映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『オーケストラ!』

2011年12月31日 | Weblog
よい

ラデュ・ミヘイレアニュ 監督
アレクセイ・グシュコフ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン、ミュウ=ミュウ、ドミトリー・ナザロフ、ヴァレリー・バリノフ、アンナ・カメンコヴァ 出演

ロシアのボリショイ交響楽団で劇場清掃員として働く中年男アンドレイ。彼は30年前、この楽団で天才指揮者と持てはやされ活躍していた。しかし、共産主義の当時、国がユダヤ人排斥の政策を強行、ユダヤ系の演奏家たちも例外なく排斥されることにアンドレイらは反旗を翻したことから、解雇の憂き目に遭う。以来、再起の機会を窺いながら、冴えない現状に甘んじていた。そんなある日、パリの劇場から届いた出演依頼のファックスを目にしたアンドレイは、とんでもない考えを思いつく。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335957





案外音に迫力がなかったように感じたが、いいコメディ。

上品すぎるか? と思わせておいて結婚式のシーンなど、とても間がいい。

指揮者とソリスト以外のキャラクターにもうちょっとバックストーリーがあるとよかったかもしれない。

『ロング・グッドバイ』

2011年12月31日 | Weblog
よい

ロバート・アルトマン 監督
エリオット・グールド、ニーナ・ヴァン・パラント、スターリング・ヘイドン、ジム・バウトン、ヘンリー・ギブソン 出演

探偵フィリップ・マーロウがメキシコへ逃した妻殺しの友人が自殺した。一方、別件で行方不明の作家を探し出したマーロウは、彼が死んだ友人夫妻の知り合いだという事を知る。やがて、友人が持ち逃げした金を返せとヤクザが現れる……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25868




むかし読んだ原作とも印象が違うようだし、ハードボイルドものとしても異色なのではないだろうか。

しかし、おもしろいのだ。
主人公、書けない作家、金を取られたギャングの親分、金にこだわる医者、キャラクターづけが丁寧なのだ。

後半になってから急ぎすぎた感があるのが残念。

猫が途中で消える。

シュワちゃんがチョイ役で出ている。

『SP 野望篇』

2011年12月31日 | Weblog
よい

波多野貴文 監督
岡田准一、真木よう子、香川照之、松尾諭、神尾佑、野間口徹、堤真一、堀部圭亮、出演

警視庁警備部警護課第四係の隊員・井上薫は、類い希な身体能力と常人離れした危険察知能力を持つ要人警護のスペシャリスト。そんな彼は、信頼していた上司・尾形総一郎の何か陰謀を巡らしているかのような言動に不信感が募っていく。また公安が尾形の内偵を進める一方、キャリア官僚たちが不穏な動きを見せ始める。そんな中、与党幹事長・伊達の警護に当たる井上ら第四係のメンバーたちだったが…。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336791



これだよ! この路線でいいんだよ。

なんで『革命篇』がああなってしまったのか……。

最初と最後にハデなアクションがあるが、最初のやつがいい。

『キラー・インサイド・ミー』

2011年12月24日 | Weblog
ふつう

マイケル・ウィンターボトム 監督
ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン、ジェシカ・アルバ、ネッド・ビーティ、イライアス・コティーズ、トム・バウアー、サイモン・ベイカー、ビル・プルマン 出演

1950年代の西テキサス。田舎町で保安官助手をするルー・フォードは誰からも好感を持たれる純朴青年。幼なじみの女性教師エイミー・スタントンと気ままな逢瀬を重ね、町の治安同様、穏やかな日々を送っていた。ある日、住民からの苦情を受け、売春婦ジョイスのもとを訪ねたルー。そんな彼を客と勘違いしたジョイスは優しくもてなすが、保安官と分かるや態度を一変、口汚くののしり平手打ちを喰らわす。その瞬間、抑えがたい怒りに駆られたルー。最初はジョイスをベッドに押さえつけ激しい殴打を繰り返し、やがて落ち着きを取り戻すと今度は互いに激しく求め合う。以来、ジョイスとの情事が日課となったルー。そして、これまで心の奥底に眠っていた闇も解き放たれてしまい……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338245#1



かなりいい味出していたと思うのだが、エンディングがわたしには理解できなかった。

なんであの人がいるのだ? そしてそれを予期できるのだ?

