映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
コメントのところをクリックするとコメントできます。

『大帝の剣』

2007年10月30日 | Weblog
ふつう

堤幸彦 監督
阿部寛、長谷川京子、宮藤官九郎、黒木メイサ、竹内力、大倉孝二、六平直政、 杉本彩、遠藤憲一、津川雅彦、本田博太郎、谷口高史、船木誠勝 出演

徳川三代将軍家光の時代。人並みはずれた大男・万源九郎はオリハルコンで作られた三種の神器の一つ・大帝の剣を背負っていた。彼は亡き祖父の遺言を受け継ぎ、旅を続けていた。命を狙われる麗しき姫・舞に出会ったことから人智を超えた敵が次々に襲い掛かり…。持った者に想像を絶する力を与える謎の金属オリハルコンでつくられた“三種の神器”を巡って繰り広げられる壮絶なバトルを描いた、夢枕獏原作のアクション!

長谷川京子と黒木メイサが出ているからよい、としたかったのだが……(笑)。

原作よし、監督おそらくよし、出演者よし、それでこの出来ということは、スケジュールか制作費かシナリオ(映画作品としてのストーリー)かが悪いのだろう。

オリハルコンがたいして強そうに見えない、凄さが伝わらないのがまずい。
殺陣もそこそこで、目を見張るようなものではない。
ストーリーのはちゃめちゃさをナレーション(江守徹)でカバーしようとしているのはわかるが、カバーしきれていない。大倉孝二や黒木メイサの処理が雑すぎるのだ。
「うしろが隙だらけ」のギャグもいまひとつはじけていない。
ストーリーを細かくまとめて、もっとぶっとんだ演出をすれば新しい時代劇になったかもしれない。かゆいところに手が届いていないのが残念である。

お色気要員として、せっかく杉本彩様が出ているのに(笑)、それも活かされていない。六平直政も今回は魅力がでていなかった。

『クワイエットルームにようこそ』

2007年10月28日 | Weblog
よい

松尾スズキ 監督
内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、中村優子、高橋真唯、馬渕英俚可、筒井真理子、宍戸美和公、平岩紙、塚本晋也、平田満、徳井優、峯村リエ、武沢宏、箕輪はるか、近藤春菜、庵野秀明、河井克夫、俵万智、しりあがり寿、川勝正幸、しまおまほ、妻夫木聡、大竹しのぶ、伊勢志摩(白井医師の声) 出演

佐倉明日香は28歳のフリーライター。ようやく手にした署名コラムの執筆は行き詰まり、同棲相手ともすれ違いが続く微妙な状態。そんなある日、明日香は気がついたら、真っ白な部屋のベッドに拘束されていた。やってきたナースに「アルコールと睡眠薬の過剰摂取により、丸2日間昏睡状態だった」と説明されても、記憶があちこち欠如した明日香は戸惑うばかり。だが非日常的な空間で見知らぬ人々と出会ううち、明日香の中で何かが変わり始める…。

りょうと蒼井優が出演しているだけでよい(笑)。
こういう広がりにくい世界の中で、美人がいるのは大切である。

あっさりした庵野秀明の医師に爆笑。

前半で笑わせて後半でしんみりさせるというパターンは好きではないが、今回は許せる範囲。

すべてを理解しているような笑顔を浮かべながら、なにも理解していない看護婦の山岸(平岩紙)がいい。

旅館に超豪華キャストが出ていたようだが、気づかなかった(悔)。

『題名のない子守唄』

2007年10月28日 | Weblog
ふつう

ジュゼッペ・トルナトーレ 監督
クセニア・ラパポルト、ミケーレ・プラチド、クラウディア・ジェリーニ、ピエラ・デッリ・エスポスティ、アレッサンドロ・ヘイベル、クララ・ドッセーナ、アンヘラ・モリーナ、マルゲリータ・ブイ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ 出演

北イタリアのトリエステにやって来た異国の女イレーナが、金細工の工房を営むアダケル家のメイドに雇われる。それは周到に策を講じて手に入れた念願の職場だった。完璧な仕事ぶりですぐに主人夫妻の信頼を得ると、最初こそ手を焼いていた彼らの4歳になる一人娘テアの心も確実に掴むのだった。しかし、テアを慈しむイレーナの本当の目的を知るものは誰もいない。さらに、忌まわしい過去の黒い影が忍び寄る。

