夕方、陽が落ちかけて、熱気が下がってきたところで散歩に出かけた。
最近はジョギング熱は冷め切って、もっぱらウォーキングばかりだ。
家を出てすぐに、知り合いのおじいちゃんがいた。
10年ほど前に同じ時期にジョギングを始めた人だ。
ときどき並走しながら会話をしたことがある。
今はまったく会っていなかった。
時間帯もちがうし、回るコースもちがうからだ。
その日もお互い遠ざかる方向へと離れた。
しばらく歩いたら、おじいちゃんがうしろ向きに水を飲んでいた。
お互いのコースがたまたまクロスしたのだ。
話しかけてみるか!
「こんちは、お久しぶりです!」
「ああ、どうも!」
あれ? 認識されているようだ。
「もうおいくつになられましたか?」
「11月で82です」
最初の出会いの頃70代だったから・・・そうか、もうそんな歳か!
「○○さんですよね?」
「覚えてらっしゃいましたか!」
おじいちゃんは10年前に名乗ったワタクシの名前を憶えていた。
ワタクシは・・・忘れた!
10年前の出会ったころの話をした。
お互い、よく覚えていた。
ワタクシが青太マラソンの練習を始めた頃だった。
「太られましたか?」
ギョエッ!
「10キロくらい太りました」
ヤベッ!
「じゃまた!」と言って別れたが、太った話がずっと気になっていた。
やっぱり太って見えたか!
またマラソン走るか・・・と思った即座に首を振った。
いや、もうゼッタイに走らん!