か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

計算尺

2013年03月07日 | 技術

一人め、佐野常民。

佐野常民(さのつねたみ)が日本赤十字社を創設したことはまえに書いた。近所で僕は生まれたので何度も何度も彼の生涯について親から聞かされた。要するに日本最大で最初のNGO、Japan Red Cross(JRC)をつくったのは佐賀の人ということだ。(日本赤十字社)

佐賀の人はもっと誇れと書いたが全く反応がなくがっくりした。反応のために書いているのではないといっても、これほど偉人が続出した県はなく戦後は逆に、まったくぱっとしない県も珍しい。お前たちはもう赤十字病院に行くな。

僕はいつも不思議に思う。なぜ佐賀に佐野は生まれたのか、知識はどこから得たのか。百姓に生れたら百姓で終わる。これ以外に選択肢は全くないと思えた。それに加えて極貧であった。


二人め、市村清。

市村清は佐賀県三養基郡北茂安村(現・みやき町)の農家市村豊吉の長男として生まれる。旧制佐賀中学校に通う。現佐賀西だ。彼は、養子に出されている。その貧困のため佐賀西を中退している。さぞや無念だったろう。

頭の出来が悪いのはそもそも競争心に欠ける。だから席次をつけ生徒の競争心をあおらないといけない。席次のない学校を保育園という。十分な向上心がありながら、頭以外の理由で退学するなんて。

貧しい国はこうして逸材を逃す。だが能力は貧困を凌駕する。佐賀市の中心に立つ不釣り合いな体育館兼展示会場は彼が寄付したものだ。あるときは盛田昭夫や大宅壮一、邱永漢が教えを請い市村学校と称された。

不幸や不運を必ず克服しているからだ。市村は運のない男だ。大学は中退、もちろん貧困のため。やっと入った銀行は倒産。いったんは勤めていた企業が分社化されのちのリコーの社長になる。だが無配に転落。しかし復活。

これが何ともない佐賀人はリコピーを使うな。リコーのカメラを捨てろ。



僕が無線の試験をうけたとき計算尺は必需品だった。もともと日本の計算尺はフランスの製品をコピーしたものだ。 逸見(へんみ)治郎が特許をとる。市村はこの計算尺を佐賀の竹を使い生産した。そしてここがすごいところだ。そのサルまねの代名詞、Made In Japanの計算尺を元祖フランスに輸出したのだ。精密で狂いがなく耐久性があった。アポロ13号の映画の中で計算尺を使うシーンがある。名称は逸見(へんみ)という。HEMMIと書かれていたので僕はずっと外国語と思っていた。



アポロ宇宙船自体佐賀のアポロ電子工業の協力がなかったら飛んでいない。世界の計算尺の70%はHEMMIだった。

佐賀の人はなぜこの誇らしいMade In Japanに胸を熱くしないのか。

Posted at 2013/02/17

 

 

 

 

 

 


ああ、バッテリー

2013年02月04日 | 技術

バッテリーのコマーシャルでちょっと誤解がありそうなのを見つけ、言いたくなった。

まず、機械というものはそうそう画期的なものというものは出ないの。世紀の発明や発見はそれこそ世紀の発明であり誰かがどこかで同じことをやり失敗し人生を棒に振っている。だからやるなという奴がいる。そういうのは仕組みを知らない機械音痴のたわごとで、その失敗こそが、絶望こそが科学をそっと後押ししてきた。

低脳に限って人の失敗をこよなく愛する。無上の喜びを示す。チョウセンメクラチビクロゴミムシダマシどもだ。

ただ自分の金もうけのために「世紀の発明」を利用しようとしたり、よく知らずに無辜の人間まで誤謬の中に引きずり込もうとするやつがいることは問題だ。

ニッカド電池は1970年に画期的な二次電池として登場した。多くの欠点があり社会的有効性を疑問視する人もいたがひとつづつ問題点を克服し今や積んでいないクルマはほとんどない。

ついにはバッテリーにそれを利用しようと商品化されたようだ。ポルシェなど一部の高級性能車を除き廉価なニッケル水素蓄電池が普及することはいいことだ。

ただ誤解を与える表現、宣伝する人自身の誤解、は商業のルールに反する。

うまく表が作れなくてすみません。各項の上段がリチュウムフェライトバッテリーで下段が鉛蓄電池です。転極がない、メモリー効果がない、内部抵抗が少ないなどの特性を持つ優れモノだが、お前らアホはこの程度のウソが嬉しいだろ、といった馬鹿にしたウソの内容が好かん。グラフは見やすくしろ。

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項目

Warrior

従来品
(鉛蓄電池)

備考


バッテリー
セルタイプ

LiFePO4

Lead-acid

BMSを搭載したリチウム系のバッテリーで、バッテリー自体が安定化電源であり巨大なキャパシターのような特性を持っています。
⇒カーオーディーにとってお勧めのバッテリー


軽量

1/3

従来品、約1/3の重量の軽量バッテリーです。
⇒10kg以上の軽量化可能


重量密度

250Wh/L

100Wh/L

従来品の約2.5倍の重量密度


自己放電率

5%/月 以下

10%/月 以下

従来品の約半部の低放電率


充放電回数

約2000回

約400回

寿命が従来品の約5倍の長寿命


充放電速度
(90%充電までの時間)

約30分

約8時間

充電効率が高いので最近の充電制御を用いた車輌に搭載すると充電時間が短くなるので燃費が向上します。


CCA
(性能ランクに対して)

約20倍

6~8倍

短時間では1000Aの電流を流すことが可能


出力電圧

13.2v

12v

出力電圧が安定するため車載電子機器の動作精度が上がるためエンジン性能がアップ


バッテリー上がり
防止機能

有り

無し

バッテリー残量が約20%でバッテリー機能をシャットダウン。(リセットボタンで再始動)