熊本では10月27日に公開だった。

家族愛の強いイタリアのお国柄だからこそ認められる映画ではないか。
基本的には愚かな女性の執念映画。
しかも、監督からのメッセージ(とは思えないのだが)で、謎を明かすなという断り書きが最初にあるが、たいした謎ではない。ミステリーとして観るのは不向きなのだ。

そんな中で、子ども(クララ・ドッセーナ)と同じ病気を主人公(クセニア・ラパポルト)が持っているかもしれないと思わせる見せ方(不器用にこける)がうまい。

不満点
殺すんだったら、一回で殺せ(これのおかげで映画が長引いている)。
不自然な枯れ木の植木鉢の強調の意味は?
メイドとして雇われたあとも、職探しを頼んだ理由は?

『人生は、奇跡の詩』

2007年10月28日 | Weblog
よい
ロベルト・ベニーニ 監督
ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジャン・レノ、トム・ウェイツ、エミリア・フォックス、ジャンフランコ・ヴァレット 出演

'03年、イラク戦争直前のローマ。大学教授で詩人のアッティリオは、最新刊も高い評価を得ており順風満帆。だが彼の心は、すべて美しき伝記作家・ヴィットリアのものだった。

惚れた女のためならば、なんでもする男の話。

ちょっと甘すぎてわたしの好みではないが、どこまでも前向き人間の話としてアリだろうし、あまりケチをつけるところがない。

あるしかけがあるのだが、それを話すとこれを観る楽しみが半減してしまうので、ここでは書かない。

日常生活はまともにおくることのできないダメ人間が彼女のことに関してならば、なぜかうまくいくのがおかしい。

動物をうまく使うのはズルい、というかうまい。

『ワイルド・ランナーX3』

2007年10月28日 | Weblog
ふつう

ラウル・ハインリッヒ 監督
レネ・シュタインケ、エルドゥアン・アタレイ、ディトマー・ハーン、シャルロット・シュエッブ、ゴットフリード・ボルマー、カリーナ・ワイズ、アストリッド・フンデリッヒ、ディーター・ランデュリス、ダルク・シンプソン 出演

速度無制限の高速道路、アウトバーンで起こる事件に果敢に挑む2人の刑事の姿を描いた、スピード&スリル溢れる傑作カー・アクション・シリーズ第3弾!高速機動警察のトムとゼミルは、武器密輸の情報をキャッチし大量の銃器を押収する。武器密売の黒幕ケルコーフェンは激怒し2人の始末を命じる。偽情報で2人は罠にはまり、殺人・麻薬密売で逮捕されてしまう。容疑を晴らすため脱獄した彼らは黒幕を突き止めるが…。

どうもドイツのテレビ映画のようだ。
結構ハデなのだが、ストーリーが甘い。ドイツ版西部警察といえるかもしれない。

しかもドイツ語版がお粗末。アフレコがやる気のない声で口とあっていないのだ。
我慢ができずに日本語版にしたら、こちらはけっこう力がはいっていた。
まともな芝居になっている。
観るのであれば、日本語版で観たほうがノリがよい。

『グッド・シェパード』

2007年10月22日 | Weblog
グッド・シェパード - goo 映画
よい

ロバート・デ・ニーロ 監督
マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、アレック・ボールドウィン、タミー・ブランチャード、ビリー・クラダップ、ロバート・デ・ニーロ、ケア・デュリア、マイケル・ガンボン、マルティナ・ゲデック、ウィリアム・ハート、ティモシー・ハットン、リー・ペイス、ジョー・ペシ、ジョン・タートゥーロ、ジョン・セッションズ、エディ・レッドメイン、オレグ・ステファン、ガブリエル・マクト 出演

1961年、キューバのカストロ政権転覆を目論んだピッグス湾侵攻作戦がCIA内部の情報漏れで失敗し、指揮をとったベテラン諜報員エドワード・ウィルソンは窮地に立たされる。第二次世界大戦前夜、イェール大学在学中に秘密結社スカル&ボーンズに勧誘されされたのを機に、この道に足を踏み入れて以来、戦中、戦後と優秀な諜報員として暗躍してきたが、その陰で妻と息子は孤独な生活を強いられていた…。

