久しぶりの司馬遼太郎さん。
「十一番目の志士」を読みました。
幕末長州藩で、高杉晋作にスカウトされて人斬りになった天堂晋助が主人公。
ある意味、池田屋事変とか禁門の変とか長州征伐とか、そういった事件を、
第三者的な目線でみているのが面白い。
同じ長州の人間なのに、特に幕末の長州は藩論が変化しているから、
いろんな立場の人がいるんだなぁと思って読みました。
そんな彼が高杉の人物に惚れこんだり、桂小五郎とお互いに京都をのがれようと
潜んだり、新撰組の土方歳三とやりあったり、坂本龍馬や勝海舟や小栗忠順と出会ったり。
なんか幕末の人物オンパレードで、司馬さんも楽しんで書いたんだろうなぁと思ってしまいました。
なんか、池波正太郎さんの「ある男」みたい。
あれは、架空の人物が伊庭八郎や、中村半次郎や、沖田総司と絡んでいて、
面白かった(^^)
特に映画版の「狼よ、落日を斬れ」が。
それにしてもこの小説、結末がなんともあっけからんとしていてよいです。
高杉さんは死んじゃうんですが、そのあとの晋助や、高杉の愛人のおうのが無理やり出家させられたり、
と、なんとも平和な感じでおわるのが面白かったです。
最後だけ、なんだかほのぼのなのでした。