うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

十一面観音。

2010-09-19 15:37:30 | 読書
白洲正子さんの十一面観音の奈良の旅。

十一面観音だけを追ったことってないけれど、そういうのもまた面白そう。

西国巡礼で観音様巡りは生涯のテーマではあるけれど。

観音菩薩って、文句なしに美しさというか、たおやかさというか、
ひきつけられるものがあります。

もちろん、ほかの仏像たちもどれも素晴らしいのですけれど…。

白洲さんは、日本仏教の起源である大和路での十一面観音をめぐることで、
古代の神の時代の流れを引き継ぐ、いわば観音様のルーツを探っているのです。

宇陀室生寺のほうでは、古くからの水の神につながる観音様…。

私も昨年~今年廻った、室生寺、大野寺、そして長谷寺を思い出しました。

あのあたりは本当に山深く、こもりくの初瀬…死者がいきつくところ、
そして室生川の川音ひびく室生寺や大野寺の水の神の信仰…。

平安仏教のはなやかさとか、末法思想のすがるような仏教とはまた違った、
もっと敬虔なものや力強さを感じます。

時代による仏像の表情などの違いも、最近はなんとなく分かるようになってきました。

実は、11月の奈良巡礼に向けて計画を立てている最中です。

もちろん特別公開文化財狙いなのですが。

いろいろ刺激される一冊でした。
コメント
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