写真はタイトルと全く関係ないわけではなく(笑)、
美味しいとまたすぐに作りたい衝動にかられてシュークリームを作っていたら
NHKで日本画家の堀文子さんの番組を放送していて、
その新鮮な言葉になんだかドキドキするくらいだった。
「美というものは、役に立たないように見えるが
それでいいのだと思う
役に立ったら欲と結びついて、美は消えてしまうだろう
美は形のないもので柔らかく
仰々しい姿を見せない
ではいったいなんだろうと考えてみれば
永遠に輪廻する命ということになるだろう」
「息の絶えるまで感動していたい」
「群れない」
「他人に頼らない」
「慣れない」
「身体が衰えてきますと、誰でもが何も出来ない老人と思うでしょう。
けれども、私は知らなかったことが日に日に増えてきます。
いままで 「知っている」 思っていたことが、本当は 「知らなかった」 と。
それが、だんだん分かってくるんです」
バブルの頃の日本が嫌で、七十歳で英語がしゃべれずにイタリアのトスカーナ地方に移住
77歳でアマゾン、80歳でペルー、81歳でブルーポピーを求めてヒマラヤの山中へ。
「息の絶えるまで感動していたい」 と、近年は顕微鏡の中の世界にはまり、
夢中でミジンコを覗く93歳の日本画家、堀 文子さんの言葉は
新鮮で、爽やかな心地良い風となってわたしの心を吹き抜けた。
「私は五十歳の頃、死の恐ろしさに苦しめられていて、夜寝るのも怖く、翌朝起きて
「あぁ 生きていた・・・・」 と思う事が2・3年続いたのです。
その頃は、頭で考えた観念の死を恐れていたのです。
今は死が七割くらい体の中にいます。
もう遠いことではなくなった死に対して恐れを感じなくなり、
死と共存していますからとても穏やかになりました。
死は今では身内のようにいたわり合える間柄になりました。」
今日までの93年間を歩んできた堀さんの説得力のある言葉だ。