映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ホーリー・モーターズ』

2013年05月21日 | Weblog
よい

レオス・カラックス 監督・脚本
ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ、エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ、エリーズ・ロモー、ミシェル・ピッコリ、レオス・カラックス 出演

パリの夜明け。大富豪の銀行家オスカーは、女性運転手セリーヌが運転する白いリムジンに乗り込み、自宅の豪邸を後にする。やがて彼は、リムジンの中でおもむろに着替えはじめ、みすぼらしい物乞いの女に変装してリムジンを降りる。その後も、謎の怪人メルドや10代の娘を持つ父親、あるいは殺人者といった人物に次々に変身し、それぞれの役になりきり演じるかのような奇妙な行動を繰り返していくオスカーだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=344823#1





映画館で観た。

死にかけた主人公を車にもどすと生き返る。途中でいきなり車を止めさせて、銃を持って襲いかかる主人公のあとから女運転手が周囲の人間に説明する。「最近彼は混乱気味だったから……」
そして納得する周囲の人々……。

これらのことから、本作の世界では誰もが(もしくは多くの人が)一時的な役を演じる(ロール・プレイング)ことが当然の世界なのではないかということが推察される。

そして見せる・見られることの強調や、『TOKYO!』のなかでカラックスが描いた『メルド』(『ゴジラ』の音楽も)、わたしは見ていないが大島渚監督の猿が出てくる映画、そして上の写真のインターミッションのシーンではエミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』を想起させるところからも、「映画」への愛が窺えるのではないか?

本作は1回しか観ていないし、もうちょっと他作品も検証したくなるのだが、これほど刺激的で楽しい作品は珍しい。
「難解」とか「わからん」とかいうことばは『ポーラX』に使え!


わたしの『TOKYO!』の記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/ccbb1c880a21ced08035f62b4b5ef4ff

『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』

2013年05月19日 | Weblog
ふつう

フィリダ・ロイド 監督
メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント、オリヴィア・コールマン、ロジャー・アラム、スーザン・ブラウン、ニック・ダニング、ニコラス・ファレル、イアン・グレン、リチャード・E・グラント、アンソニー・ヘッド 出演

孤独な晩年を送る86歳のマーガレット・サッチャー。すでに他界した夫デニスの幻想を相手にしてしまうこともしばしば。そんな彼女は、ふと自らの人生を振り返る。市長も務めた父の影響で政治家を志すようになったマーガレットは、やがて下院議員選挙に立候補するがあえなく落選。失意の彼女を実業家のデニス・サッチャーが優しく励まし2人は結婚。子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築くが、政治への意欲を失わないマーガレットは、ついに下院議員への当選を果たす。男たちが支配してきた世界に飛び込んだマーガレットは、様々な困難に強靱な意志で立ち向かい、着々と政界での地位を高めていくのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=341452





カット割りが多すぎて、チャカチャカしている。これがよくない。
このことは作品を観た人には理解してもらえると思うが、これ以降はわたしの想像である。

なぜこのようなチャカチャカした落ちつきのない映像にしたのか?
もしかしたら、脚本の「底の浅さ」をごまかすためではないか。

単なる女性政治家物語にしたくなかったのかもしれないが、だからといって冷戦終結の扱いの軽さや引退後の物語の単調さは許されないと思うのだ。シナリオの落ち度ではないか? と、『SHAME -シェイム-』のシナリオもあまり好きではなかったわたしは勘ぐってしまう。どちらもアビ・モーガンによる脚本なのだ。

『アフリカの女王』

2013年05月19日 | Weblog
よい

ジョン・ヒューストン 監督
ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘプバーン、ロバート・モーレイ、ピーター・ブル、セオドア・バイケル 出演

第一次大戦下の東アフリカ。船長チャーリーと宣教師の妹ローズを乗せた蒸気船“アフリカの女王”号は河を下っていくが、彼らの行く手には激流や大瀑布、そしてドイツの戦艦が待ち受けていた!
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=1132#1





ハンフリー・ボガートにハードボイルドのイメージがあったので冒頭からとまどったが、正直者の主人公もちゃんとこなしていた。

船のアクション、デキちゃう前後、ドイツの戦艦が見えてから、つかまってから……、とハラハラドキドキ、ニヤニヤ、ほろりと感情への刺激が単調にならずに繰り広げられるのがいい。

『No.6』

2013年05月14日 | Weblog
ふつう

Robin Larsen 監督
ロン・パールマン、Charlotte Ayanna、Brian Baumgartner、Lorinne Vpzoff、Anna Khaja 出演

