あるウソつきのブログ

日本の左翼が売国的すぎて、本当の左翼がいない事を嘆く、多分左翼的な人のブログです。

ブラック企業の定義

2014年08月15日 14時29分53秒 | 経済
 プレジデントに、ワタミ系列の居酒屋のとある店長のインタビュー記事が掲載されていた。

【プレジデント】ワタミ店長実名告発!「僕は目の前の焼き鳥が冷めていくのが耐えられない」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140814-00013167-president-bus_all


▲森谷明博さん わたみん家・大船店店長

 2chのスレで特に強調されていたのが、彼のこの台詞。

従業員にはきちんと休んでもらっていますけど、僕はこれからも働きますよ。「ブラックだ」なんて声は関係ない。会社に必要とされているかすらわからない週休2日の悠々自適の人生もいいでしょう。だけど社会から必要とされるべく毎日懸命に働く人生にだって価値はある。

一生懸命働くことがダメだなんて僕には信じられない。本当の優しさ、人生の重さ、そういったものが、苦難やしんどいことから逃げ続けて得られるとも思えない。

 まあ、ブラック企業に洗脳されとる可哀想な人的な扱いだったわけだが。
 いや、俺は別に、仕事熱心な普通の人だと思った。

 なんかね、多分ワタミの、こーゆー関係者が叩かれる理由ってそこじゃないと思うんだよね。

 スタッフが、自分の意思で、ワタミの為に滅私奉公する事を誇りとして仕事するのは別にいいんだよ。
 問題は、それを全員に強要する事なんだよ。
 で、この店長をはじめとしたワタミ経営側は、「強要なんてしていない」って言うじゃない。でも、あきらかにそうせざるを得ない空気にしているんだよね。でもって、仕事のできる滅私奉公しない人と、仕事の出来が普通の滅私奉公する人ならば、この企業は滅私奉公をする人を過大評価するのよ。

 その点が、大きく問題なんだよな。

 くだんのこの店長も「従業員にはきちんと休んでもらっていますけど」って言ってるけど、彼は率先して滅私奉公し、言わば「俺の背中を見ろ」と言っているわけだよ。これは無意識の強要だと思うんだよ。

 でもね。このぐらいの経営側の人って普通に存在するんだよな。でもって滅私奉公な人ってのは、多かれ少なかれ、どんな企業でも過大評価気味になる。ウチの会社もそうだよ。

 問題は、ワタミやすき家ってのはこれが異常に過大なのである。

 それは、こんな記事がプレジデントのような雑誌に写真付きで掲載されることからも明らかなんだ。

 この店長、森谷さんだったかな。彼がそういう理念でもって店長やんのは勝手なんだよ。それを「これが理想の姿だ」と啓蒙するかの如く、有名誌に記載されるわけだよ。雑誌掲載を、森谷氏は独断でやったと思うか?当然、ワタミが許可を出しての事だろう?

 「なんてあざといのか」

 普通の感覚の人であれば、口に出すかどうかはともかく、この記事を読んで思うはずだ。ワタミのブラック企業っぷりを知っていれば尚更であろう。
 これで、ワタミ陣営がブラック企業のレッテル排除の一環としているであろう事も、正常な認識からのズレを感じる。

 ブラック企業の定義ってのは、なんだろうね。

 ワタミ陣営は、「本人の意思を無視して無理矢理強制労働させる。最低賃金だけしか保障しない」と認識しているように思う。

 それは違う。実際は「経営側の責任を単純労働者に着せ、ノルマが達成できなければ賃金を受け取るのを『申し訳ない』と思わせる仕組みで全員が動いている組織」の事である。


▲絶対の自身を持って語る、ワタミこと、渡邉美樹氏

 この定義、おそらくどこの誰も紹介していないのではなかろうか。俺のオリジナル…のつもりである。はっきり言って俺自身の経験則だが、恐らく間違っていない。

 俺は、日本企業にはびこる課長代理とかのシステムが嫌いだ。課長級の責任は要求するものの、課長級の権利は受け取れない、責任過多となっている会社員の代名詞の事である。課長代理って立場は可哀想だよねと、現場ではよく言われる。

 ワタミとかすき家ってのはね。その課長代理システムを全職員に広げた企業なんだよ。そりゃー滅私奉公を苦としない人なら居心地のいいシステムだよね。

 せめて、課長代理レベルの滅私奉公ぐらいでやめとくべきなんだよ。ちなみにワタミとかで課長代理にあたる人ってのは、俺は「雇われ店長」レベルかなと思う。

 それが、バランスってもんだ。

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