いつか書こうと思っていたのだが、日本人にも向き不向きがある。
以前にもちびっと書いたのだけど。日本という国は、住むにはいい国なんだけど、会社で働きだすと、途端にイヤな側面が見えてくるのである。多くの外国人がその事に言及し、そしてリタイヤしていしまう。
根拠はない。強いて言うならこれは、「ソースは俺」である。経験則。
いつも主張している、「日本国内の経営者はおしなべて外道。ワタミの渡邉美樹が標準」につながっている経験則である。
最近、極めてわかりやすい事例があったので、それを紹介してみようと思う。
その前に、タイトル「誠実な中国人、狡猾な日本人」なのだけど。一般的には逆と言われているし、実は俺も逆だと思っているのだけど。
見方を変えればガラリと印象が変わるという事で、日本人の方が狡猾になってしまう事例を紹介しようと思う。
ある巨大なシステムがあって。
その一部が、誤ってデグレードしている事に気がついたんだな。デグレードってのは、一般的に言われている「アップグレード版の方が品質が悪い」という程度の意味ではなく。文字通りの「過去アップグレードした機能の一部がなくなっていた」。
原因は、数年前に辞めた社員が更新したプログラムのソースが共有されておらず、アップグレードしたタイミングで、彼が修正したものが消失してしまったんだ。
既に、彼の対応した分のソースはない。明らかにこっち「メーカー側」の管理ミス。
しかし、現在そのシステムは大規模な改修プロジェクトの終盤で、納期まで既に1週間を切っている、追い込み時期であった。
このタイミングでデグレードにお客様が気がついて、激怒して当社にクレーム。今すぐ修正しろと厳命してきたのであった。
まずお客様のこの命令だが、通常対応は不可能である。
なぜって数年前に辞めた社員がガメてた消滅したソースの復元は、逆コンパイルで過去のロードモジュールから抜き出して比較検査をするしかなく、相当時間がかかるからだ。
この時、プロジェクトのマネジメントトップは日本人。実務トップは中国人だった。
日本人トップは幸い業務にも精通し、技術力も有していた。その日、中国人トップは不在だった。
事態を深刻に捉えた日本人トップは追い込み時期の作業員の全作業を止め、リソースを全部デグレード対策に割り振った。幸い、ファイルサーバからその辞めた社員のガメていたと思われるソースがサルベージされ、マージ作業は快調に進んだ。
怒ったのは翌日出社した中国人トップである。かなり検証が進んでいたソースに対し、過去のソースが部分的にとはいえマージされたのである。
中国人トップは、クレームしてきた客に連絡。日本人トップが約束した期限を、「懸命にマージによる検証作業は継続するが」守る事は不可能だ。リリースは恐らく、現行のシステム改修プロジェクト完了後になってしまうと宣言する。
それで、社内メンバーに、デグレ分の作業は全部中断しろ。現在のプロジェクト完遂に全力を注げと命令する。
要するに、顧客に嘘をついたのである。今のプロジェクトが完遂するまで、デグレ問題に手を付ける気がないのだ。
これは、自社社員に重きを置くか、顧客に重きを置くかの意識の違いである。
これは俺の持論だが、自社社員:ユーザ=51:49を目指している。お客様の理不尽な我儘に対し、社内から反発があった時、51%は社員を守る事を考えようという意味だ。
この時の日本人トップは話のわかる男であったが、立場が立場である。30:70ぐらいでお客様寄りだ。ところが、中国人トップは近い立場であるにも関わらず、60:40ぐらいで、自分の仕事の精度を優先する。そのついでに、自分が使役する社内社員も守る。
当然、ぶった切られたユーザにしてみれば、たまったものではない。
しかし、最終的にどちらの品質が上になるかと言えば、恐らくは中国人の行動であろう。
日本人トップの行動は、ユーザの溜飲は一時下がったかもしれないが、後々のプログラム品質に爆弾を抱える事になってしまう。
日本人的に言えば、あれほど激怒しているユーザに対し、しかも非は自分達にあるのが確かなのに全力で対応しないのは「不誠実」と感じる。当然ユーザの心証も悪くなる。
まず、中国人トップのように、「あれを断っていいんだ」という発想が、日本人からは出てこない。
日本人トップも嘘をついている。お客様にデグレード対応が完遂できない事を語っていない。要するに彼は「死ぬほど頑張らせたけど無理でした」という言い訳がほしいのだ。それによって社内リソースが疲弊する事については、今は考えていない。
かつ、プロジェクトの納期は厳守させ、残業は極力するなというスタンスも崩さない。もちろん、いよいよとなれば、ユーザに謝罪する・・・のかもしれないが。まあ死んでも納期厳守かもしれん…。
さて。これはどちらが正しいのだろう。
少なくとも、俺は日本人が、ビジネスの世界で世界のトップクラスに登れない理由を、日中の民族の差で見たような気がした。
そうして、言うまでもないが、日本人社会では、日本人トップの行動が正しいのである。こうでなくては、恐らくその日本人トップは生き残っていけないだろう。
…こうして、外国人は日本で仕事をする事がイヤになる。
そして俺は、日本人を指して「奴隷向きの民族である」と主張し、日本人経営者を指して「基本的に全員外道である」と認識しているのであった。
なんか俺、間違ってるっすか。
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日本の敵
