映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『ランボー 最後の戦場』

2010年10月29日 | Weblog
よい

シルヴェスター・スタローン 監督
シルヴェスター・スタローン、ジュリー・ベンツ、ポール・シュルツ、マシュー・マースデン、グレアム・マクタヴィッシュ、レイ・ガイエゴス、ティム・カン、ジェイク・ラ・ボッツ 出演

元グリーンベレーでベトナム戦争の英雄だったジョン・ランボーは、帰還兵に冷たい祖国アメリカを離れ、今ではタイ北部のジャングル地帯でひっそりと暮らしていた。一方、隣国ミャンマーでは内戦が続き、軍事政権によってキリスト教徒の多いカレン族が容赦ない迫害を受けていた。そんなある日、カレン族に医療品を届けるため、アメリカからキリスト教支援団がやって来る。地雷の埋まる陸路を避けようとボートでの道案内を依頼されたランボーは、支援団の一員サラの真摯な姿に心を動かされ、海賊の襲撃をかわしながら何とか彼らを目的地に送り届ける。しかし数日後、支援団が軍に拉致され、今度はその救出に雇われた5人の傭兵を現場へ送ることに。それでもまだ静観の構えをみせるランボーだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=327928#1



「ふつう」くらいの評価でもいいと考える人も多いかもしれないが、それではもったいない。

スタローンの監督能力はたいしたもので、それは監督第一作の『パラダイス・アレイ』でもわかる。

そして本作も虚飾と予算をできるだけそぎ落とし、やりたいことをできるだけぶちこむというスタイルは第一作と共通しているのではないだろうか。

アメリカ映画が好きなおしつけがましい正義感や必要のないシーンにまで主人公が出てくるようなこともなく、要所要所をおさえながら話が進んでいく。

銃器が少ないと言っているのに、あの殺し方は弾の無駄遣いだ(笑)。

『ロックンローラ』

2010年10月25日 | Weblog
よい

ガイ・リッチー 監督・脚本
ジェラルド・バトラー、トム・ウィルキンソン、タンディ・ニュートン、マーク・ストロング、イドリス・エルバ、トム・ハーディ、トビー・ケベル、ジェレミー・ピヴェン、クリス・ブリッジス 出演

ロシアをはじめ東欧の資本が続々と流入し、不動産バブルに沸くロンドン。裏社会にもその波は押し寄せ、昔気質の顔役レニー・コールもこれまでの流儀が通用しない相手の登場に危機感を募らせる。そんな中、街の小悪党ワンツーとその仲間たちも甘い汁を吸おうと不動産投資に手を出して大ヤケド。レニー・コールに多額の借金を負ってしまうハメに。そんな窮地のワンツーにセクシーな女会計士が近づいてくるのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=332874



ロンドン犯罪群像コメディ。

ストーリーに芯がない(最初から最後までの時間をかけて語られるような物語が存在しない、こんなエピソードがありましたの繰り返し)のだが、センスのいいオープニングからテンポよく見せてくれる。

また、リマスター版の映画(『日の名残』か?)を車の中で鑑賞する情報通のタンクなど、各登場人物の細部にまで、よく練りこみがされている。

幸福をもたらすという絵はマクガフィンでどんな絵なのか見せてくれない(笑)が、ちっとも幸福をもたらさない。

『メル・ブルックスのサイレント・ムービー』

2010年10月23日 | Weblog
ふつう

メル・ブルックス 監督
メル・ブルックス、マーティ・フェルドマン、バーナデット・ピータース、ドム・デルイーズ、バート・レイノルズ、ジェームズ・カーン、アン・バンクロフト、ポール・ニューマン、ライザ・ミネリ 出演

