先日のニュースで
本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」の著者、
逢坂冬馬さんのインタビューを聴いた。
この本は、旧ソビエトとドイツによる「独ソ戦」で
実在した女性狙撃兵がモチーフで、
逢坂さんは国家が引き起こす戦争ではなく、
そこに巻き込まれる「個人」を描きたかったと言う。
ロシアのウクライナ侵攻で、
今自分の書いた本が注目されていることについては
辛い気持ちがあると言っていた。
逢坂さんはインタビューの中で
「ロシアによるあまりにも一方的な侵略戦争であるがゆえに
使われている言葉に注意したい。
例えばウクライナ軍がロシア艦艇を「撃沈した」、
街を「奪還した」。。。
ウクライナと主語を共にしてしまうニュースの使い方、
言葉の使われ方が普通になってしまった。
ただその背景で死んでゆく人たちのことを自分は考えたい」
「ロシア軍の兵士は侵略者の兵隊であり、
侵略に加わる軍隊は非人間化される。
他方ではウクライナ市民や兵士からすれば
突如自分たちの街が廃墟になり人が死んでいく。
この意味を踏みとどまって考えたい」
と言っていた。
そして、
「戦争はどちらの国が勝った負けたということではなく、
始まった瞬間に人間が敗北したのだ」と。