長い(167分)が、おもしろかった。

しかし、そのおもしろさは一般的なスパイ映画のようなド派手なアクションシーンではなく(一ヶ所信じられないようなシーンがあるが)、陰謀、裏切りなどの頭脳戦なのだ。

話が第二次大戦から1964年くらいまでと長いために登場人物も多く複雑になるが、要は主人公(マット・デイモン)の孤独の深まりとピッグス湾侵攻作戦をリークしたのが誰なのかに集約される。

そんな中で、アンジェリーナ・ジョリーが今回は精彩を欠く。これは本人の問題なのか監督の問題なのかは、わからない。

誰が味方で誰が敵なのかわからない状況の中で、教授役のマイケル・ガンボンとユリシーズ役のオレグ・ステファンが出番は少ないが、魅力的なキャラクターになっている。

博物館での1ドルのやりとりがうならせる。

『ジェリー』

2007年10月21日 | Weblog
ふつう

ガス・ヴァン・サント 監督
マット・デイモン、ケイシー・アフレック 出演

ドライブをしている男ふたりが、荒野の小道に分け入る話。

荒野の小道に行くのが目的なのか、旅の途中で偶然立ち寄ったのかよくわからない。

撮り方は猛烈に丁寧にこだわって撮ってあるが(長まわし、レールを敷いて、など)、さすがにこれで100分以上はつらい。

そして、最後であんなことをする必要があるのかどうかもよくわからない。ただ極限状態を表現したかっただけなのだろうか。

ケイシー・アフレックが出演する作品を連続して観たが、偶然である。他意はない。

『リターン・トゥ・マイ・ラブ』

2007年10月21日 | Weblog
よい

スティーヴ・ブシェミ 監督
ケイシー・アフレック、リヴ・タイラー、ケヴィン・コリガン、メアリー・ケイ・プレイス、シーモア・カッセル、マーク・ブーン・ジュニア、ジャック・ロヴェロ 出演

ニューヨークで働いていた青年が夢破れて故郷に戻ってくるが、もどってきても特にいいことはおこらない話。いやおこるともいえるけれども、要は自分の考え方という話。

強烈な個性派俳優スティーブ・ブシェミ監督作とあっては、観ないわけにはいかない。

ダメ人間のための映画。しかし、ダメさを批判するのではなくダメさを認めるつくりになっている。視線がやさしいのだ。

親子関係のいやなところ、いなかのいやなところが強調されているが、それにユーモアが加えられて決して悲惨なイメージにならない。

『未来世紀ブラジル』

2007年10月15日 | Weblog
未来世紀ブラジル - goo 映画
よい

テリー・ギリアム 監督
ジョナサン・プライス、キム・グライスト、ロバート・デ・ニーロ、イアン・ホルム、 キャサリン・ヘルモンド、ボブ・ホスキンス、マイケル・パリン、イアン・リチャードソン、ピーター・ヴォーン、ジム・ブロードベント 出演

実社会では有能だが夢想家のサムは、ある事件をもみ消すために訪れた場所で理想の女性と出会う。

マイ・ベスト10に入る名作。ほかには『ブレードランナー』、『ガープの世界』が入る。ほかの七作は未定。

これをシネマライズで観て20年くらいたっているのだが、当時受けたショックは今でも残っている。

今回観なおすにあたってネットで情報を収集したが、『バンデットQ』、本作、『バロン』をギリアムは三部作と言っているそうだ。『バンデットQ』と本作には共通するものがあると思うが、『バロン』がその範疇に入るのか自信がない。こんど観なおしてみようと思う。

うそ、大げさ、悪趣味、けれん味というジャロに怒られそうな世界観はいつも通り。
それに金もかなりかけられているようで、セットや美術(ダクト !)も豪華である。

キム・グライスト演じる理想の女性は情報省にたてついていたのは事実だが、ジョナサン・プライスと出会わなければ不幸にはならなかったのではないか。暴走してしまった主人公の犠牲者にも見える。

手順を踏まなければなにもできない公務員がおもしろい(1984年版『1984年』<ジョージ・オーウェルの著作>といっていたそうである)。
昇進を断って精神科に相談に行けと言われたり、出てくるたびにどんどん包帯が増えるオバサン(先生はすぐ治ると言ってくれているが……)がいたりと、小ネタも効いている。

『善き人のためのソナタ』

2007年10月14日 | Weblog
善き人のためのソナタ - goo 映画
よい
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク 監督
ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ、ウルリッヒ・トゥクール、トマス・ティーマ、ハンス=ウーヴェ・バウアー、フォルカー・クライネル、マティアス・ブレンナー 出演