フランシス・ポーターは過去へのつぐないとして、売春宿の6号室を訪れる……。





iTunesの短編映画のところで、300円で購入。

日本語字幕無し(笑)! 英語できないけど、たまにクジ引き感覚で購入する。
そのことを納得した上での評価だと考えてください。つまり、あてにならんぞと……。

2012年度のマイ・ベスト、『ドライヴ』や『エイリアン4』に出ているロン・パールマンが好きなので購入した。

「No.6」が部屋番号であり、その部屋にいる女性のことだと理解できたら、それほどむずかしいことはない。

設定が設定なので薄着の女性はかなり出てくるが、あまり期待するようなシーンはない。

メインのふたりと宿の女主人はちゃんとした芝居なのだが、その女主人のバカ息子役の人(ほかの作品でも観た気がするのだが)の芝居はどうだろう……。

長さは18、9分(購入前の表記は18だが実際に観てみると19だった。まあ、そのくらいだ)。

どことなくだが、某レプリカントSF映画を思わせる雰囲気があった。トンネルとか町並みとか……。

『アイアンマン3』

2013年05月14日 | Weblog
よい

シェーン・ブラック 監督
ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、ガイ・ピアース、レベッカ・ホール、ステファニー・ショスタク、ジェームズ・バッジ・デール、ジョン・ファヴロー、ベン・キングズレー 出演

“アベンジャーズ”の一員としてヒーローたちと手を組み、人類滅亡の危機を回避したトニー・スターク。だが、この戦いは彼の心に大きな影を落とし、何かに取り憑かれたように新型アイアンマン・スーツの開発に没頭する。そして最新の“マーク42”を完成させるものの、心身共に疲弊していくトニー。一方、巷では凶悪テロリスト“マンダリン”による爆破テロが連続発生していた。また、かつてトニーと対面した科学者キリアンが驚異的発明を手に再び姿を現わす。そんな中、トニーの自宅がマンダリンによって襲撃される事態に。窮地に立たされながらもアイアンマン・スーツを駆使し、冷徹な一味の陰謀を食い止めるべく立ち向かうトニーだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=344443





3D(マスターイメージ)日本語版で観た。

マーク42(笑)! 名前を変えただけ(笑)!
前半のテンポがとてもいい。

しかし、今回の敵はこれまでのシリーズと比して、CGにたよりすぎで「もっともらしさ」が弱い(アベンジャーズは別世界からの敵だったし、CGもチャチには感じなかったのだが……)。

そして……、
以下ちょっとネタバレ







クリーンスレート・プロトコルに関して、そこまで悩んでいる描写が本作にあったか?
唐突にしか見えない。

そしてイージーすぎる手術! うっそ~~~~ん、これまた唐突。



ちなみに、ベン・キングズレーはオスカー俳優ね。

『極秘指令 ドッグ×ドッグ』

2013年05月07日 | Weblog
ふつう

フアド・ミカティ 監督
ジョー・アンダーソン、ロブ・コードリー、エレン・バーキン、オデット・ユーストマン、マギー・Q、ザック・ガリフィナーキス 出演

オバマ大統領誕生の陰で、旧政権下で極秘ミッションに関わってきたエリート諜報員たちに何者かによる全員抹殺の指令が下る。そして、“ファクトリー”と呼ばれる政府の極秘地下施設に丸腰で閉じ込められた“殺しのプロ”たち11人。やがて彼らは、壮絶な殺し合いを始めるが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=342377





悪い意味でテレビ的なオキラク作品であった。

最後まで観て、冒頭で隠者がいなかった理由がわからなかった。

愚者が基地に来る前の作戰で失敗する必要があるか?

『ザ・レイド』

2013年05月07日 | Weblog
よい

ギャレス・エヴァンス 監督・脚本
イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャー、レイ・サヘタピー 出演

インドネシアのジャカルタ。スラム街にそびえる高層アパートは、麻薬王タマ・リヤディが支配する悪の巣窟となっていた。そんな中、警察はリヤディを逮捕するため建物への強制捜査に乗り出す。新人警官ラマを含む20人のSWATチームによる奇襲作戦が決行され、隊員たちが各フロアを順次制圧しながら、リヤディの部屋を目指して上っていく。しかし、作戦はリヤディに筒抜けとなっていた。一行は退路を断たれてしまい、次から次へと押し寄せる凶暴な犯罪者たちの攻撃で、一人また一人と仲間を失っていくラマたちだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343285






これちょっと困る。明らかに後半のシナリオが弱いし、主人公は武器を拾えよ! という不満が残ってしまう(笑)。警棒落ちてるじゃんそこに。

新しい格闘を見せてくれたことに価値があるが、かなり荒削りで欠点も目立つ。

『遊星からの物体X ファーストコンタクト』

2013年05月07日 | Weblog
ふつう

マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr 監督
メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン、アドウェール・アキノエ=アグバエ

ある日、南極大陸の太古の氷層から未知の生命体が発見される。さっそくコロンビア大学の古生物学者ケイトが、調査のためにノルウェー基地へと向かう。しかし発掘された生命体が生き返り隊員たちを襲い始める。その生命体は取り憑いた生物に擬態する能力を持っており、体内に侵入されてもしばらくは誰も気づくことができなかった。しかもケイトの研究によれば、すさまじい勢いで増殖しているという。誰が乗っ取られているかも分からず、疑心暗鬼と恐怖でパニックが拡がる中、懸命に対処法の発見に努めるケイトだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=342687