以前にもちびっと書いたのだけど。日本という国は、住むにはいい国なんだけど、会社で働きだすと、途端にイヤな側面が見えてくるのである。多くの外国人がその事に言及し、そしてリタイヤしていしまう。
根拠はない。強いて言うならこれは、「ソースは俺」である。経験則。
いつも主張している、「日本国内の経営者はおしなべて外道。ワタミの渡邉美樹が標準」につながっている経験則である。
最近、極めてわかりやすい事例があったので、それを紹介してみようと思う。
その前に、タイトル「誠実な中国人、狡猾な日本人」なのだけど。一般的には逆と言われているし、実は俺も逆だと思っているのだけど。
見方を変えればガラリと印象が変わるという事で、日本人の方が狡猾になってしまう事例を紹介しようと思う。
ある巨大なシステムがあって。
その一部が、誤ってデグレードしている事に気がついたんだな。デグレードってのは、一般的に言われている「アップグレード版の方が品質が悪い」という程度の意味ではなく。文字通りの「過去アップグレードした機能の一部がなくなっていた」。
原因は、数年前に辞めた社員が更新したプログラムのソースが共有されておらず、アップグレードしたタイミングで、彼が修正したものが消失してしまったんだ。
既に、彼の対応した分のソースはない。明らかにこっち「メーカー側」の管理ミス。
しかし、現在そのシステムは大規模な改修プロジェクトの終盤で、納期まで既に1週間を切っている、追い込み時期であった。
このタイミングでデグレードにお客様が気がついて、激怒して当社にクレーム。今すぐ修正しろと厳命してきたのであった。
まずお客様のこの命令だが、通常対応は不可能である。
なぜって数年前に辞めた社員がガメてた消滅したソースの復元は、逆コンパイルで過去のロードモジュールから抜き出して比較検査をするしかなく、相当時間がかかるからだ。
この時、プロジェクトのマネジメントトップは日本人。実務トップは中国人だった。
日本人トップは幸い業務にも精通し、技術力も有していた。その日、中国人トップは不在だった。
事態を深刻に捉えた日本人トップは追い込み時期の作業員の全作業を止め、リソースを全部デグレード対策に割り振った。幸い、ファイルサーバからその辞めた社員のガメていたと思われるソースがサルベージされ、マージ作業は快調に進んだ。
怒ったのは翌日出社した中国人トップである。かなり検証が進んでいたソースに対し、過去のソースが部分的にとはいえマージされたのである。
中国人トップは、クレームしてきた客に連絡。日本人トップが約束した期限を、「懸命にマージによる検証作業は継続するが」守る事は不可能だ。リリースは恐らく、現行のシステム改修プロジェクト完了後になってしまうと宣言する。
それで、社内メンバーに、デグレ分の作業は全部中断しろ。現在のプロジェクト完遂に全力を注げと命令する。
要するに、顧客に嘘をついたのである。今のプロジェクトが完遂するまで、デグレ問題に手を付ける気がないのだ。
これは、自社社員に重きを置くか、顧客に重きを置くかの意識の違いである。
これは俺の持論だが、自社社員:ユーザ=51:49を目指している。お客様の理不尽な我儘に対し、社内から反発があった時、51%は社員を守る事を考えようという意味だ。
この時の日本人トップは話のわかる男であったが、立場が立場である。30:70ぐらいでお客様寄りだ。ところが、中国人トップは近い立場であるにも関わらず、60:40ぐらいで、自分の仕事の精度を優先する。そのついでに、自分が使役する社内社員も守る。
当然、ぶった切られたユーザにしてみれば、たまったものではない。
しかし、最終的にどちらの品質が上になるかと言えば、恐らくは中国人の行動であろう。
日本人トップの行動は、ユーザの溜飲は一時下がったかもしれないが、後々のプログラム品質に爆弾を抱える事になってしまう。
日本人的に言えば、あれほど激怒しているユーザに対し、しかも非は自分達にあるのが確かなのに全力で対応しないのは「不誠実」と感じる。当然ユーザの心証も悪くなる。
まず、中国人トップのように、「あれを断っていいんだ」という発想が、日本人からは出てこない。
日本人トップも嘘をついている。お客様にデグレード対応が完遂できない事を語っていない。要するに彼は「死ぬほど頑張らせたけど無理でした」という言い訳がほしいのだ。それによって社内リソースが疲弊する事については、今は考えていない。
かつ、プロジェクトの納期は厳守させ、残業は極力するなというスタンスも崩さない。もちろん、いよいよとなれば、ユーザに謝罪する・・・のかもしれないが。まあ死んでも納期厳守かもしれん…。
さて。これはどちらが正しいのだろう。
少なくとも、俺は日本人が、ビジネスの世界で世界のトップクラスに登れない理由を、日中の民族の差で見たような気がした。
そうして、言うまでもないが、日本人社会では、日本人トップの行動が正しいのである。こうでなくては、恐らくその日本人トップは生き残っていけないだろう。
…こうして、外国人は日本で仕事をする事がイヤになる。
そして俺は、日本人を指して「奴隷向きの民族である」と主張し、日本人経営者を指して「基本的に全員外道である」と認識しているのであった。
なんか俺、間違ってるっすか。
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日本の敵