けいた と おちぇの親方日記

わんこと暮らす、のんびり日記

小説「生まれる森」(島本理生著)

2019-03-13 18:00:06 | 書籍(小説)
島本理生さんの「生まれる森」という小説を読んだ。

島本さんは
昨年「ファーストラヴ」で直木賞を受賞されるなど、
著名な女流作家であるが、読むのは初めて。

個人的に好きな文体で、内容も良かった。




「自分が他人を幸せにできるなんて発想は、
 そもそも行き過ぎなのかもしれない。
 幸せにしたいと思うことは、
 おそらく相手にとっても救いになる。
 けれど、幸せにできるはずだと確信するのは
 傲慢だと思う。」


「昨日よりは今日、今日よりは明日、
 日々、野田ちゃんは成長して生きている。
 それに私もお兄ちゃんもいるし、
 親だって健在でしょう。だから大丈夫だよ。
 なにも心配することなんてないよ。
 それにね、残酷かもしれないけど、
 野田ちゃんにとってもサイトウさんにとっても、
 二人の関係はもうすでに終わってるんだよ。
 それは変えられない事実だよ。
 痛みは後遺症みたいなもので、
 時の流れが勝手に癒してくれるはずだよ。」

「自分ではそうしたつもりだったけど、
 ケジメをつけたのか、突き放したのか、
 今でもよく分からない」



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする