この小さな氷の星は、地球上に、醜い戦争が起こらないようにと、ずっと長い間魔法の歌を歌ってきたのです。それは、星々が地球にささげる愛の歌の合唱の中の一つの大切な旋律でした。星は、星が歌う歌に人間が気づかなくても、ずっと歌ってきたのです。時には、その歌が人間の心に届いて、戦争がなくなったこともありました。けれども、ほとんどの人間は星の歌に耳を貸さず、人間は決して戦争をやめませんでした。長い長い時を経て、辛抱に辛抱を重ねて歌い続けてきたこの星は、ある日とうとう絶望して、泣いてしまったのです。
このままでは、星の悲哀が、地球に悪影響を及ぼすと考えたホミエルは、神に問い、新しい星と取り替えてはどうかとお尋ねしてみたところ、神はそれをせよとホミエルにおっしゃり、かわりとなる新しい星の居場所を教えて下さったのでした。