火炎放射器がすぐに出てくる……。

3度目の映画化にして、3番目のデキ……。

特撮、カーペンター版の圧倒的な勝ち。誰が敵なのかわからないという心理的な不安、カーペンター版の勝ち。本作の特に秀でたところは見当たらない。

カーペンター版の前日譚となっており、そこへのつなげかたはうまいのだが、そこ以外は自由にできるはずなのに、パッとしない。

『テンペスト』

2013年05月07日 | Weblog
ふつう

ジュリー・テイモア 監督・脚本
ヘレン・ミレン、ラッセル・ブランド、リーヴ・カーニー、トム・コンティ、クリス・クーパー、アラン・カミング、ジャイモン・フンスー、フェリシティ・ジョーンズ、ベン・ウィショー 出演

かつてのミラノ大公プロスペラは、弟アントーニオの奸計によって国を追われ、娘のミランダとともに孤島に流れ着くと、魔術の腕を磨きながら復讐の時を待つ。それから12年、ナポリ王アロンゾーとミラノ大公アントーニオを乗せた船が大嵐に見舞われ、一行は命からがらプロスペラとミランダが住む島へと流れ着くのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338579#1





シェイクスピアだからというよりも、監督の舞台演出の色というか個性が出ているのではないかと『タイタス』と『フリーダ』しか観ていないが思った。

キャストにはお金がかかっているかもしれないが、それ以外はかなり低予算っぽい。

死者が出ないのはいい。


『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』

2013年05月06日 | Weblog
ふつう

荒牧伸志 監督
声の出演 デヴィッド・マトランガ、ルーシー・クリスチャン、ジャスティン・ドラン、デヴィッド・ウォード、レラルド・アンザルドゥア 

バグの襲撃で壊滅状態の宇宙基地フォート・ケイシーでは、超能力戦略担当大臣カール・ジェンキンスが戦艦ジョン・A・ウォーデン号を強引に指揮下に置くや、女性艦長のカルメン・イバネスを置き去りにしたまま飛び去ってしまう。一方、基地の奪還に向かった強襲艦アレジア号も、カルメンやカールと対立して囚人となっていた大佐“ヒーロー”らわずかな生存者を救出して辛くも基地から脱出する。その後アレジア号は、将軍ジョニー・リコの指令の下、消息を絶ったジョン・A・ウォーデン号の捜索に向かうのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=342311#1





シリーズ1に出てきた3人は本作では英雄のはずなのだが、簡単に現地集合するのな(笑)。

そのシナリオの不自然さと、暗めのアニメ(宇宙が舞台だから仕方ないが)がつらい。

『フェア・ゲーム』

2013年05月06日 | Weblog
ふつう

ダグ・リーマン 監督
ナオミ・ワッツ、ショーン・ペン、サム・シェパード、デヴィッド・アンドリュース、ブルック・スミス 出演

世界を震撼させた9.11同時多発テロ。アメリカのブッシュ政権は首謀者であるアルカイダへの報復を進める中で、その矛先をイラクへと向け始める。そして、イラクが核兵器の開発を行っているとの疑惑をもとに、CIAの女性諜報員ヴァレリー・プレイムがその証拠を固めに乗り出す。彼女の夫で元ニジェール大使のジョー・ウィルソンも、ウラン買い付けの真偽を確かめるべくアフリカで綿密な調査を実施。その結果として疑惑は事実無根との結論に達したと上司に報告したヴァレリー。ところがブッシュ政権は、彼女が否定したはずの疑惑を根拠としてイラクへの宣戦を布告してしまう。これに対しジョーは、新聞で事実を暴露して政権を批判するが、政権側もヴァレリーが諜報員であることの極秘情報をメディアにリークして報復。彼女ばかりか、各国に散らばる協力者たちにも命の危険が迫る事態となり、世間の激しいバッシングの中でついには家庭も崩壊の危機を迎えてしまうのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=340261#1





イラクに罪はないのに戦争をふっかけて、それを暴露したアメリカ人までもおとしいれようとする実話を元にした作品。

正直、前半は事実の積み重ねだけにしか見えず、退屈であった。

おもしろくなるのは後半の事実を公表してからの夫婦である。

自分のスタイルと夫婦生活と仕事をどうにかバランスを取ろうとするが、うまくいかないギリギリの様子が丁寧に描かれている。

『キル・リスト』

2013年05月06日 | Weblog
わるい

ベン・ウィートリー 監督
ニール・マスケル、マイケル・スマイリー、マイアンナ・バーリング、エマ・フライヤー 出演

ある依頼を引き受けたことから思わぬ事態に巻き込まれていく殺し屋の運命を描いたイギリス製スリラー。元兵士の殺し屋ジェイは、8カ月前のキエフでの失敗がトラウマとなり仕事ができずにいた。貯金が底をつき、妻との口論も絶えないジェイをみかねた相棒のガルは、ジェイに新しい仕事を持ちかける。ミステリアスな依頼主から渡された殺しのリストをもとに、次々と暗殺を遂行していくジェイとガルだったが……。
ストーリーは映画.comより
http://eiga.com/movie/77962/





前半と後半(というか、エンディング)とがまったくつながらない。

前半は誰かが復讐にきたのかと思わせながら、そうでもない。

予算がつきて宗教的・哲学的なエンディングに逃げたような印象。