七段飾りのお雛様を、いそいそ飾ったのは、娘が何歳までの事だったろう。
これが結構な労働で毎年、勿論私の仕事でした。
娘が幼いころ、段によじ登り、お気に入りの三人官女をわしづかみ、よしよしをしていたㇼ、
模擬菱餅をかじったり、お雛様とシッカリ遊んでいた。何をしても可愛かった。
お雛様は、亡き母と一緒にいろいろ見て回り買ってもらったものでした。
母が亡くなってからは、一度も箱を開けていない。
勿論今年も開けてない。納戸の中で6,7年お休みをいただいている。
もし今ふたを開けたら・・・、三人官女は歳をとってしまったか?
右大臣、左大臣は「おい、なにしてたんだー!」と怒るだろうなー。
五人囃子の青年たちは、奏でることを忘れてしまったのでは・・・、
お内裏様とお雛様は私の顔みて「しばらく会わないうちにおばーちゃんになっていたのねー、
それは忙しかったことでしょう・・・」と、たおやかな、寛大なまなざしで許してくれそう。
雛まつり・・・、、どこか女子力をアップさせてくれる雅な祭り、宴、
工房には、お気に入りの立雛が今、温かく私を見守ってくれています。
忘れてました、明日、桃の花を飾りましょう。