新しい星は木星の軌道上を、ぎくしゃくとしながら回っていました。まだ木星の引力に慣れていないからでしょう。一度など、軌道上を転げ落ちてしまいそうになり、あわててホミエルが元に押し戻しました。ホミエルは、太陽と木星の神に拝礼すると、今度は手の中に金の種を出し、それに呪文を吹きこみました。すると金の種は、吹き口は一つで、音の出口は三つある、金色の細長いラッパになりました。ラッパの出口は、百合の花の形をしておりましたので、そのラッパはまるで、三本の金の百合を束ねたようでもあったのです。
ホミエルは悲哀の星を左わきに抱きながら、右手に持った三本の百合のラッパを吹き、高らかに音楽を奏でました。それはまだ少しゆらいでいた新しい星の軌道の動きを修正し、正確な位置に戻し、新しい使命と歌と踊りを、星に深く教えたのです。