『ダンシング・チャップリン』

2011年12月24日 | Weblog
よい

周防正行 監督
ローラン・プティ 振付
ルイジ・ボニーノ、草刈民代 出演

「Shall We ダンス?」「それでもボクはやってない」の周防正行監督が、フランスの振付家ローラン・プティがチャップリンを題材に、ダンサー、ルイジ・ボニーノのために振り付けた作品『ダンシング・チャップリン』を、映画のために再構成してフィルムに収めた異色のバレエ映画。監督の妻でもあり、2009年にバレリーナを引退した草刈民代もルイジ・ボニーの相手役として全7役をこなし、36年のバレエ人生の集大成ともいえる最後のダンスを披露。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338606





二幕構成のアイデアがとても活かされた作品。

わたしのようにバレエの素人にも第一幕があることによって、すんなりと第二幕を楽しむことができる。また第一幕の人間的なやりとりはとてもスリリングでありチャーミングでもある。

どのようにして公園と警官を説得したのかは、ぜひ教えてほしかった。

『デッドクリフ』

2011年12月24日 | Weblog
ふつう

アベル・フェリー 監督
ファニー・ヴァレット、ジョアン・リベロー、ラファエル・ラングレ、ニコラ・ジロー、モード・ワイラー 出演

クロアチアの大自然の中にやってきた男女5人の若者たち。目指す山に向かうと、そこには“立入り禁止”の看板が。しかし一行はそれを無視して崖を登り始める。やがて、古びた吊り橋を渡り始めるが、メンバーの一人が高所恐怖症でパニックを起こし、吊り橋が崩壊してしまう。辛くも全員助かったものの、退路を失った彼らは、山から出るために危険な絶壁を登らなければならなくなってしまうのだったが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338318#1



前半登山サスペンス、後半しょぼいパニック映画。
後半がかなりダメ。

登山に無理に参加してみた人がいたり、「俺は立ち入り禁止を知っていたんだ……」と思わせぶりに言っただけで消えてしまう人がいたりとか(笑)、謎が解決されないままパニック映画に向かっていく!

エンディングでもっともらしい説明がつくが、作品のデキとはあまり関係がない。

とどめさしてから逃げろや(笑)。

『冷たい熱帯魚』

2011年12月16日 | Weblog
ふつう

園子温 監督
吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲、諏訪太朗 出演

2009年1月14日。小さな熱帯魚屋を経営する社本信行とその妻・妙子は、万引で捕まった娘・美津子を引き取りにスーパーへと向かう。すると、その場に居合わせた店長の知り合いという村田幸雄の取りなしで、美津子は何とか無罪放免に。村田も熱帯魚屋のオーナーだったが、規模は社本の店とは比べものにならないほど大きなものだった。人の良さそうな村田は、美津子を自分の店で預かってもいいと提案、継母である妙子との不仲に頭を痛めていた社本は、その申し出を受入れることに。さらに村田は、高級熱帯魚の繁殖という儲け話にも社本を誘い込む。その口の上手さと押しの強さを前に、いつの間にか村田のペースに呑み込まれてしまう社本だったが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336898



面白い話ではあるが、グロテスクな表現がきついのと話の終わりを『死』でまとめるのはどうしても安易だと思ってしまう。

吹越満の代表作になるかどうかは微妙だが、でんでんと渡辺哲の代表作にはなるかもしれない。

黒沢あすかもよかった。

園子温監督の作品は基本長い(143分)。

『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』

2011年12月14日 | Weblog
よい

マシュー・ヴォーン 監督
ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン、ローズ・バーン、ジャニュアリー・ジョーンズ、オリヴァー・プラット、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ゾーイ・クラヴィッツ、ルーカス・ティル、ジェイソン・フレミング、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ヒュー・ジャックマン 出演

