【ロイター】独VWエンジニア、排ガスの不正操作認める=独紙
http://jp.reuters.com/article/2015/11/09/volkswagen-emissions-idJPKCN0SY00520151109
ご存知の通り、俺の所属はIT関連技術系会社である。
その業務内容は手広く、法人向けの業務ソフトやら、携帯ゲームの移植、車載ナビ等のソフト開発とか、ホテルのコンセプトルームの各種制御、鉄道の券売機やら改札機、金融商品売買用のAI、ビルセキュリティの制御等、まさになんでもありで、これらの殆どにおいて、俺は参画経験がある。
その経験上、絶対的自信をもって断言できる事が2つある。1つが
「技術的には可能な事であっても、コスト面で結局不可能な事が山程存在する事」
そしてもう1つが、
「ムチャなコスト要求に対して、上司は末端技術者の犠牲を厭わない事」
である。
例えば、1人で普通にやれば50ヶ月かかる作業があったとする。
それを、1ヶ月でやれと言ってくる事がある。(実話)
で、「50人いれば1ヶ月でできるだろう?」とか言い出して、本当に50人用意してしまうのだ。(これも実話)
こーゆー、無理難題を押し付けられた時、上司は部下にどう命令するだろうか。
俺は知っている。部下の「無理です」系の至極真っ当な、本当にガチで命に関わるレベルの警告が聞こえなくなるのだ。
で、例えば部下が皮肉とかジョークで「あー。全員1日睡眠時間3時間に制限させて、女性も含めて監禁して、ゲシュタポみたいな監視員をつけて食事は携帯食オンリーにして離席も制限し、雑用係としてバイトを各人1名つけるぐらいやらんと、まず1ヶ月じゃ無理な工数ですね。これ」とか言うと、上司が突然嬉しそうに目を輝かせ、
「いいね!それで逝こう!」
とガチで言っちゃうのである。まさに外道!!
俺はそういうのが祟って、ウチの会社を辞めていった本当に優秀な技術者を2名知ってる。あんな事で失って良い2名じゃなかったと思う。
ちなみに。その無茶苦茶を要求してきた「大企業」は数年後に経営破綻し、各部門は散り散りになってしまった。で、その上司は今も健在である。
ああ。その上記「部下の冗談」であるゲシュタポ拉致監禁案は、直後に俺が「そんなん無理に決まってるでしょ!」と一喝して却下となった。
どんなに無理な事を説明しても「その無理をどうやったら達成できるか、もっとポジティブに、具体的に考えようよ!」と、壊れたテープレコーダーみたいにしか繰り返さない、下から見上げれば無能としか思えないその上司を見て、俺はガチもんの殺意を覚えたもんだが…。まあ実行に移してないので、現在に至っているのである。
だって解決策丸投げやで?要求ばっかでなんのフォローもしよらんかったわ。自分はなーんも考えよらん。
でね。これどうやって完遂できたかっていうと。
作業を自動化するプログラムをすっごい苦労して作ったんだよ。結局、優秀なプログラマ1名の作業は、普通のプログラマ10名の作業に匹敵するの典型みたいなプロジェクトだったんだけどな。…なんか激しく自画自賛ですっごいイヤなんだが。
結局、その上司が言う「具体的に」考えた結果、なんとかなってしまった。
毎度毎度、「な?できるやろ?」的ドヤ顔をされるとマジで切れそう。
…何が言いたいのかというとね。
確かに、独の技術者がやった事は悪い事なんだけど。すっごい気持ちがわかるから、そればかり責めるべきじゃないように、思っちゃうんだよね。
それで、俺がいつもブログで提唱している「外道は経営者」論に繋がるのである。
これがまさに「カンブリア宮殿」に出演したワタミこと、渡邉美樹氏の論調そのもの。そう。経営者は外道だ!外道なんだーーー!!
