0.0006)

 ・シナモン摂取群:0.76 IU/μL低下(-1.13~-0.39、p<0.0001)

 

※各ハーブ/スパイスの最も一般的な摂取量は、ブラッククミン:500mg、シナモン:1,000mg、ショウガ:2,000mg、ターメリック:2,000mg、サフラン:30~100mg。

 

 著者らは、本研究の限界として「それぞれのハーブ/スパイスの用量が不均一であるため、有効用量を考慮することはできなかった」ことなどを挙げつつも、

「ショウガは、地中海食のハーブ/スパイスの中で、空腹時血糖、HbA1cおよびインスリン値の3つの検査結果すべてに有意な影響をもたらす独特のものであるようだ」と

まとめています。

 

<文 献>

Garza MC, et al., 2024  Effect of Aromatic Herbs and Spices Present in the Mediterranean Diet on the Glycemic Profile in Type 2 Diabetes Subjects: A Systematic Review and Meta-Analysis, in Nutrients, vol. 16, no.6, p.756. https://doi.org/10.3390/nu16060756

 

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ADHDと精神疾患リスクの関連

2024-03-07 08:45:18 | 健康・病と医療

ADHDのさまざまな精神疾患との合併率の高さが、これまで観察研究や診断基準などから示唆されてきていましたが、

このたび、中国・重慶医科大学のYanwei Guo氏らが、ADHDと6つの精神疾患との潜在的な遺伝的関連性を調査するため、

メンデルランダム化(MR)研究を実施したところ、以下のような結果が得られたとのことです。


なお、この研究は、2サンプルのMRデザインを用いて、ADHDと6つの精神疾患のゲノムワイド関連研究(GWAS)に基づき、

遺伝的操作変数(IV)をシステマティックにスクリーニングしたもので、分析の主なアプローチとしては、逆分散重み付け(IVW)法が用いられています。



・IVW MR分析では、ADHDと自閉スペクトラム症リスクとの間に正の相関が認められた(オッズ比[OR]:2.328、95%信頼区間[CI]:1.241~4.368)。
・ADHDは、統合失調症のリスク増加に対する正の関連も認められた(OR:1.867、95%CI:1.260~2.767)。
・ADHDとチック症、知的障害、気分障害、不安症との関連は認められなかった。

 

ADHDはASDや統合失調症との合併のリスクが考えられ、気分障害との合併リスクはさほどではないようです。

 

<文 献>

Guo, Y., Li, J., Hu, R., Luo, H., Zhang, Z.,  Tan, J. & Luo, Q.,  2024  Associations between ADHD and risk of six psychiatric disorders: a Mendelian randomization study, in BMC psychiatry, vol.24, no.1,p.99. 

 

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