1976年、映画の都ハリウッド――。酒浸りで落ち目となった映画監督メル・ファンは、仲間2人と組んでもう一度いい映画を作ろうと決意する。しかも今どき流行らないサイレント映画でである。メルたちが脚本を売り込みに行った撮影所は深刻な経営危機にさらされ、乗っ取り専門の悪徳企業に狙われていた。始めはサイレント映画に渋っていた所長だったが「大スターを総動員で」のメルの言葉に、それならイケる!と大乗り気。早速バート・レイノルズ、ジェームズ・カーン、そしてライザ・ミネリ、ポール・ニューマンなどなど、次々と超大物スターを口説きにかかるが、みんな出演を快諾。ついにフィルムが完成し、成功を目前にしたメルの前に悪徳企業の一味が妨害しようと立ちはだかるが……。
ストーリーはアマゾンより
http://amzn.to/a1O9AY



古くささ(1977年)がすこし出ていて若干余計なところもあるが、悪くない。

例えば、人間ふたりとジャケットだけでどれだけのギャグが生み出せるのか? という問いに対する明確な答えがここにあるのだ。

それと、まさかあの人の声が聞けるとは……(笑)。かなり貴重なはずである。

『メル・ブルックスの大脱走』

2010年10月21日 | Weblog
よい

アラン・ジョンソン 監督
メル・ブルックス、アン・バンクロフト、ティム・マシスン、チャールズ・ダーニング、ジョージ・ゲインズ、クリストファー・ロイド、ホセ・ファーラー 出演

エルンスト・ルビッチの傑作コメディ「生きるべきか死ぬべきか」のリメイク。ワルシャワで演劇をしていたユダヤ人一座が、ドイツ侵攻によって窮地に立たされる。彼らは持ち前の変装で、さまざまな人物に化けて、ピンチをかわしていくが……。前作にかなり忠実な造りだが、そこはM・ブルックス、ユダヤ人たちの脱出劇をドタバタ色濃くコミカルに描く。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=23390



オリジナルは未見だが、これはこれでしっかりできている。
「大脱出」の前までが盛り上がりのヤマなのだが、最後まできちんとしていた。

「シュルツ!」だとか、振り返るタイミングだとか、セリフの繰り返しのギャグだとかがきっちりとはまっていて、とても気持ちがいい。

『ヤギと男と男と壁と』

2010年10月19日 | Weblog
よい

グラント・ヘスロヴ 監督
ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシー、スティーヴン・ラング、ニック・オファーマン 出演

2003年。崖っぷちのローカル新聞記者ボブは、開戦間もないイラク戦争の取材を敢行すべくクウェートへ向かう。そしてひょんなことから、かつて耳にした米陸軍極秘部隊の優秀なエスパー兵士リン・キャシディと出会い、彼の旅に同行することに。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336900



オレにはバカが必要で、こんなアホな実話を本気で演じてくれるベテラン俳優たちのすばらしさに心がふるえたのであった。

ジョージ・クルーニー、ユアン・マクレガー、ジェフ・ブリッジス、ケヴィン・スペイシーみなすばらしいが、特にケヴィン・スペイシーの嫌われ役の無表情さはよかった。

『情婦』

2010年10月15日 | Weblog
よい

ビリー・ワイルダー 監督
タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロートン、エルザ・ランチェスター、トリン・サッチャー、ジョン・ウィリアムズ、ヘンリー・ダニエル 出演

金持ちの未亡人を殺した容疑をかけられたレナード(パワー)は、老齢ながらロンドンきっての敏腕弁護士ロバーツ(ロートン)に弁護を依頼。だが“検察側の証人”として法廷に立ったレナードの妻クリスティーネ(ディートリッヒ)から、思いもかけない証言が発せられた……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=10814#1



原題が『WITNESS FOR THE PROSECUTION』で、NHKで観たときも『検察側の証人』というタイトルだったと思うのだが……。なんじゃこのヘンナ邦題は。

チャールズ・ロートンとエルザ・ランチェスター(実の夫婦らしい)の圧倒的な会話量とコメディ要素、マレーネ・ディートリッヒのクール・ビューティー、そして愛とトリックとエンディングの気持ちよさ! 名作だ。

