てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

わげもん~長崎通訳異聞~第2話:消えた漂流民1

2022年01月21日 | わげもん~長崎通訳異聞~

嘉永2年(1849)

ペリー来航4年前の長崎

通詞だった父親の失踪の謎を追って江戸からやって来た青年:伊嶋壮多(いじま そうた)永瀬廉 が、出島の前で出会ったオランダ語通詞:森山栄之助(もりやま えいのすけ)小池徹平 に話しかける。
父親の手掛かりを探すためだ。
彼の父親「周吾」という名を聞いた栄之助は、父親のことを知らないと答えるが・・・
2人の運命は、脱走した漂流民(漂着したアメリカ船ラゴダ号の乗組員のひとり)カイ(カリマ剛ケアリイオカラニ)をめぐり、ここ長崎で大きく動き出す。

唐人屋敷の門の前で

置屋「柳屋」に居候の男:神頭有右生(こうず ゆうせい)髙嶋政宏 にカイの父親の形見である帽子を渡し、カイは浜辺で行き倒れたことにして唐人屋敷に潜り込み、船主の中国人:劉(りゅう)の船で日本を離れる作戦を決行することにした 壮多、芸妓見習いの少女:トリ(都麗)久保田紗友、トリの友人、オランダ人を父に持つ青年:未章(みしょう)トラウデン都仁たち。

唐人屋敷は、交易で長崎を訪れた中国人たちが居留する地区である。
出島と同じく出入りが厳しく管理され、一般の日本人が立ち入ることは禁止されていた。

柳屋の売れっ妓芸者。豪胆で頼りになる、トリの姉貴分:季蝶(きちょう)木月あかり は、唐人屋敷の劉がひいきにしているため季蝶の供の者として、トリたちと一緒にカイと壮多が同行した。
そして、その後ろからは未章が物陰に控えている。

唐人との抜荷がばれた日本人が、獄門になったと。
門の前にある立札にトリが気づく。
「抜荷」即ち密貿易は、固く禁じられていた。

行くぞ。

オープニング

季蝶が門番の前に歩み出て、要件を伝える。

船主の劉さんに呼ばれております。

おぅ。門番が、木戸を開ける。)

季蝶やトリたち女性陣は鑑札もなく通り過ぎるが、その後ろをついてカイと壮多が行こうとすると、門番たちがそれを遮る。

わいたちゃ見覚えがなか、なんか持ち込もうとしとっとやなかとかぁ。
呼び止められたカイと壮多を、女性たちが振り返ってみている。
門番たちが、2人を怪しんでいると

はい、まいどまいどまいどまいどぉ

後ろから、未章が青物を満載したカゴを持って駆け込んでくる。
合計5人の男たちで、当然門の前は大渋滞。

未章:なんですかぁ~。

門番:おまえは、なんね。(怒)

未章:あぁ、今札ば見せますぅ。

門番:おぅ、見せてみぃ。

片足に大きい青物の籠を乗せ、一本足で立って札を見せる仕草をする未章。
すると、青物の籠が傾いて中に入っていたニンニクや野菜が転がり落ちる。

門番:大丈夫ね、荷をこぼしてぇ~。

大慌てで、門番をしていた男どもは未章の後ろに転がった野菜を未章と一緒に拾い出す。
その隙に壮多とカイは中に入ろうとするが、門番の一人に壮多が腕を掴まれてしまった。
カイは驚いたが、トリに手をひかれ門の中へ入いるよう促される。

未章は門番たちを引き付けようと、落とした野菜を買い取ってくれと交渉を始める。(ナイス未章)

カイは壮多を振り返り、お互いが目で合図をして別れを告げ、門の中へ入って行った。

唐人屋敷の座敷でごちそうを囲み、劉の二胡の演奏を聴く季蝶たち。
演奏が終わると拍手が鳴り、宴席は盛り上がっているようだ。
トリが後ろにカイを連れて座敷の廊下にやってきた。
神頭先生から
劉に神頭からの手紙を渡すと、その手紙を読みはじめる劉。
カイは少し心配そうにその様子を見ていた。

