映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『それでも恋するバルセロナ』

2009年06月29日 | Weblog
それでも恋するバルセロナ - goo 映画

ふつう

ウディ・アレン 監督・脚本
ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソン、パトリシア・クラークソン、ケヴィン・ダン、レベッカ・ホール、クリス・メッシーナ 出演

バカンスでバルセロナを訪れたヴィッキーとクリスティーナは、親友同士だが恋愛観は正反対。二人はヴィッキーの親戚夫婦の家に滞在して、バルセロナの街を観光する。ガウディの建築物や、ミロの芸術に酔いしれていた。ある晩、訪れた画廊のパーティーで出会ったのは、画家のフアン・アントニオ。彼は元妻と離婚したばかりだった。そんな彼に、クリスティーナは興味を持つ。



誰かあのタイミングでペネロペ・クルスがもどってきたわけと、どこで拳銃を入手したのかを説明してくれ(笑)。

スカーレット・ヨハンソン(クリスティーナ)とレベッカ・ホール(ヴィッキー)のひと夏の経験をおもしろく描けばいいのに、途中でペネロペ・クルスがはいってきて誰の視点で見ればいいのかわからなくなる。もちろん悪いのはペネロプ・クルスではなく、脚本のウディ・アレンである。
日本のスチール写真では、スカーレット・ヨハンソンとレベッカ・ホールの大写しのものもない。

『ノーカントリー』の殺人鬼役のハビエル・バルデムが、ここでも無表情で(笑)色男を演じている。

ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソン、レベッカ・ホールの4人の中で、自分の考えで恋愛しているのはスカーレット・ヨハンソンだけで、ほかの登場人物は多かれ少なかれ他人の影響やおせっかいを受けているのがおもしろい。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

2009年06月29日 | Weblog
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 - goo 映画

よい

摩砂雪、鶴巻和哉 監督
声の出演 緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、山寺宏一、石田彰、立木文彦、清川元夢、長沢美樹、子安武人、優希比呂、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、麦人

汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、未知の領域へ突入する…。綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロインが登場する。謎の生命体“使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオンの参加で、さらに激しくエスカレートしていく。スクリーンに続々と展開する、誰も見たことのないバトルシーン。驚異のスペクタクルの興奮は、未知の物語へとつながっていく。



『序』がテレビの話とほぼ同じで、見た目の映像だけがすばらしくなったのにくらべ、本作はかなり意欲的に違う方向へと進むのが伝わってきた。

もちろん、このスタッフはテレビ版や旧映画版など、これまでにも大風呂敷を広げるだけ広げて収拾がつかなくなることがもはや得意技のようになっているので、これから先のことは信用できないが(笑)、この作品の話・映像・テンポは楽しめた(音がふつうくらいだったが……)。

冒頭の戦闘シーン、レールの切り替えシーン、CGのトラックなどは単なるコケおどしである。ああいうのはもうすこし遠慮してもらいたい。

カヲルくんの登場する場所とあの眼鏡娘はどうにかなるのだろうかと、すでに心配しているのだが、それはQ(なんやQって!!)以降の問題なのだろう。

わたしの『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/fef1e9d8cc32dcc540068e95aa152efd

『空中庭園』

2009年06月28日 | Weblog
ふつう

豊田利晃 監督・脚本
小泉今日子、鈴木杏、板尾創路、広田雅裕、國村隼、瑛太、今宿麻美、勝地涼、ソニン、永作博美、大楠道代 出演

“ダンチ”と呼ばれる東京郊外のニュータウン。そこに暮らす京橋家では、“家族の間で隠し事をつくらない”というのが一家のルール。だが内実は、それぞれ誰にも言えない秘密を抱えていた。娘のマナは学校をサボってショッピングセンターや見知らぬ男とラブホテルに行き、弟のコウも学校をサボりがち。また父の貴史は浮気に走り、妻の絵里子はベランダのガーデニングにいそしみながら、母との長年の因縁に悩んでいた。そんなある日、ひょんなことから貴史の愛人ミーナがコウの家庭教師として京橋家に現われたのをきっかけに、家族の歪みが少しずつ表面化してゆく…。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=322414#1



