ニューヨークを拠点に活躍しているイリヤ・カバコフ(1933-)は、旧ソ連時代、絵本の挿絵画家としても活躍していました。
彼が1950年代後半から1980年代後半にかけて手がけた100冊とその原画1,000点を会期の前半と後半に分けて、いま、広島現代美術館で展示しています。
ヤーコフ・イシドロヴィチ・シュール著「カオ=ウチュの涙」の挿絵
アナトーリ・マルコヴィチ・マルクーシャ著「チーマはお家にいます」の挿絵
上の写真3枚はパンフレットからの転載ですが、ペンと水彩の彼の絵の繊細さ、やさしさ、無彩色のものをふくめた色の美しさが見事でした。
旧ソ連時代、いろんな制約の中で、これだけのものを残した、彼の力、そして、社会主義への批判もありますが、絵本は、印刷して子どもたちに配られるもの....当時の印刷技術の高さ、原画と並べて展示されているのですが、遜色がありませんでした。
絵本の表紙の絵はがきと入場者に配られた彼の挿絵のしおり、何種類かあって、うれしいプレゼントでした。
この展覧会は、1月27日まで広島市現代美術館で、このあと、2月9日から4月6日まで世田谷美術館、7月19日から9月14日まで足利市立美術館で予定されています。
ミュージアムショップで売っていた1920-30年代の幻のロシア絵本の絵はがきです。
この幻のロシア絵本の一部が、芦屋市立美術博物館と東京都庭園美術館の企画・監修で復刻されていました。
うれしくなって、3冊買いました。
絵だけでも満足できるのですが、日本語に翻訳した別紙が入っていて、ちょっとした心遣いでした。
絵が生き生きとしているでしょう。
広島市現代美術館で新しくはじまったスタンプカード、7つの星のスタンプで次回特別展が無料になります。
一度出かけても、特別展、企画展を見れば、2つのスタンプですから、うれしい企画です。