『エターナル・サンシャイン』

2010年10月11日 | Weblog
よい

ミシェル・ゴンドリー 監督
ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、マーク・ラファロ、イライジャ・ウッド、トム・ウィルキンソン、ジェリー・ロバート・バーン、トーマス・ジェイ・ライアン、ジェーン・アダムス 出演

バレンタインデーを目前にしたある日、ジョエルは不思議な手紙を受け取った。そこには、最近ケンカ別れしてしまった恋人クレメンタインについてこう書かれていた。“クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社”。仲直りしようと思っていた矢先にそんな知らせを受け、立ち直れないジョエル。そして彼も、彼女との記憶を消すことを決意し、ラクーナ医院を訪れる。そこでは、一晩寝ている間に脳の中の特定の記憶だけを消去できる施術を行なっていた……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=319767



この作品は公開時に映画館で観て、このブログに書いたと思うのだが見つからない。

記憶を遡るのがミソ。イヤな記憶で始まり、後半になればなるほど恋人との楽しい記憶になるのだ。

以下ちょっとネタバレ






すこし問題もあって、タンジェリン(オレンジ)色の髪のケイト・ウィンスレットはあくまでもジム・キャリーの記憶の中の存在であって、その彼女とどこそこで会おうと約束をしてもそれは個人の思い込みでしかないのだ。
その割には後半がうまくいきすぎだという気もする。

『渚にて』

2010年10月06日 | Weblog
よい

スタンリー・クレイマー 監督
グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、アンソニー・パーキンス、ドナ・アンダーソン、ジョン・テイト、ガイ・ドールマン、リチャード・メイクル、ジョン・メイロン、ローラ・ブルックス 出演

時は64年。第三次世界大戦が勃発し、世界全土は核攻撃によって放射能汚染が広がり北半球はすでに全滅。僅かに残った南半球の一部地域に人々が暮らすだけになっていた。そんなある日、本国に帰港出来なくなったアメリカ原子力潜水艦がメルボルンに入港する。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16543#1



上記のストーリーだけ読むと派手な展開になりそうだが、そうせずに核の恐怖を描いたヒューマンドラマ。

戦闘シーンが全く無いのが珍しい。その代わりに自動車レースでのクラッシュが多すぎる(笑)。おそらく全滅を覚悟したドライバーたちの捨て鉢な行動ということなのだろう。

脱走した兵士とのスピーカーによる会話や格調高いクラブの盛衰など、ユーモアとペーソスのバランスが絶妙である。

コーラは蒸発するだろうに……。

『未知への飛行』

2010年10月04日 | Weblog
よい

シドニー・ルメット 監督
ヘンリー・フォンダ、ダン・オハーリヒー、ウォルター・マッソー、ラリー・ハグマン、ソレル・ブーク、ドム・デルイーズ、ダナ・エルカー、フランク・オーヴァートン、エド・ビンズ、フリッツ・ウィーヴァー、ウィリアム・ハンセン、ラッセル・ハーディ、ラッセル・コリンズ 出演

アメリカの軍事コンピュータが、誤ってソ連に対する核攻撃指令を発してしまう。命令を受けた爆撃機は直ちにモスクワへ向けて発進、帰還可能ポイント=フェイル・セイフを超えてしまう。ソ連側の迎撃部隊も、爆撃機を撃墜することができず、ついに全ての手段は失われる……。

ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=22815#1



むかしのアメリカ映画はこんな苦いエンディングを撮る気力があったのだなと思わせる作品。

ウォルター・マッソーが出ている部分がすこしもっちゃりしているが、地味な展開をがんばって最後までもたせている。特に、フリッツ・ウィーヴァー演じるカシオ大佐は従来のアメリカ的なキャラクターで、途中で盛り上げてくれる。