1984年、東西冷戦下の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーは、劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。成功すれば出世が待っていた。しかし予期していなかったのは、彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうということだった。国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、盗聴器を通して知る、自由、愛、音楽、文学に影響を受け、いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。ふたりの男女を通じて、あの壁の向こう側へと世界が開かれていくのだった…。

ストックホルム・シンドロームの変種。
リアルな社会情勢が加味されて、ドラマに深みを与えている。
国家に忠実な主人公の目からみると、大臣さえも不純な人間と捉えているところがおもしろい。

C.M.Sの変節は、前半の盛り上がりからするとあっさりしすぎていて拍子抜けした。

映画と直接関係ないが、まだ壁がある時代に川か湖を越境しようとした人間を追ってきた東ドイツのボートが、「お願い、撃たないで。おなかに赤ちゃんがいるの」という声を聞いて引き返した様子を撮ったビデオを思い出した。

『アフター・ウェディング』

2007年10月13日 | Weblog
アフター・ウェディング - goo 映画
ふつう

スザンネ・ビア 監督
マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン、スティーネ・フィッシャー・クリステンセン、クリスチャン・タフドルップ、フレデリック・グリッツ・アーンスト 出演

インドで孤児の援助活動に従事するデンマーク人ヤコブは、あるデンマークの実業家から巨額の寄付金の申し出を受ける。条件はたった一つ、直接会って話をするという事。久しぶりにデンマークへ戻ったヤコブは、実業家ヨルゲンとの交渉を成立させるが、週末に行われる彼の娘の結婚式に出席するように強引に誘われる。断れずに出席し、思いがけない人と再会し困惑するヤコブ。そして明らかになる衝撃の事実。やがてヤコブは全てを仕組んだヨルゲンの秘密と、彼の本当の望みを知ることになる…。

yahooの抽選でオンライン試写会に当たったので観た。

インドの孤児院、ドラマチック。招かれた結婚式の新婦が実は自分の娘だった、ドラマチック。そして寄付金を申し出た実業家が……、ドラマチック。
これだけドラマチックの設定の割には、物語の述べ方、叙述方法がつたない。

命と家族の問題だと思うが、家族の葛藤の描き方が足りない。いくらなんでもあの展開は強引過ぎる。

インドから旅立つときのシーンがくさすぎたが、あとの演技はよい。

公式サイトの解説は詳しすぎて観る楽しみを奪うようなので、行かないほうがいいだろう。

『地獄の変異』

2007年10月10日 | Weblog
地獄の変異 - goo 映画
ふつう

ブルース・ハント 監督
コール・ハウザー、パイパー・ペラーボ、レナ・ヘディ、エディ・シブリアン、モリス・チェスナット、ダニエル・デイ・キム、マーセル・ユーレス、リック・ラヴァネロ、キーラン・ダーシー=スミス

ルーマニア。地質学者のニコライ博士が、山脈付近にある巨大洞窟に、地球最大規模の水の流れがあることを発見。調査にはプロのダイバーたちの同行が必要と、精鋭ぞろいのジャックたちのチームに声がかかる。中世のテンプル騎士団を滅ぼした“翼をもった悪魔”が住むと伝えられる巨大洞穴に、足を踏み入れていく現代の冒険家たち。しかし調査を始めた矢先、爆発が発生。落ちてきた岩石で入り口が塞がれた!彼らは地底人の支配する世界に閉じ込められてしまった……。

ほかのDVDについていた予告編があまりにもばかばかしそうに見えたので借りてみると、かなりしっかりと作ってあり、演技も撮影も標準以上であった。しかし、ホラー映画のツボをおさえ損ねている !!
本来ならチーム間の不和やジャック(コール・ハウザー)への疑惑などを、ガンガン煽って最後にドーンとカタルシスで、成功作のいっちょあがり……、になるはずなのだが、どちらももったいつけが足りない。
したがってジャックもあっさりだし、最後のオチも怖さが際立たないのだ。

暗すぎてなにが映っているのかよくわからないのは、クリーチャーのちゃちさをごまかすためか ?