ソ連との冷戦が続く1960年代のアメリカ。後にプロフェッサーXと呼ばれ、X-MENを設立する青年チャールズ・エグゼビアは、強力なテレパシー能力を持つミュータント。彼は、自分と同じように超人的な能力を持つ者が次々と出現していることに気づく。そんな中、幼い頃に母親と引き裂かれた悲しい過去を持つエリック・レーンシャーと出会う。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339180#1



話がおもしろいという基本中の基本がちゃんとしている。
これはシナリオに時間をかけたにちがいない。

これまでのシリーズを観ていたほうがいいのは当然だが、この作品単体でもちゃんと楽しめる。

ジェームズ・マカヴォイとマイケル・ファスベンダーがスカウトに行くシーンがテンポよく、コミカルになっているのもいい。

ちょっと長い(131分)。

『ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男』

2011年12月14日 | Weblog
ふつう

ラッセ・ハルストレム 監督
リチャード・ギア、アルフレッド・モリナ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ホープ・デイヴィス、ジュリー・デルピー、スタンリー・トゥッチ 出演

1971年、ニューヨーク。売れない作家クリフォード・アーヴィングは、出版社への懸命の売り込みもまるで相手にされない日々に苦悩を深めていく。そんなある日、追い込まれた彼は、伝説の大富豪ハワード・ヒューズのニセの自伝を書くことを思いつく。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339036#1



アルフレッド・モリナが演じるディック・サスキンドのキャラクターがおもしろかったが、作品全体としてはう~む……。
アメリカでは有名な話なのかもしれないが、何も知らない日本人にとってはすこし退屈であった。

それと、詐欺映画作品でよくあるように、犯人自身が詐欺だということを忘れてのめり込んでいく表現が本作ではうまくなかった。


同じ手口の別の作家の件はどうなったのだ?

『アンノウン』

2011年12月07日 | Weblog
よい

ジャウマ・コレット=セラ 監督
リーアム・ニーソン、ダイアン・クルーガー、ジャニュアリー・ジョーンズ、エイダン・クイン、ブルーノ・ガンツ、フランク・ランジェラ 出演

学会に出席するため、妻エリザベスとベルリンに降り立った植物学者のマーティン・ハリス博士。ホテルへ着いたところで忘れ物に気付いた彼は妻を残し、タクシーで空港へと引き返すことに。だがその道中、事故に見舞われ、4日間もの昏睡状態に陥ってしまう。目を覚ました病院で本来の目的を思い出し、学会が開かれるホテルへ急ぐマーティン。しかし、彼を待っていたはずの妻はマーティンを“知らない人”と言い放ち、彼女の傍らにはマーティンを名乗る見ず知らずの男がいた。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=339107



開始20分くらいで全体のストーリーがわかったつもりでいたのだが……。

エルンスト・ユルゲン役のブルーノ・ガンツがとても面白い役回りなのだが、結局観客向けの説明役にしかなっていないような気がする。

タクシーを3台破壊するダイアン・クルーガー……(笑)。

ダイアン・クルーガーのアパートに襲撃した敵が、どうして逃げた主人公を先回りできるのか?

『エンディングノート』

2011年12月07日 | Weblog
よい

砂田麻美 監督

これがデビューとなった砂田麻美監督が、ガンで余命を宣告された自らの父と家族の残された最期の日々をカメラに収めた笑いと涙の感動セルフ・ドキュメンタリー。熱血営業マンとして“段取り命!”のサラリーマン人生を送ってきた砂田知昭。67歳で会社を引退し、第二の人生を歩み始めた矢先の2009年、ガンが発見されるもすでに手術は不可能な状態まで進行してしまっていた。すると彼は、遺された家族が困らないようにと、自らの死の段取りを人生最後の一大プロジェクトとして捉え、まずは死ぬまでにしておきたいことをリストにしたマニュアル“エンディングノート”作りに取りかかる……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=340065