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「BMSを搭載したリチウム系のバッテリーで、バッテリー自体が安定化電源であり巨大なキャパシターのような特性を持っています。 」

「バッテリー自体が安定化電源であり」というのはバッテリーがコンデンサーの役割をするということだろうが、それは従来品となんの変りもない。キャパシタンスがなかったらそもそもバッテリーじゃない。


「自己放電率 10%/月 以下 」ということは鉛蓄電池は約半年ごとに充電していたわけだな。


「充電効率が高いので最近の充電制御を用いた車輌に搭載すると充電時間が短くなるので燃費が向上します。」大電流で充電できるということだろ。最近の充電制御は関係ない。ましてやなぜ燃費向上につながるのか、充電と燃費とよくもまあ結び付けるなあ。

「短時間では1000Aの電流を流すことが可能」いいですか、たかが車ですよ。1000アンペアもどうするの。50トン60トンある特急電車も1000アンペアは使いません。1トンかそこらのクルマにとって何の長所になるのかな。

「出力電圧が安定するため車載電子機器の動作精度が上がるためエンジン性能がアップ」おかしいな。電圧が1.2Vあがったら電子機器の精度が上がるんだな。

他にもあるけど書いても意味がない。こんなことで飯が食っていけるんだ。高校でいいから物理の授業をきちんと受けておくべきだった。売る方も買う方も。

何度も言うように学校の勉強が役立たないなんてことはけっしてない。そんな無駄をするため日本は8兆円もどぶに捨てているのではない。役立つほどの勉強をしなかったかそんな授業をする学校に行かなかったかだ。

日本を美化してはならない。この程度で生計を立て真贋の区別もつかず生きていくひとも多いのだ。


Posted at 2012/12/08

Faraday's law of induction

2013年01月27日 | 技術

高校の時の、あの忌まわしい物理の時間の再来はもうたくさんですね。最小限にとどめますから読みながら思い出してみてください。クルマに関係ないって?じゃあどうやって車のモーターの制御をするつもり?

新日鉄は渋い会社だ。いくら株を持っていてもカレンダーしかくれない。住金と合併しても株主優待のケチくささは同じだ。

ところでファラデーの電磁誘導の法則。磁石の強さは目に見えないから、かりに見えたとして線で描けると考えた。これを磁束線と言って、この数の変化によりコイルに誘導起電力(電気が流れようとする)が発生するという法則。

日本は江戸時代、寛政の改革のころ。近世、江戸時代まで、日本の科学は数学を除いてほとんど発達しなかった。やっぱりヨーロッパはすごい。Scienceという概念も知らず、電気の曲芸や数のお遊びに終始した東洋の小島と欧州の格差は認めざるを得ない。

ファラデーの電磁誘導の法則を利用して電圧の変圧を試みる必要性が出てきた。産業革命だ。何事も原理原則に近い機械ほど製造は困難だ。まわる、走る、止まる。こんな簡単なことはない。だが、だからこそ、その改良、効率化は死にもの狂いの努力の結晶となる。電圧の変圧をする機械をトランスという。100年前からその姿は変わっていないように見える。違う。最近のクルマのように意味もないところを変更して低脳に売りつける必要がないからだ。

このトランスのコアという部分にケイ素鋼板を使用することにより鉄損(変圧に際し熱エネルギーとして損失となる分)を大きく減らすことができることが分かった。僕はこのコアの一種、EIコアをバラしてよくラジオを作った。色の違うコアが5枚に一枚ぐらいありこれがケイ素鋼板だと習った記憶がある。今はケイ素を使わないので単に電磁鋼板という。

これが簡単にはいかないのだ。鋼塊を熱延冷延焼鈍にかけ微妙に繰り返し表面処理をする。気絶するほどのカット&トライだ。

ケチな新日鉄もこれにはカネを惜しまなかった。研究所は鉄に関しては最高だ。ということは世界最高なのだ。

日本は、POSCOという製鉄所を韓国に寄付した。日韓基本条約だ。当時の八幡製鉄(新日鉄住金)は全力でそれを支援した。

今回、POSCOは新日鉄から技術者を盗み出し、飲ませ食わせ抱かせして方向性電磁鋼板の技術を泥棒した。

親の財布からカネを盗む朝鮮人は、その泥棒行為を恥も外聞もなく正しいと言い張り今も繰り返している。

Posted at 2012/10/26

くまモンを水素・燃料電池自動車に詰め込んで

2013年01月27日 | 技術

「九州燃料電池自動車セミナー」にお招きいただき喜んで熊本グランメッセまで出かけた。

平日だったので多くないと思ったが、会場にはざっと200人ぐらいいた。本物の技術者と話すのは実に楽しい。彼らは自分の専門以外の知識理解が深く、かりに知らないことでも柔軟に吸収する能力にたけている。

ということは、今度は自分が相手に説明するときでも相手に合わせるということを知っている。

聞き手の興味関心学力能力知識を十分勘案しユーモアを忘れず話してくれる。それは、一定の事柄を説明するための、たとえの引き方によくあらわれる。相手の反応を窺いつつ話のレベルをいくらでも高くしまたいくらでも低俗にする。

経済産業省の出先の九州経済産業局とか本省の新エネルギー対策課から人が来ていたが案の定バカだった。僕もずっといたらこんなバカになったんだなあと思った。民主党は国の出先機関をなくすと言ったがだましたな。