『イノセントワールド -天下無賊-』

2007年10月08日 | Weblog
イノセントワールド -天下無賊- - goo 映画
よい

フォン・シャオガン 監督
アンディ・ラウ、レネ・リウ、グォ・ヨウ、リー・ビンビン、ワン・バオチアン、 チャン・ハンユー、ゴードン・ラム、ユウ・ヨン、フー・ピアオ、シュー・ファン

詐欺やスリで世間を渡り歩く恋人同士のワン・ポーとワン・リーだが、チベットの高原地帯で二人は仲たがいをし、怒ったワン・リーは車を降りてしまう。そこでワン・リーは、出稼ぎに来ている若者シャーケンと出会う。その後、彼女は列車の始発駅で、貯めた大金を持って故郷に帰ろうとするシャーケンに再会するが、そこへワン・ポーもやって来た。彼はシャーケンの金に狙いをつけるが、同じ列車には窃盗集団も乗り合わせていた…。

yahooの抽選で当たったので観た。

ヒューマン・コメディ・サスペンス・アクション。
『ザ・シューター/極大射程』でも書いたが、達人どうしの戦いがおもしろい。
そこにマヌケな悪党の部下とバカ正直な青年が加わり、笑わせたりホロっとさせたりする。

スリのテクニック合戦がおもしろい。取る側ともどす(守る)側とのテクニックが、テンポよくスリリングに描かれている。

それだけに、なんでもお見通しのボスとの戦いが少々ものたりない。

『ザ・シューター/極大射程』

2007年10月04日 | Weblog
ザ・シューター/極大射程 - goo 映画
よい

アントワーン・フークア 監督
マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローヴァー、ケイト・マーラ、イライアス・コティーズ、ローナ・ミトラ、ネッド・ビーティ、ラデ・シェルベッジア、ジャスティン・ルイス、テイト・ドノヴァン、レイン・ギャリソン、ブライアン・マーキンソン、アラン・C・ピーターソン、トム・バトラー、レベッカ・トゥーラン、レヴォン・ヘルム 出演

元海兵隊の名狙撃手、スワガー。軍を退いて山奥で暮らしていた彼の元を、退役したジョンソン大佐らが訪ねてきた。彼は大統領暗殺の動きがあることをスワガーに話し、その阻止を手伝ってほしいという。スワガーは大統領の遊説先を狙撃手としての経験を活かして調査し、唯一と思われる狙撃ポイントを発見。演説当日も大佐らとともに、現場の見張りについた。すると銃声が鳴り響いた…撃たれていたのはなぜかスワガー自身だった。

極大射程って、遠距離狙撃のことじゃないの? あんまりそれを活かした話ではないのだが……。

手の内を知り尽くしたものどうしの戦いというのがおもしろい。若干敵側が弱い気もするが。

原作が好きだと裏切られるようだが、それを気にせず楽しめればかなりいいアクション映画。

雪山のところでかたがつかないのは、残念。

『めがね』

2007年10月03日 | Weblog
めがね - goo 映画
ふつう

荻上直子 監督
小林聡美、市川実日子、加瀬亮、光石研、もたいまさこ、橘ユキコ、中武吉、荒井春代、吉永賢、里見真利奈、薬師丸ひろ子 出演

春の浅い頃、タエコはとある海辺の町の空港に降り立った。大きなトランクを一つ提げて、民宿「ハマダ」に宿をとった。観光する所もない田舎町だが、ハマダの近くには不思議な人々が集っていた。毎朝、浜辺で行われる「メルシー体操」、近所でぶらついている高校教師のハルナ、笑顔でカキ氷を振舞うサクラ。彼らのマイペースさに耐え切れないタエコは、ハマダを出て、町でもうひとつの民宿「マリン・パレス」に移ろうとするが…。

『かもめ食堂』はほんものだが、こちらはにせものである。

単に『かもめ食堂』のおかげでスポンサーが集まったから二番煎じを作ってみんべ的なものにしか思えない。これを観るよりも、『かもめ食堂』を二回観たほうがよっぽどいい。この作品で癒されるなんてほざいているやつは、そもそも疲れていない卑しいばかだ。

しかし悪いところばかりではない。食い物のシーンは猛烈にうまそうである。それと大貫妙子の音楽の力もおおきいが、場内が明るくなるまで誰ひとり席を立たなかったのには感動した。

南の島を思わせるような舞台で全員きれいな標準語というのは、なじめなかった。
アップはそれほどでもないが、遠くの海や景色を見せるところの画がかなりきたなく感じた。