1999年生まれの大学生が164回、芥川賞を受賞した。
アイドルの追っかけをして、自身の精神のバランスを取りながら、学校、アルバイト先、家族とのかかわりが、苦しくなるほど克明に綴られる。
若さは不器用で、無茶苦茶で、世の中に素直になれなくて・・・、きっと誰もが抱えるあの時代の痛みを「推し、燃ゆ」は思い出させてくれた。
果たして、他人の、21歳の女子大生が書いた文章が、私の青春時代の傷をいやすのか?見事に裏切られたのだ。まるで私自身の傷にかさぶたを作るように収まった。
インタビューで、質問者が卒業後はどうされますかとの問いに、
「就職して社会に出て、継続的に勤め、お金をもらう経験をしてみたい」と答えている。素敵です。