博文(ひろぶみ)通信

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佐藤記者の言う通り

2013-10-28 18:22:08 | 日記

<福島民報論説より>

「復興法人税廃止へ」予算確保は十分か(10月22日)

  政府は、東日本大震災の復興予算のため創出した復興特別法人税を1年前倒しで廃止する方向で検討を始めた。廃止が企業の賃上げ、景気回復に結び付くかどうかは不透明だ。本県の場合、東京電力福島第一原発事故の汚染水対策、賠償などさらなる費用が掛かる。予算確保は最重要課題だ。拙速な判断で復興にブレーキをかけてはならない。
 政府は、消費税率5%を来年4月1日から予定通り8%に引き上げるのに合わせ、経済対策の一つとして復興特別法人税の前倒し廃止を検討している。12月にも決める方針だ。安倍晋三首相は「復興財源をしっかり確保していくことが前提になる」と強調している。
 平成23年度から5年間で復興予算に約25兆円を調達する予定だが、復興特別法人税の廃止で約9000億円の減収が見込まれる。確かに事業費の年度繰り越しはあるが、お金が余っているわけではない。高台移転手続きや用地買収が難航するなど被災地事情があるからだ。
 復興の見える形がほしい。政府が復興加速を第一に掲げるなら、想定外の事態に備え、予算を十分確保しておく必要がある。資材の単価が高騰し、県内でも災害公営住宅の入札が不調に終わっている。予定価格の見直しが急務だ。公共事業を担う人材不足も懸念される。東京五輪開催が決まり、被災地には今から建設業の人材の奪い合いが起きるのではないか、と心配する声もある。
 本県は原発事故の収束、賠償など多額の費用を要する課題が山積している。臨時国会の所信表明で安倍首相は原発の廃炉・汚染水対策について「東電に任せることなく、国が前面に立って責任を果たす」と表明した。今年度予算から予備費を投入するほか、来年度予算編成で特別枠を設ける方針を示している。
 国が賠償交付金として原子力損害賠償支援機構を通じて援助する額が5兆円に達した場合、全額回収に最長で31年も要する。5兆円は国債で交付するため、利息の支払いで実質的な国民負担は約800億円になる、と会計検査院が試算した。
 政府は原発事故を福島だけでなく、日本の問題として国民に説明する義務がある。個人に負担を押し付け、法人に優遇するのは税の公平の負担原則にも反する。共同通信の世論調査でも東北地方では復興特別法人税廃止の前倒しに8割近くが反対だ。もうすぐ3年目の冬を迎える。復興は国民の正しい理解があってこそ加速する。(佐藤 光俊)

( 2013/10/22 09:17カテゴリー:論説

*どうも安倍総理の政策は、大企業優先など悪しき自民党政権時代に先祖帰りしたような気がしています。

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は、喜ぶべきことであるとは思います。しかし、開催までにハード面などの整備により人・物・金が一極集中し、復旧・復興の足かせになってしまうのではと危惧します。