映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

2015年04月26日 | Weblog
よい

アレハンドロ・G・イニャリトゥ 監督
マイケル・キートン、ザック・ガリフィナーキス、エドワード・ノートン、アンドレア・ライズブロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ、リンゼイ・ダンカン 出演

かつて主演した大人気スーパーヒーロー映画「バードマン」のイメージが払拭できずに、その後は鳴かず飛ばずの俳優人生を送るリーガン。私生活でも離婚に娘サムの薬物中毒と、すっかりどん底に。そこで再起を期してレイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに我々の語ること』を原作とする舞台を自ら脚色・演出・主演で製作し、ブロードウェイに打って出ることに。ところが、大ケガをした共演者の代役に起用した実力派俳優マイクの横暴に振り回され、アシスタントに付けた娘サムとの溝も深まるばかり。本番を目前にいよいよ追い詰められていくリーガンだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=350531#1





映画館で観た。

全編ワンカットもどきになっているのがちょっときつかった。

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が脚本にも共同で名前が載っているが、コメディ要素の部分は他の人たちの成果ではないか。全作品を観たのではないが、この監督のコメディ能力はそれほど高くはなさそうだ。

自分のことで精一杯の主人公に、さらに共演者や家族たちが精神的にプレッシャーをかけてくるコメディ。

芝居のヘタな役者がケガをするところで笑えないと、そのあとが続かない可能性がある。

ナオミ・ワッツが相手におかまいなく自分の夢を語るところがおかしい。

ドラムの効いた音楽がかっこいい。

『中学生円山』

2015年04月26日 | Weblog
よい

宮藤官九郎 監督・脚本
草剛、平岡拓真、鍋本凪々美、刈谷友衣子、YOU、原史奈、遠藤賢司、ヤン・イクチュン、田口トモロヲ、野波麻帆、岩松了、坂井真紀、仲村トオル 出演

平凡な両親と妹と団地に暮らす中学2年生の円山克也。おバカな野望を抱き、身体を極限まで柔軟にすべく日夜“自主トレ”に励む日々。いつしか、ストレッチ中に痛みを感じると妄想の世界にトリップするようになってしまう。そんなある日、真上の部屋に、いつもベビーカーを押している謎めいたシングルファーザー、下井辰夫が引っ越してくる。ほどなくして、団地の近所で殺人事件が発生する。克也は、下井が犯人ではないかとの疑いを抱き、次第に彼を凄腕の殺し屋=子連れ狼に見立てたあらぬ妄想に取り憑かれていくのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=344300





「ちゅうがくせいまるやま」と読む。

男子中学生の妄想に着目した作品。

自分の口で自分にトライ! というのは男子中学生は全員考えるが、たいてい体がかたくて数秒で諦めることである。

マスクが二種類あったのはなぜだ。

坂井真紀の韓流ドラマのシーン、果物好きの仲村トオルもよかった。

『マクナイーマ』

2015年04月25日 | Weblog
ふつう

ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ 監督・脚本
グランヂ・オテロ、パウロ・ジョゼ、ヂナ・スファッチ、ミウトン・ゴンサウヴェス 出演

アマゾンの密林で老婆の股間から産まれ落ちた赤子。その容姿は、なんと黒人の中年男。不吉を意味する“マクナイーマ”と名付けられた彼は、ある日、魔法の泉で水を浴びるや、美しい白人の青年に変身。そして、兄弟と共にアマゾンを飛び出し、大都会リオデジャネイロへと向かうマクナイーマだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338106





ストーリーを引用させてもらったallcinemaの説明によると、
1960年代、フランスの“ヌーベル・ヴァーグ”に呼応してブラジルで起こった映画の新たな潮流“シネマ・ノーヴォ”。その牽引役の一人ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督が69年に手掛け、近年、カルト映画として世界的に再び注目を集めているサイケデリック不条理劇。2010年12月、デジタルリマスター版にて本邦初劇場公開が実現。

