あるウソつきのブログ

日本の左翼が売国的すぎて、本当の左翼がいない事を嘆く、多分左翼的な人のブログです。

無敵の日本市場

2018年07月13日 00時17分28秒 | その他
 先日、「二度目の人生を異世界で」が中国人クレーマーによって潰された事が話題になっていたのは記憶に新しいと思う。

 日本と言えば、昔ならAGC(アニメ・ゲーム・コミック)は他国の追随を許さないと言われていたのだけど。昨今ゲームについてはトップの座を譲る事になってしまった。
 とは言え、アニメとコミックならば、他国の追随を今でも許さないだろう。

 なぜ、日本ではアニメとコミックにおいて他国の追随を許さないのだろう。中国や韓国は、それなりの国家予算を割いて、日本のソフトパワーに対抗するべく努力をしているけれど。
 まるで欧州サッカーに、いくらアジア圏の国々が予算を割こうと敵わないように、中韓や、ましてやフランスやアメリカが、この分野において、日本に敵う事はない。

 どうしてだと思う?

 理由は2つあると思う。1つは、ここまで成熟した巨大市場が、日本にしか存在しない事と、もう1つは、タブーに対する精神的な障壁が、外国人に比べて日本人は異常に低いからである。

 例えば、「聖☆おにいさん」なんかはキリスト圏の人間にはなかなか着想が厳しいだろう。また、一昔以上、すでに昔の話になっちゃうけど、18禁PCゲームなんかの巨大市場構築なんてのも、ロリコンやSMなんかに対する拒絶感が強い欧米では不可能に近いのではなかろうか。

 よーするに社会的な意味において、日本は度量が深いのである。「二度目の人生を異世界で」のアニメが、中国人ネットユーザに潰された時、俺は「中国人はなんと度量が狭いのだろうか」と思ったものだが。

 ここで、やっぱり真っ先に思ったのが、中国のいわゆる抗日ドラマであった。
 自分たちはさんざん、「日本鬼子(リーベングイズ)」と日本人を蔑み、残虐な最低種族として、美しく誇り高い中国人によって、かっこよく成敗される話を垂れ流しているくせに、何を言っているのかと。

 自分たちがやっても許せるけれど、日本人が自分たちと同じ事をするのは許せないというのは、これは立派な人種差別だと思う。
 日本は別に、中国の抗日ドラマをおそらくどうとも思わない。抗日ドラマの歴史はそれなりに古いし、その存在も俺は知っていたが、「二度目の人生を異世界で」の問題が出てくるまで、気にしたこともなかった。別に積極的に見たいとも思わなかっただけだ。

 それで。ふと思っていたのだけど。日本人は結構「仮想戦記」が好きである。
 実は、大東亜戦争で日本が勝っていたら…とかいう題材は多い。

 抗日ドラマと似たようなものか?と言えば、日本の戦争を題材とした仮想戦記は、似ても似つかない。たいてい、「ありえた未来」として、「この条件が揃ってれば、日本は戦争に勝てたのではないか?」という着想から、緻密な積み上げで物語を形作るのである。求めているのはリアリティだ。

 で。俺は抗日ドラマ好きの中国人ならば、作ってみればいいと思うのである。
 何をって、仮想戦記である。

 例えばさぁ。「もし本当に南京大虐殺を日本人がやらかしたら」とかである。
 短期間で、延べ3000万人、殺す方法を考えるのだ。100人斬り競争が、どれぐらいの頻度で行われていたのか、どうやって滞在中の外国人記者たちに隠蔽したのかとか…。
 あるいは、荒唐無稽な3000万人で着想する必要はない。適当に、実現できそうな例えば20万人ぐらいにしたとして、「後の世で3000万人と言われる南京大虐殺は、実際には20万人前後だったと言われる(×× 著者××)」みたいなナレーションじみた、参考文献や著者名を入れたりして、リアルを演出する。
 そうして、日本人が南京人を虐殺した心理背景を想像し、それが何故起こったのか。説得できるストーリーを作ればいいのだ。
 その上で、別に史実である必要はない。例えば秘密裏に開発に成功していた新兵器で逆転でもいい。中国共産党が勝てたストーリーにすればいいのである。

 抗日ドラマに圧倒的に足らないのはリアリティだろう。
 仮想戦記とは、あくまで「仮想」であって、リアルな史実に対し、プラスアルファの何かでもって、基本的には負けてた方を勝者として語ってみるフィクションである。求められているもののうち「リアリティ」への比重は大きい。

 そんな事が、できるだろうか中国人に。
 抗日ドラマではなく、それを仮想戦記にまで押し上げる作家は、中国で生きていけるだろうか。

 おそらく。日本でこーゆードラマやらなろうの小説やらを創作するのは難しくはない。

 中国は巨大でも。これを許す社会的な度量も、作品を支えていけるだけの市場もない。これをやりたいなら、日本市場でやるしかないのだ。

 それだからこそ。日本はこの分野において他の追随を許さないのである。

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