今年は、アンデルセンの「人魚姫」とグリム童話の「かえるの王様」を、ちょっと自分流に強引に解釈して、書いてみました。
「かえるの王様」で、お姫様がマントを縫うのは、スカボロー・フェアからとったんじゃありませんよ。かのじょがまだ二十代の頃の、童話のアイデアからとったのです。それはこんなお話でした。
あるところに、とてもおしゃれなお姫様がいて、いろんなドレスを仕立て屋に作らせて、毎日ドレスを着替えていました。そんなお姫様が、ある日青い花の咲き乱れる王国のすばらしい景色を見て、この王国の景色を自分のドレスにしたいと、とんでもないことを言ったのです。そこに悪魔が出てきて、実際に王国の国土を剥いで、それを魔法で布にして、一着の青いドレスをつくってしまったのです。お姫様は気に入りましたが、そのせいで、王国の国土が荒れて大変なことになって、国民が困って、いろんなつらいことがたくさん起こったのです。
お姫様は後悔して、森に住む良い魔女のところに行って、どうしたらいいか相談するのです。そうしたら、魔女はかのじょに魔法の糸と針を渡し、ドレスをほどいて、一針一針、国土を縫い合わせて行けと、言うのです。姫様は、初めはしぶりつつも、やがてドレスをほどいて、一針一針、国土を縫い合わせていったのです。
簡単に言えば、こんなところです。ほかに、悪魔との契約とかお姫様の派手なおしゃれ癖の戒めとかも、絡んでくるんですが、結局のところ、お姫様が粗末な服をまとって一生懸命国のために針仕事をしているその姿を見て、王国を通り掛かった王子様がお姫様を見染めて、ハッピーエンドになるというお話でした。
なかなかに壮大なメルヘンでしょう。
これそのものを、書いてもよかったのですが、物語としては、ちょっと詰め込みすぎてややこしい感じがあるので、このアイデアの一切れをいただいて、「かえるの王様」に生かしてみたのです。
これからも、何かを思いついたら、物語を書いてみましょう。ときにはかのじょの頭の中に残っている、小さなアイデアをいただいて。
かのじょの書く物語とは、ちょっとちがうかもしれませんが。