映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『アフターショック』

2014年02月27日 | Weblog
よい

ニコラス・ロペス 監督
イーライ・ロス、アンドレア・オズヴァルト、ナターシャ・ヤロヴェンコ、アリエル・レビ、ニコラス・マルティネス 出演

南米チリのサンチャゴ。アメリカ人観光客の“グリンゴ”は、地元チリ人の2人組ガイド・ポヨとアリエルに案内され、観光コースを楽しんでいた。ポヨの計らいで美女3人と仲良くなり、地下のナイトクラブにいたところ大地震が発生。街は崩壊し、彼らは暗闇に取り残されてしまう。あちらこちらで悲鳴が上がり、死体が溢れ、地震による刑務所崩壊で凶悪犯が脱獄。混乱した人々が陥るパニック状態を、彼らは無事に切り抜けられるのか。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346479#1





アフターショックというのが「余震」のことらしいが、地震とそのあとに起こるさまざまなできごとをもとにしたエンターテインメント作品。よって、そういうものを見たくないという人は避けるように。写真は前半のまだ平和なときのもので、このあと地獄絵図が繰り広げられる。

「常に悪い方向へ」向かうという方針でシナリオが作られたのだろうというのは想像に難くないが(笑)、ちょっと映画の文法からはずれているというか「約束事」が守られていないような気がする。

以下ネタバレ







前半で主人公らしき人の悩みが吐露される。ふつうはこういう前フリは終盤になると回収というか、乗り越えられたり解決されたりしていくものだが、本作ではそれがない(笑)。そしてなぜ、「主人公らしき」という表現なのかというと……。

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

2014年02月27日 | Weblog
よい

ジム・ジャームッシュ 監督・脚本
ティルダ・スウィントン、トム・ヒドルストン、ミア・ワシコウスカ、アントン・イェルチン、ジェフリー・ライト、スリマヌ・ダジ、ジョン・ハート 出演

デトロイトのアンダーグラウンド・ミュージック・シーンでカリスマ的な人気を誇る謎に包まれたミュージシャン、アダム。彼の正体は永遠の命を生きる吸血鬼だった。とはいえ、人を襲うようなことはなく、血液も病院で高品質なものを手に入れていた。そんなある日、モロッコのタンジールに暮らす吸血鬼イヴがアダムのもとにやって来る。2人は何世紀も愛し合う恋人同士。久々の再会を喜び、2人で親密な時間を過ごす。ところがそこへ、イヴの妹で問題児のエヴァが突然転がり込み、彼らの運命は静かに狂い出す……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347005





映画館で観た。

ティルダ・スウィントンとジョン・ハートはこの前観た『スノーピアサー』でもかなり重要な役で出ていた。ティルダ・スウィントンは本作のほうが素顔に近いのではないか(笑)。


ジム・ジャームッシュ監督の前作『リミッツ・オブ・コントロール』がわかりにくいヒントをたどって行くようなわかりにくい作品であったが、本作では移動の要素はあるが、かなりわかりやすい作品になっている(それほど物語に重きはないけどね)。

ミア・ワシコウスカが出ているシーンでは破壊、医者役のジェフリー・ライトが出ているシーンではユーモア、ジョン・ハートが出ているシーンでは理解とリラックス、そして全体として現代に生きる吸血鬼としての緊張感が味わえる。

序盤のギターたくさんのシーンは、もしかしたら自分のコレクションを自慢したかったのではないか?

『レ・ミゼラブル』

2014年02月22日 | Weblog
ふつう

トム・フーパー 監督
ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン、サマンサ・バークス 出演

19世紀のフランス。1本のパンを盗んだ罪で投獄され、19年間を監獄の中で生きたジャン・バルジャン。仮出獄した彼は再び盗みを働いてしまうが、司教の優しさに触れ、心を入れ替えると決意する。過去を捨て、マドレーヌと名前も変えながらも正しくあろうと自らを律して生きていくバルジャン。やがて市長にまで上り詰めるが、法に忠誠を誓うジャベール警部に自らの正体を見破られ逃亡を余儀なくされる。その一方で、薄幸の女性ファンテーヌから託された彼女の娘コゼットに深い愛情を注ぎ、美しい女性へと育てていくバルジャンだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=342984#1





サシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム=カーター! 特にヘレナ・ボナム=カーターは、どんな作品に出ても底意地の汚い性悪女にしか見えない(笑)。

ヒュー・ジャックマンもラッセル・クロウもアン・ハサウェイもあっさり死にすぎで、しかもその死因がよくわからない。ひとり自殺だが、なぜあのタイミングでするのかわからない。

セリフがほとんど歌になっている。

長い。

『高地戦』

2014年02月22日 | Weblog
よい

チャン・フン 監督
シン・ハギュン、イ・ジェフン、コ・ス、イ・デヴィッド、リュ・スンス、コ・チャンソク、リュ・スンリョン 出演

1953年。1950年6月に始まった朝鮮戦争は停戦協議が難航し、泥沼化していた。最前線では南北両軍が、いつやって来るかも分からない停戦の日を睨みつつ、境界線の高地を巡って、幾多の犠牲もいとわず互いに奪い合う地獄の高地戦が繰り広げられていた。ある日、その高地に韓国防諜隊中尉カン・ウンピョが送られることに。前線の部隊に人民軍の内通者がいるとの疑いが強まり、その調査を命じられたのだった。彼はそこですっかり変わり果て、冷徹な戦争マシンと化したかつての戦友キム・スヒョクと予期せぬ再会を果たすのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343334





現場・現実を知らないバカ上司と完全なたたたきあげとの構図、同じ場所を30回以上も取り合っている厭世観・厭戦感。「2秒」に代表される死の近さ……。

停戦協定で終わらない絶望感、すばらしい。

『モネ・ゲーム』

2014年02月22日 | Weblog
ふつう

マイケル・ホフマン 監督
コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン、トム・コートネイ、スタンリー・トゥッチ 出演

印象派の巨匠モネの代表作《積みわら》の連作には、消えた1枚が存在した――。英国の美術鑑定士ハリーは、自分を無能呼ばわりする雇い主の億万長者シャバンダーに仕返しすべく、《積みわら》の贋作を使った完璧な詐欺計画を練り上げる。そして話に真実味を持たせるため、名画の持ち主役としてテキサスの天然系カウガール、PJを相棒にスカウトする。ところが、自由奔放で怖い者知らずのPJはハリーの指示を完全無視、完璧だったはずの計画は早々に綻びを見せてしまうのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=344996#1





観たあとで調べたら、脚本がコーエン兄弟(ジョエル・コーエンとイーサン・コーエン)で、なおかつ、『泥棒貴族』のリメイクらしい。

しかし、コン・ゲームにおける頭脳戦の楽しみもあまりなく、「実はこうだった」的な答え合わせもあっさりしすぎてさほどおもしろくない。

だいたいホテルからの脱出方法がふつうすぎる! あれはダメだろう。

男性ふたり(コリン・ファースとアラン・リックマン)の演技がとてもよかったのに対して、キャメロン・ディアスのノリもいまひとつであった。

『スノーピアサー』

2014年02月18日 | Weblog
ふつう

ポン・ジュノ 監督
クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、ティルダ・スウィントン、ジェイミー・ベル、オクタヴィア・スペンサー、ユエン・ブレムナー、アリソン・ピル、コ・アソン、ジョン・ハート、エド・ハリス 出演

2014年、人類は急速に進行する温暖化を食い止めるため、人工冷却物質の散布を実施。しかしそれは予想外の結果を招き、地球は氷河期に突入してしまう。やがて人類を含めほとんどの生物は死に絶え、17年後の2031年、“スノーピアサー”と呼ばれる列車の中で生活する乗客たちだけが人類のすべてとなっていた。その列車は永久機関のエンジンを積み、1度も止まることなく1年をかけて地球を1周する“走る箱舟”。その前方車両では富裕層が優雅に暮らす一方、後方車両に押し込められた貧困層は劣悪な環境で虐げられ、忍従の日々を送っていた。そんな中、最後尾に乗るカーティスが革命に立ち上がり、反乱軍を率いて前方車両へと侵攻していくが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=345712#1