だそうである。
こういう映画史的な説明がないと、少々観るのがつらい。

縁起のいい石を取り戻しても、たいして縁起がよさそうには見えなかった。

低予算で湿地のところはなくてもよさそうなのに、終わりでもどってきた。

『ぼくを探しに』

2015年04月25日 | Weblog
よい

シルヴァン・ショメ 監督・脚本・音楽
ギョーム・グイ、アンヌ・ル・ニ、ベルナデット・ラフォン、エレーヌ・ヴァンサン、ルイス・レゴ、ファニー・トゥーロン、ケア・カン 出演

幼い頃に両親を亡くし、その時のショックから言葉を話せないまま大人になったポール。彼はダンス教室を営む風変わりな伯母姉妹アニー&アンナに育てられた。姉妹はポールを世界一のピアニストにしようと必死で、ポールはそんな姉妹のもとでダンス教室を手伝い、ピアノの練習に明け暮れる静かな日々を送っていた。そんなある日、彼は同じアパルトマンに住む謎めいた女性マダム・プルーストと出会う。彼女が勧める不思議なハーブティーを飲んだポールは、赤ん坊の頃の幸せな記憶を呼び覚ます。以来、マダム・プルーストのハーブティーを飲んでは、封印されていた過去の記憶を取り戻すことに夢中になっていくポールだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349329






両親がいなくて無口な主人公が旅(本作では精神的な旅だが)をする……、という基本構造は、本作と『ベルヴィル・ランデブー』と『イリュージョニスト』で共通する要素である。『パリ、ジュテーム』も観ているが、どれがシルヴァン・ショメの監督作品か覚えていない。

そして、共通する要素がこれだけあるにもかかわらず、それぞれの印象がまったく違うというのがすばらしい。立派なバリエーションである。

悲劇と喜劇の共存と、映像と音楽にこだわっている監督だ。

クスリにたよらず、誰か口で教えてやってもよさそうだったが……。

『ジゴロ・イン・ニューヨーク』

2015年04月25日 | Weblog
よい

ジョン・タートゥーロ 監督・脚本
ジョン・タートゥーロ、ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、リーヴ・シュレイバー、シャロン・ストーン、ソフィア・ベルガラ、ボブ・バラバン 出演

ニューヨークのブルックリンで、3代続いた本屋を自分の代で潰してしまったマレー。失業で途方に暮れていた彼はふとしたきっかけから、花屋でバイトする友人のフィオラヴァンテをジゴロに仕立てると、2人で愛に飢えた女性相手のいかがわしいビジネスに乗り出す。すると意外にもフィオラヴァンテの優しいジゴロぶりが評判となり、マレーの巧みな営業活動と相まって商売は思いのほか大繁盛。調子に乗ったマレーは、新規顧客としてユダヤ教の中でも厳格な宗派に属しているラビの未亡人アヴィガルを言葉巧みに勧誘する。しかしフィオラヴァンテとアヴィガルは互いに惹かれ合い、秘密の逢瀬を重ねるようになってしまう。それは、ジゴロにとってもユダヤ教徒にとっても決して許されることのない禁断の恋だったのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349082#1





身の引き方が大人というか、真のジゴロである。
そして、日本人にわかりにくいのがユダヤ教の戒律と生活習慣だ。

終盤があっさりしていると感じるかもしれない。

ウディ・アレンは自分で監督しなくても、従来通りのウディ・アレンであった。

『一人息子』

2015年04月10日 | Weblog
よい

小津安二郎 監督・原作(ゼームス・槇名義)
飯田蝶子、日守新一、葉山正雄、坪内美子、吉川満子、笠智衆 出演

早くに夫を亡くしたつねは、田畑を売り身を削って一人息子の良助を育てた。優秀な成績を誇る息子のため、つねは苦しい生活の中から進学のための資金を捻出。しかし13年後、東京で出世しているはずの良助は、夜学の教師となっており、妻子とともに貧しい生活を送っていた。しかも良助は教師をしていることも所帯を持っていることも、母親に知らせていなかった。上京したつねは厳しい現実を目の当たりにし、絶望感に包まれてしまう。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=132023





