フィンセント・ファン・ゴッホは宮沢賢治の前世の姿です。彼らの自画像や写真を見ていると、何となく似ているのがわかるはずです。
ゴッホも、本来なら画家になるはずではありませんでした。彼の作品にはすばらしいものがたくさんありますが、彼の本当の使命は、地球上で多くの人達と友情を結び、彼らとともに人間社会をよくする活動を起こして、社会の中で悲しみに沈んでいる多くの人たちを助けるということだったのです。
ですが、彼は裏の馬鹿達に邪魔をされ、人生の道を狂わされ、画家になってしまい、本来の使命を果たすことができなくなってしまったのです。
今日、ゴッホの作品は大変に人気があり、相当な価値をもつものとして扱われています。たしかにすばらしい作品ですし、わたしも大好きだが、本来の彼の使命からすると、彼がしなければならなかったことは、ほとんど何もできなかったというのが本当です。
時代が進むにつれ、裏の馬鹿のやりようはひどくなり、天使の使命を果たせる天使は、ほとんどいなくなっていました。それでも一度だけ、彼は同じ画家を集めて芸術家の理想的共同体を作ろうとしたことがありました。結局は挫折しましたが、これなどは彼が自分の使命をなんとなくわかっていたからでしょう。
生きにくい世界の中で、精一杯の純真な愛を表現した彼の作品群もまた、未来につながっていくでしょう。ゴッホは死んだが、彼の使命は死にはしない。その作品の中にこめられた愛は、必ず、だれかの心に届き、それを揺り動かすことができるのです。