映画館で観た。

『ザ・レイド』や『ジャッジ・ドレッド』(2012)のように建物内部で下から上へ攻め上がるパターンはあるが、それを横にして列車にしたのは珍しいのではないか……。

ティルダ・スウィントン(笑)! ジョン・ハートやエド・ハリスなどの気になる俳優の使い方もうれしい。

しかし、脚本にかなり無理があった。
外への出口があそこだけだとすると、主人公はどこから乗ってきたのかわからなくなるのではないか? 「ここまで来たのは初めてだ」みたいなことも言っていたし……。

『エージェント:ライアン』

2014年02月18日 | Weblog
よい

ケネス・ブラナー 監督
クリス・パイン、ケヴィン・コスナー、ケネス・ブラナー、キーラ・ナイトレイ 出演

海兵隊員としてアフガニスタンの戦場に赴き重傷を負った青年ジャック・ライアンは、リハビリを支えてくれた医学生キャシーと恋に落ちる。キャシーとの愛を育む一方、彼は秘かにCIAにスカウトされ、不審な経済活動を監視するアナリストとして活躍していく。そんなある日、彼はモスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不穏な動きに気づき、上司のハーパーに報告する。するとハーパーは、デスクワーク専門だったライアンを現地へと送り込むことに。現場経験のないライアンは戸惑いつつもモスクワへと向かうのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347159





映画館で観た。

ケヴィン・コスナーの存在感が薄いのと、アメリカにもどってからも主人公が第一線で活動する必要性がないのがちょっとひっかかるが、楽しめた。

特によかったのが、「めんどくさい女」を演じたキーラ・ナイトレイ。彼女のやっかいぶりはかなりのもので、彼女がいなければもっとはやく解決できたかもしれない(笑)。

また、主人公の観察眼の鋭さの強調もよかった。これは次作へも引き継いでほしいものだ。

『ビフォア・ミッドナイト』

2014年02月05日 | Weblog
よい

リチャード・リンクレイター 監督
イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、 シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック 出演

パリでの運命の再会から9年。当時はそれぞれにパートナーがいたアメリカ人のジェシーと、フランス人のセリーヌは一緒に暮らしているばかりか、ふたりの間にはかわいい双子の娘たちまでいた。パリに暮らしている彼らは、南ギリシャの美しい港町にバカンスにやって来ていた。ウィーンでの初々しい出会いからすでに18年。すっかり中年となり、仕事と子育てに追われる日々。楽しいはずのバカンスも、気づくとすぐに言い合いとなってしまうふたりだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347079





映画館で観た。

あなたが人生の達人や人生の終わりかけでない限り、お願いだから『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』とその9年後の再会を描いた『ビフォア・サンセット』を観てから本作を楽しむことを……。さらにその9年後の話だから。

脚本がリチャード・リンクレイター監督と主演のふたりジュリー・デルピーとイーサン・ホークになっていることに注目してほしい。主演のふたりが役を完全に理解しているからこそできることではないか。今回もおおまかなラインを決めてアドリブ的な進め方をしていそうだ。

人生に答えはないし、ひとつでもない。それがわかるだけでももうけものである。

どうしても男の目線で観てしまうが、イーサン・ホークが前妻との息子を空港で見送るシーンと、ラストの和解を提案する(一番上の写真のところだ)シーンはグッときた。

最後の夜だけホテルに宿泊するという設定は、ちょっとだけ持って行き方に無理があった。

『ラッシュ/プライドと友情』

2014年02月05日 | Weblog
よい

ロン・ハワード 監督
クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリヴィア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、クリスチャン・マッケイ 出演