話がおもしろくなかった。

コメディ要素とホラー(思い込み?)要素とのバランスが悪い。

それぞれの登場人物にそれなりの見せ場・ヤマ場が用意されているのだが、主演の小泉今日子にだけそれがない。しいていえばコンビニで振り返るところだが短く、ほかのキャストと比べてやはりバランスが悪い。

不自然な固執をもつこと(家族に鍵を持たせないなど)によって、自然な家族のほころびを隠蔽するという仕組みもいまひとつわからない。

ソニンと永作博美はおもしろかった。

『ジャージの二人』

2009年06月26日 | Weblog
ジャージの二人 - goo 映画

ふつう

中村義洋 監督・脚本
堺雅人、鮎川誠、水野美紀、田中あさみ、ダンカン、大楠道代 出演

ある夏の日、仕事を辞めた息子・32歳は、グラビアカメラマンをしている父親・54歳に誘われて、山里の別荘にやってきた。お互い日常生活に問題を抱えていて、ちょっと現実逃避のつもりの二人は、亡き祖母が集めていた古着のジャージを着て、のんびりと過ごそうと腹を決める。とは言ってみても、息子は携帯電話の電波が気になったり、父親はファミコンで遊んだり…。いい歳した大人二人の、ちょっとモラトリアムな夏休みが始まった。



金がなかったんだろうなぁ~と思わせるデキ。

鮎川誠はワンポイントならどうにかなるかもしれないが(いい味はあるのだ)、これだけフルに出るのはきつい。

笑顔だけですべての感情を表現する男、堺雅人はがんばっている。

生きているだけ、流されているだけでもそれなりの結果が出ると思わせてくれるかもしれない。

ジャージに着替えるときのかっこつけモードの音楽・演技・撮り方がおかしい。

『イーグル・アイ』

2009年06月22日 | Weblog
ふつう

D・J・カルーソー 監督
シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン、マイケル・チクリス、アンソニー・マッキー、ビリー・ボブ・ソーントン、イーサン・エンブリー 出演

シカゴのコピーショップで働く青年ジェリーはある日、米軍に勤める双子の兄弟が急死したと知らされ実家へ呼び戻される。そして自宅への帰途ATMに立ち寄ると、何故か口座に75万ドルもの大金が振り込まれており、帰宅したアパートには大量の軍事用機材が届いていた。その直後、見知らぬ女性から電話が入り、FBIが迫っているのですぐその場から逃げろ、と警告される。すると間もなくFBIが現われ、ジェリーは何も把握できずに拘束されてしまう。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=330921



ひどかった。ただし、もっとひどい作品をいろいろと知っているために、ふつうという評価になってしまった(笑)。
シャイア・ラブーフにうらみはないし、演技が下手だとも思わない。ということは、この監督(『ディスタービア』でもラブーフと組んでいる)か製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグと相性が悪いか、ふたりとも嫌いなのだろう。特に最近のスピルバーグはわたしは大嫌いだ(笑)。

「彼女」の正体がバレるタイミングと、悪役が誰かがわかってくるタイミングとがずれているために盛り上がりに欠ける。

高圧電線の下での殺人がひどい。
あれを誰がどう計算してやっているというのだ!

もったいつけたタイマーが0:00になったときの中身がこれまたひどかった。

あの爆破のしくみを理解し、なおかつ、それを阻止することが、どうやったら可能なのか(笑)?

『ゴーン・ベイビー・ゴーン』

2009年06月18日 | Weblog
ふつう

ベン・アフレック 監督
ケイシー・アフレック、ミシェル・モナハン、モーガン・フリーマン、エド・ハリス、ジョン・アシュトン、エイミー・ライアン、エイミー・マディガン、タイタス・ウェリヴァー、マデリーン・オブライエン 出演

パトリック・ケンジーとアンジー・ジェナーロは、ボストンで私立探偵として働く幼なじみのカップル。ある日、4歳の少女アマンダが誘拐される事件が発生、テレビでも大きく取り上げられ、ボストンの街は騒然となる。そして、事件発生から3日目、警察の捜査に進展が見られない中、アマンダの叔母夫婦が、街の裏側に精通するパトリックたちのもとに捜索依頼に現われる。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=329920#1