何十か所もバカなところがあったが言いきれないので、一つだけ。

「水素社会が到来するととても便利なことがあります。既存のガソリンスタンドがそのまま貯蔵タンクとして利用できるのです。」

アホはこんなことを言ってまわって高い給料と出張旅費をとっている。900気圧の水素圧にペラペラのガソリンタンクが耐えるかどうか分からんのか。水素は気体だ。違うというならそこらの中学生に聞け。水素を詰めたガソリンスタンドでたばこを吸ってもらおうか。

Hondaの上席研究員の話はとても有意義に聞けた。木っ端役人が、今後はすべて水素で動く社会が来るとぶち上げたが、それはまだ早計だ。研究者の発言は冷静で保守的だった。そして内容は革命的だ。

僕が一番感心したのはV Flow FC Stackだ。電気を取り出す心臓だ。今日や明日のことさえ分かればいい人には退屈な話だろうが、そうして退屈するから未来に盲目になる。

水素と空気(酸素)を互いにジグザグに流し、それらと直交する方向に冷媒を通し冷却を図るシステムだ。なにもここで初めて披露された技術ではないが開発の苦労話が聞けて楽しかった。エネルギー変換は熱との戦いだ。水素を曲げて通してあえて空気の経路との間に隙間を作りそこに冷媒を流す。20%ぐらい能率が上がったようだ。

低級役人は日本の恥だが企業人は日本の誇りだ。

くまモンが来てデモカーに乗せようということになった。Hondaのクルマは小さい。くまモンは無理やり押し込められると手をバタバタしていた。パフォーマンスかあがいているのか分からない。僕は虐待と思った。

Posted at 2012/10/25

空想非科学小説の様な実話 原子力飛行機

2013年01月08日 | 技術

冷戦が絶頂に達したとき、米ソはならんでとんでもないものを作った。日本の反核反原発団体、原水禁はなぜ反対しなかったのかな。原子力飛行機

どうも頭の悪いのは本質でないところでケチをつけて一人前に反論した気でいるから気分が悪い。

この左巻きたちが議論の仕方も知らず屁理屈でいい気になるかと思えば、右翼、朝鮮、暴力団、は暴力恫喝テロでいい気になる。どちらも迷惑なノータリンどもだが、命があるだけ左巻きがいいかな。

左翼は言論に固執してはならぬ。駅前の一等地は暴力で朝鮮人に盗られた。警察もグルだった。警察は今でもヒルみたいに朝鮮人の血を吸っている。

オスプレイが落ちるだの、うるさいだのウソつけ、アホ。じゃあうるさくなかったら普天間に来ていいんだな。落ちなかったら普天間に行くぞ。沖縄国際大学に米軍ヘリが落ちたときアホ大学の学生はその意味が分からなかった。大学のだれも基地反対をしなかった。相当バカだな。議論すら起こらなかった。幼稚園以下の大学は認可を取り消せ。

普天間だの嘉手納だのは、ままごとなの。

飛行機の推進力にウラン型原子炉を動力源とするとどうしても重たい原子炉が必要になる。そこで米軍は溶融塩炉という考え方を利用して軽い原子炉を完成させた。米軍が無理してそこにこだわったのはその炉を飛行機に積んで直接外気を炉にぶち当ててその膨張力で飛ばそうという発想があった。

トリウム232に中性子をぶつけると(途中は複雑な壊変をおこす、そこは省略)U233ができそれを燃料にしようと考えた。それにしても飛行機には重たいので2次冷却を省略した。

いまごろになってやっとチンピラ御用学者とその亜流どもがこのトリウム溶融塩炉の有効性を唱えている。ばか。ウラン型原子炉が既に60年たってもうまくいかないのに、突然思い出したようにトリウム溶融塩炉ができるらしい。1960当時も実験も実証もなしにいきなりトリウム溶融塩炉飛行機を作った。

原始人にジャンボジェット機を飛ばせというに等しい。

案の定失敗して大勢の被爆者を生んでこの原子力飛行機は中止になった。米軍としては残念だった。本来安全な武器とはありえない。「矛盾」の示すことわざどおりだ。飛行機は落ちることを前提でつくられる。そのあと敵に軍事機密を渡さないとか、敵を近づけないとか、敵もろとも爆死するとか、することで最小の費用で最大の殺人ができるのだ。

米軍原子力爆撃機 X-6の乗務員は被爆した。しかしその数十倍の敵を殺していたかもしれない。ベトナム戦争には間に合っていた。熱帯雨林を死の灰で汚染しダイオキシンで汚染しその他化学兵器で汚染していたら戦争に勝てたのに。

撃墜しても空から原爆が降ってくる。

Posted at 2012/07/04

大牟田にこんな可愛い電車が走った

2013年01月07日 | 技術

著作権の関係で客車の画像を載せることができないが、それはもっとかわいい。遊園地の電車そのままだ。大牟田市は昔からバカだった。どうしてこんなに素晴らしいものがあるのになぜ観光に生かそうとしないのか。この鉄道は延長約15キロ。大牟田市をまあるく回って走る、ほぼ環状線だ。

しかもその路線は大牟田の産業遺跡を巡っている。三池炭鉱万田鉱跡は国の重要文化財だ。七浦鉱跡、旧三河電鉄変電所、宮原鉱跡、いずれも沿線にある素敵な煉瓦造りの大きな建物だ。コンサートをしたらどんなにいいだろう。トロッコみたいな電車に乗りレンガ造りの会場を巡りチェロを聞きつつビールを飲む。三池港で花火を見て引き込み線で鹿児島本線に合流する。こんなこと大牟田以外のどこでできるというんだ。

