鎌倉徒然草

鎌倉に住んで25年。四季折々の自然を楽しみながら、オリジナルの和雑貨の企画、製造、販売を展開しています。

経営者 その四

2017年02月24日 | 日記

私の起業のきっかけは、娘の学校の同級生のお母さん達だ。

何の特技もなく、資格もない私は「何かできる人」がうらやましくて仕方がなかった。

例えば、手作りの洋服やバッグを子供に着せたり持たせたり、

役員の仕事で、パソコンの操作に秀でていたり、

デザイン性のある冊子づくりに個性を発揮したり、

「何々ちゃんのお母さん」以外の顔を知り、私は溜息まじりに言ったものだ。

「それ、仕事にしないの勿体ないわよ」

皆の答えはいつも決まって寂しいものだった。

「仕事なんてないわよ」

本当だろうか?洋裁学校やデザインの勉強を、時間とお金を使ってきたわけでしょ・・・、

何だか不思議な高揚感にとらわれた私は、

「それなら私が仕事作って見せるわ」と言ってしまった。

そそっかしく、危なっかしく、全く無防備な私だったが、

大好きな布とかかわることがうれしくて、次々試作を作り

「商品」作りに精を出した。

さて、その商品をどこで売るのかが大問題だった。

まともに物を売る仕事などした事の無い私は、出だしで立ち止る羽目に。

もう引き下がれなかった。門前払いを覚悟で鎌倉の小売店を回ることにした。

反応は悪かった。世の中はブランド志向、特にヨーロッパの伝統ある、

洗練された商品が席巻していた。

和を基調にした「鎌倉今村」の商品は見向きもされなかった。トホホのスタートでした。

 

 

 

 

 

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