【痛いニュース】ワタミ社長「途中で止めるから『無理』になる。止めさせなければ『無理』じゃなくなる」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1697943.html
多分、VWが無茶な要求を出して、下請けが断れなかったんだろう?まあ日本企業で考えれば、往々にしてよくある話なんだけどね。
わかるよー。こんなドキュメント作っても、プログラムの精度は上がらないのに、「精度を上げる為に、こーゆードキュメントで管理しよう」とか思いつきで大企業の管理者が軽く提案して、そのままヘタすりゃ数百万頁にわたる検証資料を作るハメになった事とか、ごまんとあるからさ。現場から見りゃ、無意味で無価値な「上からの命令」の、なんと多い事か。誤魔化したくなる気持ちは痛いほどわかる。
つーか数百万頁にわたる検証資料作ったぜ。できるもんなら検証してみろよオラッ。…言わないけどさ。
で、誤魔化せさえすりゃ、自分も食いっぱくれないし、自分も自分の会社も、他社が絶対に真似できないという意味で、業界オンリーワンを維持できるし、大企業は大企業で、ウチの実績を盾にして、他社に「A社はその条件でやりよるぞ」と恫喝して、さらに単金を下げるわけだよ。
まさに近隣窮乏化政策。自分らさえよければオールオッケーのデフレスパイラル。
この構図、いったい誰が悪いんだろうな。
国レベルなら、こないだのインドネシア鉄道の中国落札なんかがいい例だよね。国際ルール無視の中国の所業。自分さえ良ければフェア精神なんてくそくらえ。
結局ね、ルール違反にまで末端作業者を追い込む外道経営者に良心の呵責がない事に端を発するわけよ。
全員が真っ当な経営者であれば、こんな事は起こらない。
ま、サバイバル的に、真っ当でいられないのはわかるんだけどね。だからこそ、俺は経営者が外道だと叫ぶのである。
うん。で、上司ってのは行く行くは経営者の卵なんだよ。外道を働かないと立ち行かない場所で、外道を繰り返してのし上がっていくんだよ。
…世の中、綺麗事だけじゃやってけないのである。
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気障でけっこうです
http://jp.reuters.com/article/2015/11/09/volkswagen-emissions-idJPKCN0SY00520151109
ご存知の通り、俺の所属はIT関連技術系会社である。
その業務内容は手広く、法人向けの業務ソフトやら、携帯ゲームの移植、車載ナビ等のソフト開発とか、ホテルのコンセプトルームの各種制御、鉄道の券売機やら改札機、金融商品売買用のAI、ビルセキュリティの制御等、まさになんでもありで、これらの殆どにおいて、俺は参画経験がある。
その経験上、絶対的自信をもって断言できる事が2つある。1つが
「技術的には可能な事であっても、コスト面で結局不可能な事が山程存在する事」
そしてもう1つが、
「ムチャなコスト要求に対して、上司は末端技術者の犠牲を厭わない事」
である。
例えば、1人で普通にやれば50ヶ月かかる作業があったとする。
それを、1ヶ月でやれと言ってくる事がある。(実話)
で、「50人いれば1ヶ月でできるだろう?」とか言い出して、本当に50人用意してしまうのだ。(これも実話)
こーゆー、無理難題を押し付けられた時、上司は部下にどう命令するだろうか。
俺は知っている。部下の「無理です」系の至極真っ当な、本当にガチで命に関わるレベルの警告が聞こえなくなるのだ。
で、例えば部下が皮肉とかジョークで「あー。全員1日睡眠時間3時間に制限させて、女性も含めて監禁して、ゲシュタポみたいな監視員をつけて食事は携帯食オンリーにして離席も制限し、雑用係としてバイトを各人1名つけるぐらいやらんと、まず1ヶ月じゃ無理な工数ですね。これ」とか言うと、上司が突然嬉しそうに目を輝かせ、
「いいね!それで逝こう!」
とガチで言っちゃうのである。まさに外道!!