傑作になりそこねた作品。
演技よし。映像よし。街の雰囲気よし。
なのに、二ヶ所ほどシナリオで納得できないところが……。

ある登場人物のミスに前半と後半を結ぶポイントがあるのだが、どうもその出方が不自然である。つまり、前半と後半がうまくつながらないのだ。
それと犯人は旅立つのならもっと早くすべきである(笑)。なぜ数ヶ月もとどまっていたのかがわからない。

オープニングで街をとても魅力的に撮っている。
ヘリーン役のエイミー・ライアンがクソ女を完璧に演じている。
絶望感に包まれたエンディングもすばらしい。

『戦艦ポチョムキン』

2009年06月17日 | Weblog
戦艦ポチョムキン - goo 映画

よい

セルゲイ・M・エイゼンシュテイン 監督・脚本
アレクサンドル・アントノーフ、グリゴリー・アレクサンドロフ、ウラジミール・バルスキー 出演

戦艦内に吊るされた肉にウジ虫がたかっているのを見つける水兵。腐った肉をくわせようとしているのだ。上官に訴えると、塩水で洗えば大丈夫だとしてとりあってもらえない。その腐肉スープを拒否した水兵たちは甲板に集められてひと悶着を起こし、艦長により銃殺を命令されてしまう。



みっつほどバージョンがあるようだが、淀川さんの解説入りで、赤旗も白く見える(パートカラーではない)やつを観た。
淀川さんは、こんな船に乗ってはだめだと大砲を撃ってオデッサの町がパニックになると言っていたのだが、それはなかった。これはバージョンの違いによるものか?

モンタージュの解説をネットで読んでから観ると、なるほどなと思わせるところもあるが、そんなことはふつうの観客にとっては知ったことじゃない。それよりも、見世物、それでことばが悪ければスペクタクルの要素が多いのに感心した(上の写真のような)。

艦内に出てくる十字架を持ったおっさんはなんだったのか?
しかもそれを否定するような水兵なのに、撃たれたときには悪魔に撃たれたと字幕があったぞ。

『レイチェルの結婚』

2009年06月15日 | Weblog
レイチェルの結婚 - goo 映画

よい

ジョナサン・デミ 監督
アン・ハサウェイ、ローズマリー・デウィット、ビル・アーウィン、トゥンデ・アデビンペ、マーサー・ジッケル、アンナ・ディーヴァー・スミス、アニサ・ジョージ、デブラ・ウィンガー 出演

バックマン家の次女キムが9ヶ月ぶりに更生施設から帰宅する。2日後に姉レイチェルの結婚式を控え、手作り挙式の準備で大わらわの自宅には新郎の友人ら見知らぬ人々が溢れ、所在無さと疎外感でキムは苛々をつのらせて行く。そんな妹の身勝手な態度にレイチェルは怒りを爆発させてしまう。依存症の治療を続けるキムの存在は気まずさと緊張感をもたらし、一家に辛く悲しい過去の記憶を否応なく甦らせるのだった。



アン・ハサウェイを単なるかわいこちゃん(死語)だと思っていたら、とんでもなかった!

『マーゴット・ウェディング』と印象が似ているが、本作のほうが比較的(笑)わかりやすい構成になっている。あちらも本格的演技合戦であったが、こちらも同じでなおかつ、主人公の逃げ場がほとんどない!
父ともめたら姉も一部を認め、姉ともめて実母のところに行ったらまた別のことでもめる。だからといって、キム(アン・ハサウェイ)だけがはみだし者、問題児というわけではない。

ジャンキー時代の性格は不明だが、すくなくとも今は問題を突き詰めようとするタイプなのだ。ひとつひとつ突き詰めて片をつけようと努力するのだが、はぐらかされたり、ほかの用事ができたり(なにせ結婚式直前なのだ)、突発事故やグーパンチをくらったりする……。

食洗機対決のところと姉妹でお風呂でいろいろ準備(笑)をしているところがすばらしかった。

監督がホームビデオを意識しているからかもしれないが、ねむい(ソフトフォーカスというかピントが合っていないような)映像と手ブレは意見がわかれるところかもしれない。


『マーゴット・ウェディング』のわたしの記事
http://blog.goo.ne.jp/jm131/e/19bf628a74b63e13b2a4a997b52e91df