このエンディングは立派すぎる!
見事としかいえない。

日本の結婚式と葬式は金がかかりすぎじゃ? というわたしの疑問の答えのひとつになった。
2回くらい泣いた。

アメリカからもどってきた息子さんがいい。

孫の力は偉大だ。

亡くなられた砂田知昭さんのご冥福を祈りたい。

『ブロードウェイと銃弾』

2011年12月04日 | Weblog
よい

ウディ・アレン 監督
ジョン・キューザック、チャズ・パルミンテリ、ダイアン・ウィースト、ジェニファー・ティリー、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジム・ブロードベント

劇作家のデイヴィッドは、やっと自分の戯曲をブロードウェイの舞台にかけることに成功し張り切っていた。しかし、出資者はマフィアの親玉で、ろくに台詞もいえない自分の愛人オリーブを主演に据えろと要求したり、プライドの高い主演女優は脚本を書き換えろと色仕掛けで要求し、オリーブのボディガードのチーチは演出に口を挟んでくる。
ストーリーはオールシネマより
http://bit.ly/uNmEjD



舞台制作内幕物コメディで、なおかつ、芸術家とはどんなものなのかということまで織り込まれている。

『女はそれを我慢できない』にも見られるように、ギャングの情婦をスターにするという設定は割と多そうだが、それにチーチ(チャズ・パルミンテリ)の芸術至上主義、俳優たちのわがままをバランスよくミックスするのがウディ・アレンの真骨頂。

ジェーン・マンスフィールドにくらべてオリーブ役のジェニファー・ティリーがちっとも魅力的でないというかわずらわしいという設定がさすがである。


『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』

2011年12月04日 | Weblog
ふつう

大森立嗣 監督・脚本
松田翔太、高良健吾、安藤サクラ、宮崎将、柄本佑、洞口依子、多部未華子、美保純、山本政志、新井浩文、小林薫、柄本明 出演

同じ施設で兄弟のように育ったケンタとジュンは、工事現場でひたすら壁を壊す“はつり”と呼ばれる仕事をしている。低賃金と劣悪な労働条件に加え、職場の先輩・裕也からの理不尽ないじめに苦しめられていた。ある日、2人は街でブスな女の子のカヨちゃんと出会う。以来、ジュンの部屋に転がり込むカヨちゃん。そんな中、ケンタとジュンは日頃の怨みを晴らすべく、裕也の愛車を破壊し、逃亡する。そして、カヨちゃんも連れ3人で、ケンタの兄・カズのいる網走へと旅立つのだが……。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=335151#1



この「施設」がとてもわかりにくい。知的障害者の施設なのか、孤児院のような児童養護施設なのか。

計算ができなさそうなシーンからは前者、東北の施設のところはどちらにも取れそうな描き方で、それがたとえ監督の狙いであろうとも、表現のあいまいさ、もやもやさは否定できない。

安藤サクラ演ずるカヨちゃんとの最初の出会いが偶然で、再会も偶然というのはリアルさにかける。そして、それ以降の展開はさらに不自然である。

出演者がとても豪華だ。

『トレマーズ』

2011年12月01日 | Weblog
よい

ロン・アンダーウッド 監督
ケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォード、フィン・カーター、マイケル・グロス、レバ・マッケンタイア、ボビー・ジャコビー、ヴィクター・ウォン 出演

ネバダの砂漠地帯にある小さな田舎町に突然出現した未知の生物。地中を自在に移動する巨大な蛇状モンスターと住民の攻防が、白昼の下で展開される。
ストーリーはオールシネマより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=16329



都市脱出できねぇ~(笑)。

低予算でよくがんばっていて、気持ちがよくなる。

マイケル・グロスとレバ・マッケンタイアが演じるガマー夫妻がかっこいい。ああいうタイプはたいていやられるのだが(笑)、この映画の特徴として前半に被害者の描写が集中し、後半は脱出と戦いに集中している。

「パンツ脱げ」はえらい!