これは人間が書いたお話ですが、わたしたちもとても好きです。人間の愛があふれている。
「かんじんなことは目に見えない」という有名なことばは、心が井戸の水をのむように、みんなの心に吸い込まれている。
かのじょも言ったことがありました。星の数ほどたくさんある本の中に、あのたった一冊の本があるというだけで、生きることが楽になると。
ではなぜ、大切なことは、目に見えないのでしょう。それは、目に見えてしまったら、人間がとてもつらいからですよ。考えてごらんなさい。愛というものが目に見えてしまったら、人間はどうしていいかわからないでしょう。愛がなぜそんなことまでしてくれるのかわからなくて、怖くて、逃げてしまうかもしれません。
そう、本当は、大切なことは、目に見えない方がいいのです。大きくなってきて、勉強が進んで来てから、考える方がいいでしょう。何が本当に大切なことなのか、本当にわかるようになるためには、それは目に見えない方がいいのです。おとなになって、いろいろなことを考えるようになったら、目に見えないものを感じるための、感性を育てねばなりません。そうでなければ、本当に大切なものを、失ってしまうでしょう。
大人になって、ずるいことをしてお金持ちになっても、幸せじゃありません。本当に幸せなことは、小さなバラを愛する自分の心の中にあるのです。そこから始めましょう。ほんとうのことは、ほんとうは、もっともっと深い所にありますけれど、自分に解るところから、少しずつ感じて、学んでいきましょう。
この一冊の小さな本は、人類の宝です。大切なものです。大事にしていきましょう。