か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

Embracing Defeat(『敗北を抱きしめて』) John W. Dower(ダワー)

2015年09月21日 | 国際・政治

 国家秘密保全法をご記憶か。去年の今頃僕は必死の思いで有名人とアポをとり、ソウル緊急電として伝えた。それは徒労に終わった。しかも、われらが必要な情報に接しようとするとき、もはや以前のように簡単には入手できなくなっている。

防衛省の戦史研究所は元同僚の肉親が勤めているので比較的簡単に戦史関係書類に接することが出来た。

共産党あたりはこう考えるだろう。どうせ自民党の圧力のもと自民党の意向に沿った人間が捏造して、帝国に都合のいい歴史を編纂しているんじゃないか。

とんでもない。僕が接した戦史の中ではもっとも正確で確固たる歴史的視点があるものだった。その最後のよりどころも防衛族の圧力には抗しがたいのだろう。だんだん個人情報を根拠に細かい部隊の配置を知らせなくなった。

安倍は「知らしむべからず。(国民には重要な情報を与えない)」、これを昨年度においてまず完成させた。

十年宰相のつもりでいい気になっている安倍の長期計画を見抜かねばならぬ。70年前の、帝国陸軍のデタラメな采配によってどう人が死んだかを明らかにすることは、戦争に行く自衛隊にとっても必要なことだ。決して個人情報ではない。集団自殺作戦情報だ。

馬鹿は矛盾した反論をする。つまり、戦争に行こうとしているのではないから戦争の記録は必要ない、自衛隊は戦争をするところではない・・・。では、魚釣島に上陸作戦はしないんだな。(尖閣と書きたかったが自衛隊のパンフに魚釣とあった。)

上陸作戦は人民解放軍の占領後に行われる。ノルマンジーだな。言葉遊びをしているうちに数千の若者が死ぬ。

(敗北を抱きしめて)

ダワーについて。押し付け憲法論についてはからけんは大きな反対論を持つが、ここでは譲って一旦押し付け論に立つ。で、ダワーは言う。制定時にアメリカからの押し付けがあったとしても、その後日本は70年の間に幾度も憲法改正のチャンスがあったではないか。

アメリカはそのたびに改憲を阻止してきたのではない。改憲はいつでも出来たのにアメリカの押し付けというのは当たらない。

今回、安保諸立法の完成で朝鮮有事の際に派兵が可能となった。安倍はその気がないといっているが、法的に可能であり安倍の変心でいつでも可能となるわけだ。

ところが一兵たりとも朝鮮半島に上陸したら、人民解放軍、ロシア軍の介入に格好の口実を与える。なぜなら彼らは北鮮を真ん中に中、露は鉄と血の紐帯で結ばれているからだ。朝鮮動乱の歴史を見よ。さらに上陸したが最後、韓国軍はもはや自衛隊の味方ではない。憎き日本帝国主義の再上陸だ。最優先の敵だ。

もちろんここまで、自国の自由意志で参戦するのではなく、アメリカの顔色を伺い集団安保の陰にかくれ遠慮がちに邦人救出に米艦を護衛するつもりか。

戦争中に日本人を大洋フェリーのように運んでくれる米軍なんてありえない。

ここでダワーは右翼の矛盾を突く。アメリカの言いなり小僧がナショナリストか。専守防衛こそ国家主義ではないか。

 

 

 

 

 


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