眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

日本の格差社会

2015-03-02 | Weblog
阿部内閣発足以来、所得格差がマスコミの話題にはなっていたが、そのきっかえは、ご存知小泉改革である。
非正規雇用者を大量に生み出す一方、大企業の経営者に多大な報償を与える社会を作り出した。

ピケティの来日をきっかけに、日本の格差を検証する動きが盛んになってきた。
御用学者たちが反論を加えているが、やはり説得力はない。
日本の経済学者たちは、海外の学説をさほど解析しないで持ち込んでいるだけで、消化しきっていない。

日本の場合、敗戦によって、それまでの富裕層がほとんど没落したのは確かである。
伝承的な商家も、その後の高い税率の相続税によって、継承する資産を減らしている。
超富裕層は、戦後の経済成長にのった新興企業の創始者たちの子孫である。
鳩山家の政治資金が問題になったが、その富裕ぶりは庶民感覚を驚愕させるものとなる。

今の民主党の問題は、岡田氏が党首になっていることで顕著である。
所得格差を追求する野党第一党が、超富裕層の一族では、何を言っても説得力はない。
民主党が解党しないのが、今の日本を不幸にしている。

ピケティの言う、近年資産格差が拡大しているというのは、確かに今の日本にもあてはまる。
それが顕著になってきたのが、小泉改革が始まった21世紀になってからであると言えよう。
それまでは、終身雇用制のもと、年功序列賃金によって所得が上がり、退職時には、老後をまかなえる貯金と年金を手にすることができた。

その制度を「ぶっこわした」ことにより、賃金に大きな差がある格差社会に向かっていった。
大きく、年間賃金300万円以下の非正規労働者、500万円までの底辺の正規労働者、700万から800万までの中間層、1000万前後の管理職クラス、そして1200万以上の上位労働者、さらにその上の経営者層に分かれる。
今までは、年齢によって、ある程度まで上のクラスにいくことができたが、今後は一生各層にとどまるようになってくる。

要は、欧米並みの労働者状況になっていくということであるが、日本の場合心配されるのが老後である。
これまでは、退職金などによって、60歳退職時には3000万程度の老後資金を持つことができ、年金に頼って平均寿命まで生活を維持することができた。
今後、貯金がなく、年金もほとんどないという高齢者が増えてくる。
その中心は、30代のロストジェネレーション、小泉改革の犠牲者たちである。

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