小津の初トーキー作品。作品内でも母親をトーキーの映画に連れていくシーンがある。

『風の中の牝鷄』のところで、小津には珍しい暴力シーンと書いたが、本作でも子供へのびんたのシーンがある。かなり痛そうに。こちらは1936年の作品。あちらは1948年の作品だ。

思うようにはうまくいかない人生で、どうにか合格点をつけて母親は帰っていったのではないか。それにしても結婚したら、連絡くらいすべきだろう。

そして、本作と『風の中の牝鷄』では、どちらも医療に金がかかることを取り上げている。保険制度がなかったらしい。

ウィキペディアを参考にしました。
http://bit.ly/1PoBP8c

『風の中の牝鷄』

2015年04月10日 | Weblog
ふつう

小津安二郎 監督
佐野周二、田中絹代、村田知英子、笠智衆、坂本武、高松栄子、水上令子 出演

夫を戦地へ送り出した時子は、苦しいながらも子供と二人で生活していた。時子は友人の秋子に着物を預け、同じアパートに住む織江に買ってもらうことで生計を立てていた。ある日、息子の浩が病気になり入院してしまう。治療で浩は回復するが、時子には治療費を払うことができない。織江に相談した時子は、一夜だけ体を売ることで収入を得てしまう。浩は無事に退院するが、数日後、夫の修一が突然帰ってきた。修一は浩の入院を知り、その治療費について時子に問い詰める。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=135164



「かぜのなかのめんどり」と読む。「鷄」の字が機種依存文字とかで、場合によっては違う文字になっていたり、ひらがなになっているらしい。

小津作品としては珍しく暴力シーンがある。本作では階段を使って茶筒が落ちたり、人間が落ちたりしている。

ダンナが苦悩するのはわかるが、そこからどうやってラストの心情になったのかがわからない。
落とす前に改心しろよ(笑)。

ウィキペディアの記事を参考にしました。
http://bit.ly/1Fnav7x


『マチェーテ・キルズ』

2015年04月10日 | Weblog
よい

ロバート・ロドリゲス 監督
ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ベルガラ、アンバー・ハード、カルロス・エステベス、レディー・ガガ、アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、デミアン・ビチル、メル・ギブソン 出演

ある日、マチェーテのもとにアメリカ大統領から直々の依頼が来る。内容はメキシコのイカれた男“マッドマン”を抹殺してほしいというもの。しかし、マッドマンの心臓はワシントンに狙いを定めたミサイルと連動しており、心臓が止まると発射される仕組みになっていた。それを解除できるのは、世界一の武器商人ヴォズだけ。そのため、マッドマンを生きたままアメリカに連れて行くことに。しかし、そんなマチェーテとマッドマンを、懸賞金目当ての連中が次々と襲いかかってくる。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347210





何も考えたくないときに、何も考えずに見る映画。

前作のロバート・デ・ニーロノリノリの傑作と比べると落ちるが、これもいい。

ジェシカ・アルバ早すぎる!

『ハミングバード』

2015年04月02日 | Weblog
よい

スティーヴン・ナイト 監督・脚本
ジェイソン・ステイサム、アガタ・ブゼク、ヴィッキー・マクルア、ベネディクト・ウォン 出演

アフガニスタンの戦場で5人の仲間を殺され、報復のために敵を5人殺した特殊部隊兵士ジョゼフ・スミス。その犯行は無人偵察機“ハミングバード”に監視されていた。彼は逃亡を図り、ロンドンの下町で惨めなホームレス生活を余儀なくされる。そんな中、彼が唯一心を通わせた少女がギャングにさらわれてしまう。その後、図らずも他人になりすますことに成功した彼は、裏社会でのし上がっていくとともに、懸命に少女の行方を捜し続けるのだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=348581#1





100分の中に、戦争、戦争後遺症、社会、住む場所の違うふたり、それぞれの悲惨さ、悲しさがきれいに織り込まれた作品。声高におしつけるのではなく、じわじわと考えさせるつくりになっている。

金ができたら、さっさと引っ越せよ。