やっぱり健康が大事だなと感じるできごとが最近あった。
独身の兄が入院して危篤だという知らせを受けて、遠い郷里に帰ってみたら、実家崩壊の現状を見た。
ある女性の話だ。
実家の母親が病気で寝たっきり、その介護をしている父親は軽い認知症を患っていた。
兄が一人で奮闘努力をしていたらしい。
母親は口は達者だが、体が動かない。
入浴から便の処理まで生活のすべてを介護施設のお世話になっている。
父親は日常のルーティーンは何とかこなせるが、気づいて何かをするという行動がまったくない。
母親からの指令で動いているだけだ。
兄はずっと実家の現状を隠して妹に知らせなかった。
妹には妹の生活があったからだ。
やさしい兄だった・・・
その兄が快復しないまま亡くなった。
何とか葬儀は終わらせたが、これから実家をどうする?
母親を病院に戻すか?
もともとは母親が家庭介護を願ったことから始まった崩壊だ。
いわゆる共倒れ現象だ。
兄は仕事と介護に疲れ果てて死んだのだ。
認知症の父親はどうする?
生活できるまで放置できるか?
妹が帰郷して世話ができる現状にない。
妹は別の土地で結婚し、幼子をかかえ、仕事も継続している。
ここは第三者に頼るしかない。
今、その調整中だ。
なんということだろうか?
子である兄の葬儀を親が仕切れない。
帰郷した妹にその重荷がどっとおっかぶさってきた。
ワタクシが思うのは健康の大事さだ。
健康を維持して、子の世話になる期間をできるだけ最小、最短にしなければならない。
野生動物は一人で死んでいく。
人間は一人で死ねない。
一人で死ねば、事件、事故かと疑われ、孤独死と呼ばれ、あげくの果ては世間の嘲笑の的となることもある。
人間は何とも厄介な動物だ。
共倒れを防ぐ!
非情に切り離してでも生き残れ!
そう、子には伝えておく!