今日は脱力系のネタにしようと思います。
脱力系と言っても結局はトゥバ共和国ネタになってしまいます。遊牧アディクト(addict)もここまで来ると静止が効かない🎪
先日の鉄音、NHK鉄道研究会 鉄旅音旅 出発進行!のラジオ番組で、ダーリンハニー 吉川正洋さんの持ち込み企画で踏切特集を聞いた。開かずの踏切(横浜市にあるJR東日本「花月園前踏切」と京急「鶴見第4踏切」が並んでる場所)→山手線で唯一現存する「第二中里踏切」→小田急の踏切の音→「打鐘式踏切の音」打鐘式とはゴングを打ち鳴らす音→東京メトロ銀座線の車庫に出入りする所にある踏切→伊予鉄道のダイヤモンドクロスの踏切→近鉄名古屋線 高田本山駅構内踏切 以上。
期待していた踏切の音は出て来なかった。
箱根登山鉄道の「彫刻の森駅」の昔の踏切音を期待していた🚞
これは、だいぶ変わった音の踏切であった。
現在はありきたりな踏切音に変わった。
NHKに音源ないんだろな?
吉川氏のリポートありきの回なので、無理である。箱根登山鉄道のネタは上がったが「牛乳屋踏切」という名前だけは取り沙汰された。
変わった音とは、踏切の音の常識を覆した音である。
音源を探しまくった。
やっとあった!!
衝撃的な音である。
源音は弦楽器🎻なのだろう。余韻が弦楽器くさい。
《源音: 救急車🚑の音は木管楽器(笛🪈)でピーポー、消防車🚒の音はファン(扇風機のようなもの)でウー》
現代の大多数の踏切音は、ゴングを打ち鳴らす音🔔を電子音処理(デジタル化)したもの。
このインパクトの強い踏切音はアナログだ。
これは14年前に投稿された動画。非常に懐かしい音である。この映像を残しておいてくれて、とても有難い。
打鐘式よりも更にレトロという事なのだろうか?どこか牧歌的でもある。
箱根登山鉄道の踏切音は昔、全てこの音だったという。箱根湯本駅から現代の音になったらしい。
源音は弦楽器🎻といってもバイオリンではなさそう。バイオリンの音色はもっと優しい。
このインパクトの強い踏切の楽器には金属的な「キーン」という音が入っている。鋭い音だ。洋楽のオーケストラでは使わない特殊な弦楽器である。エレキギター🎸とも違う。この音をデジタル化したらエレキギターのようになるのだろうか?
最近、またトゥバ音楽を聴いている。思い込みかも知れないが、トゥバの弦楽器で“イギル”というものがある。
トゥバ民族音楽では重要な役割を果たしている。イギルは、非常に音が大きい。楽器自体も大きい。個性の強い鋭い音を出す。そして主旋律を奏でる事が多い。馬のいななく声もこれで弾く事が多い。
同じように弓で弾くタイプのブーザンチュは、優しい音色で、比較的小ぶりでバイオリンに近い音色である。主旋律を奏でる事は少なく、バックサウンドなどで活躍する事が多い。
イギルは、変な音の踏切に非常に近いと感じる。トゥバ音楽ばっか聴いてるから思い込みかも知れないが、音の鋭さなどが似ている。
以下は完全なる妄想だ。
箱根登山鉄道がこの音を踏切に導入したのは、昭和の中でも古い時代だ。昭和レトロというよりも昭和ロマンに近い。
この鉄道は1919(大正8年)に開業した🚃
ある時、箱根登山鉄道の鉄道員の一人が珍しい弦楽器を手にした。
この弦楽器がこの鉄道員の手に渡る迄の経緯は、この鉄道員の友人がソ連を旅行したか、仕事でソ連に渡航したか、はっきりとは分からないがソ連の地方都市、クラスノヤルスクを訪問した。
彼は闇市のような所で、見た事がない弦楽器を市場のおっさんに売りつけられ、断り切れず買わされた。彼はわけも分からず日本に持って帰った。そしてそれを持って友人であるその鉄道員の家へ行く。
鉄道員は興味を示し、弓で弾いてみた。すると、驚くほどクソでかい音が鳴るのであった。鉄道員は面白がり、これをねだった。そして、お土産として頂くことが出来た。
鉄道員は会社の飲みの席にこの珍しい弦楽器を持って行く。弦楽器を弓で弾くと、緊迫感のある大きな音が店内に轟く。関係ない客がめちゃくちゃ驚く。
会社の偉いさんが冗談で「踏切の警報音にうってつけだ!」と端を発した。周囲は、この楽器の音を踏切にしようというノリになる。
踏切音をバイオリンで演奏するのはスギテツの発想だが、楽器音を踏切に転用したがるのは鉄道員の発想であった。
この弦楽器の踏切音転用案は通った。
そして、演奏者は楽器の持ち主ではなく、バイオリン経験のある者。ラジカセを使ってカセットテープ録音を試みる。
試行錯誤の末、目覚まし時計のアラーム、タイマーのようなリズムが踏切音として効果的と判断され、ラジカセに向かって録音。踏切の信号の上下するテンポに合わせて演奏した。2テイクでOKが出た。
そしてテープ録音した音源が、箱根登山鉄道の踏切音となる。
この偉大なる弦楽器は、トゥバの民族楽器、「イギル」である。
昭和は本当に良い時代だった。
ソ連まで行かなくとも、満州引揚者が日本に持ち帰った物かも知れないし、イギルではなく、別の民族の弦楽器なのかも知れない。
この踏切に、このようなエピソードがあったらめちゃめちゃ感慨深い。
遥かシベリアの大地から箱根路へ…..
箱根登山鉄道の踏切、シベリア トゥバにルーツ
踏切の音は旅情をそそる。異郷への郷愁をそそるのは、ここだけしかない。
イギルの金属的な「キーン」というエッセンスは、トゥバの荒涼とした世界を想起させる。
残念ながら現在、箱根登山鉄道からこの音は消えてしまった。代わりに、ありきたりのゴング音のデジタル化されたものになった。
非常に寂しい。
踏切の音がキッカケで、このトゥバ楽器が欲しくなってしまった。
この弦楽器で旋律を演奏するとこうなる
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