置屋 柳屋

神頭が居候する部屋から、少し離れたアヤカの部屋。
どうやら出産の近いらしく、オランダ人と日本人のハーフである、女医:えま- 浦浜アリサ が往診に来ていた。
母子ともに順調とのことで、女性たちの明るい笑い声が神頭のいるところまで聞こえてくる。
だが、その部屋の明るい様子とは違い、神頭は手紙を読んで何か重い決断をしたかのような表情をする。

カイの船は、無事出航したばい。

本当に。

劉さんから先生に知らせがあったと。

浜辺に座る壮多とトリ、その向こうの水辺には未章がいる。

あんた、これからどうするね。

さぁなぁ~。

父親ば探すとやなかとね。

手掛かりが尽きた。
俺もカイみたいに、どこかよそへ流れるのも・・・。

いかんばいっ!

驚いてトリを見つめる壮多。
トリは、自分でもなぜそんなことを言ったのかわからない。

柳屋の前で

置屋・柳屋を束ねる女将しず(紅壱子)を冷やかし、外出しようとする塩頭。
お姉さん方の手紙の代筆なのかと思ったが、どうやら路地に潜む男に用があったらしい。
その男とは・・・

壮多が橋の上でぶつかった国籍も職業もすべてが謎の男:吉次(きちじ)サンディー海 だった。

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浜辺で遊ぶトリと未章を眺めながら、壮多は塩頭に言われた言葉を思い出していた。

そうだ、どこへでも行ける。おまえなら、できる。

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そのとき、カイは唐人船に乗って海へ出ていた。
海に向かって、カイは叫ぶ。

イムンア・・・、イムンア~~~~ッ!

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I mua e na pokii 若者よ、前へ進もう

壮多にもその声が届いたように、同じ言葉を心の中でつぶやく。

桜町牢では

その時の長崎には、アメリカの捕鯨船から日本に漂着した漂流民が14名存在した。
ラゴダ号の乗組員13名、そして別の船から漂着し森山らに英語を教えていたラナルド・マクドナルド(木村昴)である。

ストレスにより牢で暴れるラゴダ号の乗組員たちを、英語でなだめる栄之助。

彼らの返還を求め、日本にやって来たアメリカ軍艦との交渉は続いていた。

停泊する軍艦に乗り込み交渉を続ける長崎奉行所の船掛:白井達之進(しらい たつのしん)宮川一朗太らと、それを通詞する栄之助。

当地にいるのは、14名ということか。

そうだ。

しかし、カイが脱走したことで13名となり、慌てる奉行所側。
長崎奉行井戸対馬守覚弘(いどつしまのかみさとひろ)石黒賢 に対し、家老:周田親政(すだ ちかまさ)武田鉄矢は

必ずや14名備え置きますからに。

そういって、カイの脱走を隠し続けているのだ。

長崎奉行所

牢ぬけした漂流民が見つかったときいて、驚く栄之助。
大通詞:大田崇善(おおた そうぜん)本田博太郎 からその言葉を聞き、安心した表情を見せる。
大通詞で蘭語通詞会所の長:杉原尚蔵(すぎはら しょうぞう)矢島健一 も同席しており、白井からも

奉行は、江戸からの返書を待つことなく対処するとご決断された。

はい。

すべて周田さまのご尽力のタマモノだ。
という杉原の言葉に、白井も喜びを隠せない。

周田:漂流民はまず、出島のオランダ商館に引き渡す。
然るのち、商館側からアメリカ軍艦へと乗船させる。
こうすれば日本が、アメリカの引き渡しの求めに直々応じたことにはならん。

その指示を聞いて、頭を下げる栄之助。
だが、周田の後ろには、どこかで見たことのある焼き物(蓋つきの壺)が飾られているのが目に入る。

本日は、ここまで

長崎の有名なお祭り「長崎くんち」。
代表的な出し物として「龍踊り」の画像がよく使われてますね。
今回、季蝶たちが訪れた唐人屋敷で、福建省出身者が練習していた雨乞いの踊りが
お祭りに取り入れられたとのお話を、当時配布されたリーフレットで読んだ記憶があります。
ちらっと出ないかなぁと思ったんですが、さすがに出てきませんでした。
「おくんち」の話をしだすと、長くなってしまいますので、本日はこのへんで。


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