上記に書いていないがびっくりするほどの観光資源が沿線にはもっともっと眠っている。三池港閘門、港倶楽部、・・・

炭鉱が廃鉱になり無用の長物と化した鉄道を、三井は大牟田市に無償で寄付をすると言った。そこで大牟田市は三井になんと言ったか。「いりません」、ホントバカも極まったな。僕は大牟田市に住んでいなくて本当によかった。線路も列車も土地も込みで上げますと言ったのに、大牟田市がしたのはなんと固定資産税の減収の心配だった。

昔、一握りの市会議員、市長の思いつきでネーブルランドという遊園地を市営で始めた。全然面白くないところにだれが2500円も出して行くか。ばか。大牟田市はその後10年近くその負債の返済に苦しんだ。本当は大牟田市民が苦しんでいるのだが、市は市長の減給程度でごまかしてだれも責任をとらなかった。

きちんと経営感覚のある人を民間から呼べ。観光列車として鉱山鉄道が復活したらいやがおうにも儲かるぞ。この線路跡にそって観光資源がある。もう少し延伸すれば「グリーンランド」という大きな遊園地もある。九州最大だ。乗り降り自由の一日乗車券にすればいい。

もともとタダで運行していたものだ。公務員の片手間お遊びは必ず失敗する。隣の荒尾市も同様の愚を犯している。面白くない遊園地を作り負債のみが残った。

クルマが大牟田市に入ると嫌ーな「気」が立ち込めているのを感じる。ガサツで汚い。まず現状を認めよ。そしてかつての栄光を思え。市電を復活したら完全に環状線の成立だ。観光客に港倶楽部の上品さを見せつけろ。

かえすがえすも残念だ。廃線跡とはこうも人を悲しくするのか。

Posted at 2012/06/09
 
 
 
 
 

リニア跡地に太陽光発電所 宮崎で実験

2013年01月07日 | 技術

宮崎県都農(つの)町で、かつてリニアモーターカーの実験に使われた高架に太陽光発電パネルを並べた発電所が8日、本格稼働を始めた。大規模な太陽光発電施設の建設に向けた実証実験を行う。
2010年4月12日18時43分 朝日新聞

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場所がないんだな。大分みたいに倒産したゴルフ場跡地を利用するならともかく、線路に並べても絶対にうまくいかない。1メガ程度の発電に3900mを要した。あほ。発電された電気が家庭に届くころ、100ボルトを維持できるか見ものだ。宮崎県はホームラン級のバカだな。

まず、4キロもの長さに並べたとき、太陽電池の制御の困難さが起こる。パネルはなるべく円形に設置すべきだ。パネルの場所によって発電に差が出たとき逆流を防ぐためダイオードを入れている。完全均質とは行かないが、かりに円形であるときダイオードで失われる電力は比較的小さい。

なぜダイオードにこだわるかというと、熱エネルギーとしてのロスもあるが肝心なのは太陽光発電パネルが逆電圧に対してきわめて弱いということだ。パネルはLEDと全く同じ原理で動いている。

気が狂ったように縦に4キロも並べた場合、日が差すところとそうでないところはいろいろになる。あるところはかんかんに日がさしてガンガン発電するが雲にかかった所もある。そのパネルはダイオードにたより逆電圧に耐えるしかない。4キロもダイオードをならべるのか。ダイオードが降伏したらその抵抗は0になる。高価なパネルはあの世生きだ。

人の税金だと思ってバカなことはしなさんな。固定価格の買い取り制度に期待しようという姑息なことも考えているな。そんな制度を利用して、太陽光発電はこんなに採算がとれるようになりましたとか言いたいんだろう。宮崎にはバカしかいないと思っているな。そんなことで採算が取れても税金でカバーしているだけだから、タコが自分の足を食っているだけだろ。

太陽光発電自体には僕はどんどんカネを使って研究せよという立場だ。しかし、頭の悪い行政がうちもやってますよというために捨て金をしてカッコつけ、無駄な仕事を増やして一人前の顔をするのはやめてほしい。

九州電力よ、無責任な地方自治体程度のままごとに気をとられてはならぬ。PANASONICや九州大学との連携は進んでいるか。満身創痍の経営には愛想が尽きる。九州のエネルギーを支えてきた自負はどこへ行った。

Posted at 2012/06/02

国際リニアコライダー、「脊振誘致、九州一体で」

2012年12月29日 | 技術

国際リニアコライダー(ILC)誘致を目指す先端基礎科学次世代加速器研究会(顧問・古川康佐賀県知事、小川洋福岡県知事)の第7回研究会が26日、福岡市であった。候補地が脊振山地ということで佐賀、福岡両県で進めてきたが、新たに沖縄を含む九州・山口の7県7市町が会員として参加。「オール九州」で誘致に取り組んでいくことを確認した。
ILCは全長30キロ超のトンネルで電子と陽電子を衝突させ、宇宙誕生の謎を探る研究施設。各国が資金を出し合い、世界で1カ所建設予定で、国内では脊振山地と岩手県の北上山地が候補に挙がっている。古川知事は「実現すれば脊振地区に世界中から科学に関心がある人が集まってくる。みなさんと協力し、誘致を進めたい」と語った。
佐賀新聞1月27日
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ご存じの方も多いのですがちょっとおさらいから。

宇宙がビッグバン以降誕生したのだとすると、それ以前は空間もなかったことになる。真空もない世界は想像しにくいが、そこでは時を進めるものがないから時間もなくなる。この何もない世界に、ある「ゆらぎ」が生じたと考えるのが合理的だとされている。

今回この「ゆらぎ」の正体を探ろうというわけだ。「ゆらぎ」が起こった数百万分の一秒後、どっかーんとビッグバンが起こったようだ。ここで大きな疑問が起こる。ビッグバンのあとなぜ宇宙は偏ってしまったのか。つまり陽子は圧倒的に+に帯電しているが電子はその逆だ。「ゆらぎ」の時点では両者均等に存在したと考えるべきだ。であるならなぜ反陽子は世界を作れないでいるのか。反電子を与えると反物質ができるのか。