俺はそういうのが祟って、ウチの会社を辞めていった本当に優秀な技術者を2名知ってる。あんな事で失って良い2名じゃなかったと思う。
ちなみに。その無茶苦茶を要求してきた「大企業」は数年後に経営破綻し、各部門は散り散りになってしまった。で、その上司は今も健在である。
ああ。その上記「部下の冗談」であるゲシュタポ拉致監禁案は、直後に俺が「そんなん無理に決まってるでしょ!」と一喝して却下となった。
どんなに無理な事を説明しても「その無理をどうやったら達成できるか、もっとポジティブに、具体的に考えようよ!」と、壊れたテープレコーダーみたいにしか繰り返さない、下から見上げれば無能としか思えないその上司を見て、俺はガチもんの殺意を覚えたもんだが…。まあ実行に移してないので、現在に至っているのである。
だって解決策丸投げやで?要求ばっかでなんのフォローもしよらんかったわ。自分はなーんも考えよらん。
でね。これどうやって完遂できたかっていうと。
作業を自動化するプログラムをすっごい苦労して作ったんだよ。結局、優秀なプログラマ1名の作業は、普通のプログラマ10名の作業に匹敵するの典型みたいなプロジェクトだったんだけどな。…なんか激しく自画自賛ですっごいイヤなんだが。
結局、その上司が言う「具体的に」考えた結果、なんとかなってしまった。
毎度毎度、「な?できるやろ?」的ドヤ顔をされるとマジで切れそう。
…何が言いたいのかというとね。
確かに、独の技術者がやった事は悪い事なんだけど。すっごい気持ちがわかるから、そればかり責めるべきじゃないように、思っちゃうんだよね。
それで、俺がいつもブログで提唱している「外道は経営者」論に繋がるのである。
これがまさに「カンブリア宮殿」に出演したワタミこと、渡邉美樹氏の論調そのもの。そう。経営者は外道だ!外道なんだーーー!!
【痛いニュース】ワタミ社長「途中で止めるから『無理』になる。止めさせなければ『無理』じゃなくなる」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1697943.html
多分、VWが無茶な要求を出して、下請けが断れなかったんだろう?まあ日本企業で考えれば、往々にしてよくある話なんだけどね。
わかるよー。こんなドキュメント作っても、プログラムの精度は上がらないのに、「精度を上げる為に、こーゆードキュメントで管理しよう」とか思いつきで大企業の管理者が軽く提案して、そのままヘタすりゃ数百万頁にわたる検証資料を作るハメになった事とか、ごまんとあるからさ。現場から見りゃ、無意味で無価値な「上からの命令」の、なんと多い事か。誤魔化したくなる気持ちは痛いほどわかる。
つーか数百万頁にわたる検証資料作ったぜ。できるもんなら検証してみろよオラッ。…言わないけどさ。
で、誤魔化せさえすりゃ、自分も食いっぱくれないし、自分も自分の会社も、他社が絶対に真似できないという意味で、業界オンリーワンを維持できるし、大企業は大企業で、ウチの実績を盾にして、他社に「A社はその条件でやりよるぞ」と恫喝して、さらに単金を下げるわけだよ。
まさに近隣窮乏化政策。自分らさえよければオールオッケーのデフレスパイラル。
この構図、いったい誰が悪いんだろうな。
国レベルなら、こないだのインドネシア鉄道の中国落札なんかがいい例だよね。国際ルール無視の中国の所業。自分さえ良ければフェア精神なんてくそくらえ。
結局ね、ルール違反にまで末端作業者を追い込む外道経営者に良心の呵責がない事に端を発するわけよ。
全員が真っ当な経営者であれば、こんな事は起こらない。
ま、サバイバル的に、真っ当でいられないのはわかるんだけどね。だからこそ、俺は経営者が外道だと叫ぶのである。
うん。で、上司ってのは行く行くは経営者の卵なんだよ。外道を働かないと立ち行かない場所で、外道を繰り返してのし上がっていくんだよ。
…世の中、綺麗事だけじゃやってけないのである。
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気障でけっこうです