ジェームズ・ハントとニキ・ラウダは、F3時代からの宿命のライバルながら、その性格とレーススタイルはまるで対照的。ワイルドで天才肌のハントは、プライベートでも酒と女を愛する享楽主義のプレイボーイ。対するラウダはマシンの設定からレース運びまで全てを緻密に計算して走る頭脳派で、闘志を内に秘めてストイックに生きる優等生レーサー。1976年、そんな2人はF1の年間チャンピオンを巡って熾烈なデッドヒートを繰り広げる。2連覇を目指すラウダはシーズン序盤から着実に勝利を重ね、ライバルのハントを大きく引き離し、チャンピオン争いを優位に進めていた。そんな中、2人の運命を大きく変える第10戦ドイツGPが幕を開けようとしていた……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346876





映画館で観た。

派手なレースで引きこまれ、人間ドラマに感動して終わる……。

「ジェームズ・ハント」で検索すると簡単にわかるが、セックス&ドラッグがかなり激しかったらしい。本作ではドラッグの部分を抑えめにして比較的キレイに描いてある。

ふたりの主人公の人間的な弱みと魅力の見せ方がとてもうまい。

そしてあのラストは予想できても泣くかもしれない。

タイレル(ティレルじゃないぞ!)六輪。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

2014年02月05日 | Weblog
よい

マーティン・スコセッシ 監督
レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー、ジョン・ファヴロー、カイル・チャンドラー、ロブ・ライナー、ジャン・デュジャルダン 出演

80年代後半のウォール街。証券マンのジョーダン・ベルフォートは26歳で会社を設立すると、富裕層をカモにそのモラルなき巧みなセールストークで瞬く間に会社を社員700人の大企業へと成長させ、自らも年収49億円の億万長者となる。ドラッグでキメまくり、セックスとパーティに明け暮れた彼のクレイジーな豪遊ライフは衆目を集め、いつしか“ウォール街の狼”と呼ばれて時代の寵児に。当然のように捜査当局もそんな彼を放ってはおかなかったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346630





映画館で観た。

バブルと寝た男たちや女たちアメリカ版。

ドラッグ&セックスが多めで、マネーの部分がちょっとすくなめ。

ケツが痛くなるほど長い(179分)が、かなりおもしろい。

株屋を信用するなという教訓と、マーティン・スコセッシのニューヨークへの愛は強く感じられた。

金魚鉢グッド!

『アメリカン・ハッスル』

2014年02月01日 | Weblog
ふつう

デヴィッド・O・ラッセル 監督
クリスチャン・ベイル、ブラッドリー・クーパー、ジェレミー・レナー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、ルイス・C・K、マイケル・ペーニャ、アレッサンドロ・ニヴォラ 出演

太鼓腹で一九分け頭のアーヴィンは、愛人にして相棒のセクシー美女シドニーと完全犯罪を続けてきた天才詐欺師。そんな2人はある時ついに捕まってしまう。ところがイカれたFBI捜査官リッチーは、もっとデカいヤマを狙ってアーヴィンに捜査協力を迫る。こうして危険な囮捜査をするハメになったアーヴィン。やがて彼らのまいたエサに期待以上の大物が引っかかってくる。そんな中、嫉妬に狂ったアーヴィンの妻ロザリンの予測不能の行動が作戦全体を混沌へと陥れてしまい……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346643





映画館で観た。

本来なら、クリスチャン・ベイルとエイミー・アダムスがどうにかまとまってめでたしめでたし……のはずなのだが、ジェニファー・ローレンスの圧倒的存在感が作品全体のまとまりを凌駕していて、空気を読まないいけすかね~女(ジェニファー・ローレンス)のほうに観客の目が奪われてしまうのだ。

同じく、実力はないのに思い通りにモノゴトを運ぼうとするブラッドリー・クーパーが目立ちすぎて、クリスチャン・ベイルとエイミー・アダムスがかすんでしまっている! ふたりともがんばっているのに、もったいないバランスになっている。

そして、すこし長い(138分)。