すべて、電子の性質がよく分かっていないから分からないのだ。サイクロトロンで原子核を崩壊させるのは簡単だ。しかし、電子は小さい。陽子(原子核)を地球にたとえると電子はピンポン玉ぐらいにしかならない。これ同士をぶつけて崩壊をおこさせ軌跡をたどるにはまだ数十年先の話だ。

学生たちは計算ばっかり気が狂ったようにして、ことの本質について本当に頭を使って考えようとしない。だが文系になると先生までお粗末がいる。

佐賀大の畑山は「震災復興や福祉などの課題が山積している。電力も必要で原発立地の理由づけか。」と述べた。

たしかにカネはかかる。一兆円。安いものだ。たった一兆円で電子の中身が分かるのだ。どれほど高速の半導体や素子ができることだろう。何よりも僕たちはものの本質に近づくことができる。かりに何も分からなくてもいい。科学とはそういうものだ。僕たち人類はあと何百万年も生きる。一兆円ごときをグダグダ言っちゃあいかん。

超光速ニュートリノは誤りだった。ヒッグス粒子にも誤りがある。じゃあやめとけばよかったのか。100の、1000の誤りなくして一の発見はない。役立つかどうかを気にするのも原始人のすることだ。たとえば、生きている意味は目には見えない。だから、あたかも生きる意味についての著作は無意味なようだ。とんでもない。ニーチェの言葉はそこらの料理本よりはるかに重要だ。

リニアコライダーをそこらの犬を食う原始人が建設できるか。だからわれらは責務があるのだ。佐賀大の畑山のように電気代を気にして世紀の実験はできない。


 

Posted at 2012/05/25

医師会はいいな、寄付、税金、他県からもお金もらって。

2012年12月23日 | 技術

「サガハイマット」重粒子線がん治療センターが来年春、新鳥栖駅の真ん前に開業する。ところが事業費をあまりにも楽天的に算出したもんだから、今になって出帆が危ぶまれている。

医者がきついのはよく分かる。僕のクラスの2/3は医者になった。友人はほとんど医者だ。しかし、どんなに忙しくとも根をあげた話は聞かない。ゼニ儲けに忙しいのだ。その証拠に忙しいからといって、医者をやめて看護師になろうというやつはいない。小金をためた医者という貧乏人は、カネがちらつくと気違いになって働くな。

いいクルーザー、いい別荘。みんな医者の所有だ。彼らは、医は仁術なんてさらさら思ってない。算術だ。彼らが関心あるのは、節税と横着な患者をどう切り抜けるかだけだ。

だからあんな下品なもの、場所がらもわきまえず駅の真ん前に建てるんだろう。「サガハイマット」僕らはそれを300万円で利用する。高度先進医療とか言うそうだ。貧乏人は死ねという機械だな。

公金と寄付で賄おうとした見込みの甘さに、お役人の親方日の丸体質がよく分かる。アホ九電は40億も寄付するのか。そんなことより株価をなんとかしろ。

「サガハイマット」金持ちたちが納税もそこそこに税金逃れにいい口実を見つけた。お前たちはもともと税金の負担が少なかったはずなのに。法人税が高いとか一人前の経営者になったつもりで言うやつがいるが、チンピラのくせにエラそうなことを言うな。寄付は利益を減らし最高の節税となる。

また、減税は景気を良くするとか言って反論のつもりになる能天気まで出てくる。ばか。今景気の話をしとるか。

下品極貧の無学の民がわざわざ自分の首を絞めるやつを応援するのだから、この国はどうもおかしい。

しかし、こういった倒錯した世界がいつまでも続くだろうか。僕のとーちゃんが風邪をひいたときお医者さんはスクーターに看護婦と二人乗りしてやってきたそうだ。そんなに昔ではない。1960ころだ。そのお医者はしきりに家のクルマを羨んで帰った。後日その医者がブルーバードを買った。わざわざ家に見せに来た。

医師会会長、武見太郎がカネにものを言わせて自民党を動かし保険制度を改悪し、医者の収入を確保した。医者はこの時とばかり保険診療点数制度にしがみついた。さらに自民党は医師に対する優遇税制で応えてやった。こうして無能な人間に安定的な高収入が保証された。こういうと必ず馬鹿が出てきてこの健康保険制度の確立により世界最高の社会保障制度ができたとか錯乱する。バカのくせに話をそらすな。

重粒子線、といってもたいしたことはしてないが興味があるのでこの話題についても書きたいと思う。

Posted at 2012/04/17

WOWWOWのスクランブル放送を解け

2012年12月19日 | 技術

僕にはアマチュア無線の世界を教えてくれた近所の爺さんがいた。もう10年ぐらい前に死んだが僕は師と仰いでいる。管球からトランジスタ、IC,モジュール何でも来いの天才で福岡の放送局の技術系重役だった。しかし、仕事が嫌いで僕の船によく乗りに来た。

たまに何かに熱中しているかと思うと、スクランブル放送の解読に腐心していた。放送局に勤めた人がただで有料放送を見たらまずいでしょうと言うと、むにゃむにゃと言葉を濁した。じつは彼はエロ放送のスクランブルを解こうとしていた。それは犯罪ですよというと、わしが学問するのに犯罪とはけしからん。と、一向に相手にしない。

当時80歳だ。彼のスケベを讃えよ。

僕は、この爺さんがやることには否定的な言葉を投げつつ、実は、僕もそれほど困難な話ではないと思っていた。アナログ時代だ。水平同期を一定の時間間隔で右に左にずらしてスクランブルだと称していたが、たいして込み入った乱数を発生させていたのではない。