『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』

2009年06月08日 | Weblog
テネイシャスD ~運命のピックをさがせ! - goo 映画

よい

リアム・リンチ 監督
ジャック・ブラック、カイル・ガス、JR・リード、ロニー・ジェイムス・ディオ、ポール・F・トンプキンス、ティム・ロビンス、デイヴ・グロール、ベン・スティラー、ミート・ローフ 出演

大のロック好きの少年JBは、ディオ様の啓示を受けてロック求道の旅へ出る。ハリウッドにやってきたJBは街頭でギターを弾くKGに出会い、たちまち彼の腕にほれ込んでしまう。やがて二人はロックユニット「テネイシャスD」を結成。賞金付きのバンド大会を目指すが曲が書けない。そんな時、二人はロック雑誌を見ていると、ビッグになったバンドのギタリストはみな同じピックを使っていた事を発見!“運命のピック”を求める旅に出た。



バカロックコメディ。

『デトロイト・メタル・シティ』のあとで観たが(笑)、こちらのほうがテンポがいい。

『スター・ウォーズ』シリーズなどの有名なセリフがかなり使われているようだ。

なんかロックというより、ミュージカルになっているのだが(バカな歌詞を聞かせるためにそうなってしまう)、おもしろい。

最後のシモネタは必要だったか?

『デトロイト・メタル・シティ』

2009年06月08日 | Weblog
デトロイト・メタル・シティ - goo 映画

よい

李闘士男 監督
松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、細田よしひこ、大倉孝二、岡田義徳、高橋一生、美波、大地洋輔、大谷ノブ彦、宮崎美子、松雪泰子、ジーン・シモンズ 出演

おしゃれな渋谷系ポップミュージシャンに憧れ、大学進学を機に田舎から上京した心優しき青年・根岸崇一。「NO MUSIC NO DREAM」を胸に、デスレコーズの新人ミュージシャン募集に応募するが、本人の意志を無視して悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」(通称DMC)のギターボーカル「ヨハネ・クラウザー・II世」として売り出され、あろうことかカリスマ的人気を博してしまう。



音楽バカコメディ。

主人公松山ケンイチが普段はおとなしいが舞台に上がると……、という二面性で特徴づけされていて、ほかの人物たちは「ブルマ」や「濡れない」などの固定キャラとセリフで対照的に配置されている。

途中で地元に戻ったりするのが余計だったかもしれないが、楽しめる。

ジーン・シモンズ !

『スター・トレック』

2009年06月01日 | Weblog
スター・トレック - goo 映画

よい

J・J・エイブラムス 監督
クリス・パイン、ザカリー・クイント、エリック・バナ、ウィノナ・ライダー、ゾーイ・サルダナ、カール・アーバン、ブルース・グリーンウッド、ジョン・チョー、サイモン・ペッグ 出演

約200年後の未来。宇宙探索のために作られたエンタープライズ号に乗り込んだ青年ジェームズ・T・カークの成長と、カークの目線と重ね合わせ、宇宙へと進出していく人類の運命と希望を描く。



オリジナルの『宇宙大作戦』はほとんど観ていないし、TNG(ザ・ネクスト・ジェネレーション)のころにちょこちょこと観た記憶がある程度で十分楽しめた。もちろん、ミスター・スポックを知らないとちょっと損をするかもしれないが、基本はSFアクションになっている。予備知識はあまり必要ない。

これまでのスター・トレックの映画化作品の中でももっともアクション要素が大きく、それが連続しているので長め(126分)の作品だが飽きることがない。これまでのように鯨を助けたり、終わりが哲学的にごまかしていたりとかがなく、単純明快なストーリーつくりが成功している。

ウィノナ・ライダーには気づかなかった(笑)。

当然予想できるのだが、エンディングの音楽がよい。

この作品に出てきた宇宙船が初代エンタープライズかどうかは自信がないが、初期型のエンタープライズであるのは間違いない。そのデザインが曲線を多用した後期のタイプなのは気になった。