それより困難だったのは音声だ。エロ映画には欠かせない音声だ。

爺さんはそれができぬまま死んだ。遺言で貴重な研究材料をいただいた。小屋がそれで一つつぶれたが放送局というのはなんとぜいたくな材料を使うのかと思った。アマチュアでは決して入手できないものばかりだった。このジャンクであと200年ぐらい遊べるな。

電動金魚、無線クルーザー・・・

とにかく工作好きの爺さんだった。その爺さんがなぜ暗号解読(スクランブル解除)にこだわったか。戦前、日本無線という会社は日産と結託して戦争遂行をはかる国策会社だった。現在、イーパブ、魚探、レーダーなどに日本無線(JRC)は他の追随を許さない。そのJRCの顧問だった爺さんは悔やみきれないことがあった。

彼は満州にいたが、本国のJRCに何度も警告した。しかし、この暗号は絶対解けないと威張りくさる軍人や外務省。一介の会社分際でなにをぬかすかという態度だ。たしかに陸軍暗号は解けなかった。それを持って日本の暗号の優秀さを主張するバカがいる。解読する価値もなかったのだ。ドイツの優れたエニグマ暗号機ですら解読されてノルマンディー上陸を早めてしまう。そのエニグマのへたくそコピーの日本の暗号機が米軍の手にかかると、なんと自動翻訳タイプ機を完成させてしまうほどなめられてしまう。

アメリカの数学のすごさを知る爺さんは日本の暗号機(パープル)がいかにおもちゃにすぎないか知っていた。耳を貸す政府も軍人もいなかった。

2012.5.12 追記
だれもが不可能だというスクランブル解読が、ある電波少年の執念によって可能になった。爺さんは全く不可能なことに挑戦していたわけではなかった。爺さん、あの世で存分にエロ番組見てください。

Posted at 2012/04/11

ねじ

2012年12月19日 | 技術

三井製作所からお誘いをうけ再び見学できることになった。とっても楽しみでワクワクしている。

前回の様子だが、大企業の工作機械とはとにかくでっかい。直径1メートルもある歯車を削っていたりする。消防ホースのようなところからオイルが流れ出ている。そのオイルの中でバイトは火花を散らしている。巨大な歯車とバイトはガリバーと小人のようだ。

そんななか一番出口の吹きっさらしに彼の旋盤はあった。10本、15本といった小さい単位での注文か彼のところには来る。しかもそのうち5本はインチで、とかいう注文だ。一台のミリ用旋盤でどうやって削るのかと思った。

5~6ピッチ進むとまた戻ってピッチを変えてまた進んだ。あまり進むとインチとの誤差が大きくなるので5~6ピッチで止め、最初の位置に戻り1~2ピッチ先からさっきと同様なことを始めついにはミリ旋盤でインチを切った。この工場にはこういう芸当ができるのは彼と他に数人しかいない。

いまどきインチの旋盤を購入するとしたら天文学的金額になる。彼は何も言わない。飲んで愚痴をたれることもない。会社は彼を利用している。

一度聞いたことがある。「韓国に行きませんか。」韓国は旋盤工の腕のいいのをかなりの高給で迎えている。現にほかの工場だが行っている人がいる。

ミリの旋盤でインチを切る。

彼はもっとすごいことをした。直径10センチの球体をX軸方向のハンドルとY軸方向のハンドルだけでバイトを動かし切りだしたのだ。誤差は2グラムだ。金属の誤差が2グラムというのはどれほど微量と思うか。

僕はまた聞いた。韓国に行けばおそらく彼の収入は5倍になる。住居は福岡の最高のマンション程度だ。とにかく学ぼうと目を輝かしている学習意欲の高いのがごまんといる。「韓国に行きませんか。」

彼は答えなかった。

僕は失礼なことをしたようだ。爪の間に入り込んだ油はとれにくい。髪は切りこで焦げてしまう。鉄の焼けるにおい。油のにおい。砂塵がいりこみ雪がいりこむ。社長は一度も来ない。そこに40年。

だれが教えるともなく体得した技術。軽々に人に渡せるはずはなかった。

Posted at 2012/04/07

はばたくな!はやぶさ2!

2012年12月19日 | 技術

子供の線香花火にも劣る「はやぶさ」のお粗末ロケットの話と、JAXA自体が持つ官僚浪費無責任天下りセクト主義体質について述べたいと思う。

はやぶさの帰還は実に感動的なものだ。僕にはまるで日の丸を掲げて帰ってくるように見えた。しかし内実は、当時まだ性能が安定していなかったイオンロケットを無理に搭載し案の定失敗したものにすぎない。「イトカワ」の石を持ちかえったと言ってもほとんど嘘。何ミクロンかのモノが何個かあっても、常識的に石とは言わない。それは埃です。みんなが宇宙ゴミになったと思っていたものを偶然発見して誘導したことが快挙ですか。じゃあ、道で一万円偶然拾ったら快挙ですね。

「はやぶさ」は三軸のリアクションホイールを持っている。たいしたことはないただのジャイロだ。コマともいえる。回転する物体は軸を一定に保とうとするのでその性質を利用した。さっそくその3軸のうち2軸が故障する。

早い話がフライホイールで姿勢を微調整しようとしたがそれに失敗すると、帰還用エネルギーを使い12基あったスラスタ(エンジン)で体制を規定の姿勢にしようとする。しかしそんなおおざっぱなエンジンでは微妙な制御が不可能になる。当然に着陸制御はできない。メインのイオンエンジンが4機のうち1機故障する。コマンドミスにより姿勢が狂う。さらにコマンドミスによりハヤブサとイトカワの距離が狂う。強還元液ヒドラジンの漏れ。さらには交信途絶と続く。メイドインジャパンも落ちたもんだ。満身創痍とはこのことだ。

地上では、その後「はやぶさ」からかすかな電波を感知しても太陽電池の能力低下、さらにはリチュームの過放電という模型飛行機でも起こさないミスをおこし電波の受信が不可能になる。ふたたび追い打ちをかけるようにメインの別のイオンエンジンが停止する。

こうなるともはやロケットとはいえない。宇宙ゴミだ。3000億円を毎年宇宙に捨てている。

ありとあらゆる失敗、設計ミス、コマンドミス、そのコマンドの入力ミス、ロケットの製造ミス、ジャイロの製造ミス、そのミスや事故に対応する体制の欠如。

そのようなままごとロケット遊びすらまともにできなかったのはJAXAのお役所体質にある。意味もない膨大な自画自賛の報告書がある。

たわけ。何を言うか。失敗したくせに。6重も7重も失敗が重なっているぞ。素人だましの映画を作り予算をとろうと思っただろうがそうはいくか。

さらにはJAXAの体質自体に問題がある。反対する者の首を切り国鉄を分割民営化し中曽根に認められいただいた椅子がJAXAの初代理事という椅子だ。そうだろ、山之内秀一郎。その次にはロケットのことは何も知らないdocomoの社長が来た。そうだろ、立川啓二。こういうのに高い給料を払っておいて、何がお恵みくださいだ。国民をバカにしている。

日本のロケットは一番コストが高い。三千億のカネを1600人が使っている。2.1億/人。民間企業でもないのにどうして自家用機を持っているのか。いち早く種子島に飛ぶのか。一回飛べば数100万円も飛んでしまうぞ。

ポイントはJAXAが三つの組織の集合体であるということだ。形式上、一つになったとはいえそれぞれにプライドがあり連絡が取れてない、あるいは人の失敗を見越してわざと連絡をとらない。さあ、docomoの社長、なんとかしてみろよ。

(一部の文章は以前のブログから引用しました)

Posted at 2012/04/04

バート・マンロー The world fastest Indian

2012年12月15日 | 技術

NZ(ニュージーランド)の南島はまるでスコットランドのようだ。田舎だ。佐賀県より。寒さに耐え町から遠くはなれて農地を耕す。

しかも彼らは他人が自分の領域に入ることを極端にいやがる。彼らにとっては国家すら自らに対峙するものと考える。自分を助けてくれるものではないのだ。彼らは相当に困らないと、いや相当に困ってもPityという言葉をきわめて唾棄すべきものと考えている。

NZの南島にある老人が住んでいた。62歳。バイク好きの変人は村民からうとまれていた。気絶するようなエンジン音を立て、火事をおこし、汚い小屋は村の外観を乱す。

しかしここがNZが大人である点だ。僕はラグビーやアメリカスカップでNZと縁がある。チームプレイとなると絶妙に気が合った動作を見せる。人口わずか数百万人のNZがアメリカを打ち負かす。なかなか痛快だ。しかし今日はたった一人の老人にフォーカスを当てる。

日本と違いほっといてくれる国だ。社会福祉の国ではない。じっとしているしか能のないバカはそのまま死になさい、という国だ。

その代わり好きなことをさせてくれる。

彼は順風満帆の人生だったのではない。オーストラリアに渡るが1929年だ。世界大恐慌は彼さえも容赦しない。失意のうちにNZに帰国するしかない。子供は死ぬ。女房は出ていく。経済的に困窮する。

彼のバイク(車名インディアン)に対する情熱はいささかも色あせることはなかったが、日本の美談と違うのは彼は科学的根拠を持って事にあたったということ。やみくもにバイクを走らせてついに世界記録を出しましたというのが日本人は好きだ。頭を使わないからだ。

僕はそんなの全然興味ない。バカが痙攣おこしてバイクに乗っただけだ。

彼には科学的合金の理論とカット&トライがあった。でなければ2ストを4ストに改良できるはずない。

アメリカのボンネビルに向かい、世界記録に挑戦する大会に出た。彼はもう67歳になっていた。いいか、日本の枯れ葉マークたちよ。お前たちは映画館でごそごそ騒いで100円寿司で女房に威張ることしか知らんだろうが。生きている大脳細胞があるか。

アメリカ人ですら嘲笑する中、彼のインディアンは世界最速になった。その記録はいまだに破られていない。

305.8k/h(750cc)

Posted at 2012/03/20

機械は単純になって完成形になる。

2012年12月15日 | 技術

その昔、三井三池炭鉱の切り羽(最先端の採掘現場)まで行ったことがある。サンダーバード2号みたいな機械が石炭を切り出していた。つるはしで石炭を掘り出していると思っている人が多いがそんな姿は戦前ですらない。

人の身長もある歯車、うちの風呂場より大きいモーターのたくましい動きに魅了された。そこに到達するにはエレベーターと電車を乗り継いで2時間以上かかった。有明海の海底からさらに300メートルも下だ。今はない。操業をやめ「切り羽」は海に沈んで久しい。

えらい人に会うので家の一番大きいクルマで行ったのだが、帰りにクルマに乗るときは地底のサンダーバードと比べるととてもチャチくて情けなかった。

男の職場だ。若いころ出会いたかった。三井三池炭鉱。

で、最近のクルマの話をこの後にするのはとても意地わるそうだ。しかしそんなことはない。基本工具から始める。

工具とかねじとか単純な形をしているモノは要注意だ。長年の試行錯誤のうえに落ち着いた形というものは信じられないほどの工夫が詰まっている。メガネレンチの角度は少し上を向いている。これが絶妙だ。たった数度の傾きを得るために払った代価は大きい。涙ぐましい努力の果てにあの角度は決まった。

工具を使うようなことはしない人が多いので述べても無駄だ。まれに旧車時代からの生き残りには大いに賛同していただけると思う。モンキやスパナはなぜ傾いてボルトをつかむのか。

ねじ一本締めることはできなくてもマルチリンクサスとかには詳しい人が多い。じつはねじを締めるというのは難しいのだ。いちいちトルクレンチは使えない。手に覚えてもらうほかない。

そういう僕もマルチリンクサスにあこがれて190Eを買った。一本のワイパーで四角に拭くのも気に入った。FRだったのでいわゆるチャッちく作るわけにはいかない。ダブルウィッシュボーンが消えゆく中で当時は意地でもマルチリンクサスにしてやると思った。マルチリンクサスといってもロッドを増やしただけのウィッシュボーンだが180キロ/時までは素直に吹きあがったし車体に不安感はなかった。2.6リッタあったのでもっと出ただろうが罰金が怖かった。

じつはそのわずか一本のロッドがタイヤと路面の関係を絶妙にコントロールしていたのだ。

ひるがえって小型車のはやり,リヤビーム式だ。グリコのおまけのように左右のタイヤはつながれ単純この上ない。あとはばねとショックだけ。いったいこれ以上はずせるものはあるだろうかと思えるほど必要最小限だ。またトレーリングアームの短いこと。ただタイヤをはめ込むだけに延ばされたようなアーム。

ところがこのビーム、捻じれているのだ。このぐにゃぐにゃがあたかも独立懸架のような効果を生んでいる。ブッシュはタイヤを揺らして接地性を確保できるようにビックリするぐらい大型なものが付いている。

つまり、無駄をそぎ落として基本性能を追求するという精神を持ちつづければ、カット&トライを繰り返すうちモノは単純化するのだ。それはそのモノの完成形に近づいていると言える。けっして複雑になって喜ぶようなバカになってはならぬ。

Posted at 2012/03/19

回生ブレーキと佐賀県

2012年12月15日 | 技術

アメリカ人で佐賀県を知っている人が何人いるだろう。ま、統計的にはゼロだな。日本人ですら知らない人がいるかもしれない。

広大に広がった「さがびより」の稲穂の波は、ここに第二次産業が育っていることを信じ難しくしている。それほど日本人は魯鈍でNASAは優れていたと言えるのだ。

ご存じアポロ計画の初期、日本の片隅で炭素皮膜固定抵抗器を作る会社があった。まさに基本中の基本の電子部品で汎用性の高い普通の部品だ。なんてことはない抵抗が「さがびより」の稲穂のかげで生産されていた。佐賀県の人もそのことを知る人は皆無であるしまた知る必要もなかった。

さきほどNASAは優れていると書いたのは、この会社の優秀性を見逃さなかったからだ。NASAからしたらなんと遠いところにある芥子粒のような会社であることか。しかしNASAは見つけた。

その会社の製品の不良品がほとんどゼロであること、納期が必ず守られていること、ASのためには利益を度外視して完璧に職務を果たすこと、いまではあたりまえになったが当時日本人はほとんどだれも知らなかった Philanthropy(フィランソロピー)すなはち企業による社会貢献活動につとめていたこと、などをNASAは評価したのだ。とくにフィランソロピーなどというとそこらのインチキ会社のチンピラが「あか」の仕業だと青筋を立てて発狂した時代だ。

相手がどんなに小さく日本の果てにある零細企業でもNASAという本物は本物を選んだ。この会社の製品はアポロに積載された。それを機に社名を変えアポロ電子工業とした。

僕は社員の生き生きとした誇りに満ちた顔が浮かぶ。その後この会社はタンタルコンデンサーなどを作った。漏れ電流の少ないこのコンデンサーはICなどと置き換えることはできない場合が多い。しかも製造過程においてCRTを見ながらキーボードでつくるウエハーと違い職人的技なしにはつくれない。

ダイオードの変わり種、ツェーナーダイオードも作っていた。LEDばかりがやたら有名になったが、工業的重要性から見るとLEDなどなくてもいいモノだ。

将来は決して明るくないが中国人に負けないでほしい。ICやLSIの周辺部に多様な電子機器がなくなることはない。今やほとんどすべての電子部品を作っている。会社は福岡県やフィリッピンに移っている。新しくなった会社をまた見てみたい。

ところで話はまた佐賀の「さがびより」の稲穂の中に戻る。また全く別の会社から電動バイクの回生ブレーキ付きのものを作ったので見に来ないかと言われ行った。

ちょっとそれが酷かった。削り端の処理はなされていない。あやうくケガするところだった。ハンドルを切るとギイギイ音がしてハーネスにストレスがかかっていることが分かる。こりゃ工業高校の文化祭の余興だな。

僕が一番悲しかったのはバイクのボディが中国製だったことだ。日本もダメになったな。中国のコピーをしようとしている。しかもそれに失敗している。バカにもほどがある。貴重な会社のカネを使わなくてもこんな子供自転車にモータつけるぐらいだれでもできる。

バカは回生ブレーキを自慢していた。そういう段階じゃなかろうが。効果はと聞いたら、データー上現れませんでした、といった。だったらはずせよ。

製品がボロで腹が立っただけではない。それは小さい問題だ。覇気がない。従業員に覇気がない。佐賀の電気バイクが日本をいや世界を席巻するんだという気概を見せろ。

佐賀県にはアポロ電子工業みたいな優れた会社が掃いて捨てるほどある。

Posted at 2012/03/17