2022年に読んだ本の話の続き。
今日は、昨年初めて読んで好きになった藤岡陽子さんの小説「金の角持つ子どもたち」。
藤岡さんの作品は、これが2作目。
サッカーに夢中であった小学生が、
トレセンに選ばれなかったことをきっかけに
中学受験を決意。目指すは最難関校。
おそらく筑波大附属駒場中学(作中は別名)。
裕福ではない家庭、勉強をしてこなかった過去、自分なりに努力したのち結果が出たときの喜び、結果が出なかったときの悔しさなど、
共感できるところの多い作品であった。
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私はいまも思っている。
どうしてあの時、私の両親は『自分たちのことはいいから』って言ってくれなかったのかなって。
自分たちの暮らしより娘の未来を考えてくれなかったのかなって、そう思っているの。
考えろ。限界まで脳みそを使え。
頭から金の角が生えてくるまで考えろ。
限界まで頑張れば、
見たことのない景色に出合うことができる。
努力することの確実さを、小学生の頃に肌で覚えてほしい。
勉強は努力を学ぶのに一番適した分野だ。学力は人生を裏切らない。
到達点はもちろん人それぞれ違うものだが、
勉強に関していえば、努力をすれば必ず結果がついてくる。
勉強は、これといって取り柄のない子どもの拠り所になるんだ。
親から受け継いだ、社会での立ち位置を覆せる。
子どもたちには「勉強をするのは、
大人になって働く時のためだ」と答えている。
難問に出合った時に逃げ出さずに粘る力。どうすれば解決するのかと思考する力。情報を読み取る力。
ひたすら地道な反復練習や暗記。勉強で身につく力は、仕事をしていく上で必ず役に立つ。
決してずば抜けた頭脳になれといっているのではない。努力ごできる人間であってほしい。
たいていの人は、大人になると働かなくてはいけない。外で働くだけではなく家庭や育児、介護といった家の中での仕事もあるだろう。
仕事をもった時、勉強で身につけたあらゆる力は自分の助けになってくれる。人生を支えてくれる。
真剣に勉強をやり込んでいる子どもほど不安げな顔をする。自分に足りないものが見えてくるからだ。
逆にそこまで達していない子どもは、案外平気な顔をしている。
飛び込む水の深さを知っているか知らないか、その違いだろう。
おまえのようになりたくてもなれない人が、世の中にはたくさんいる。いろいろな理由で不本意な生き方しかできない人が、驚くほどてくさんいるんだ。
おれは、美乃里のその恵まれた能力を、自分だけのものにせず、多くの人にわけてあげてほしい。
賢くて他人を思いやれる優しい人。
できなかったことが、できるようになる。知らなかったことを知る。それだけで子どもの顔は眩しくくらいに輝くのだ。
知らなければ、知ればいい。できなければ、できるようになるまでやるんだ。それを努力というんだ。
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今回のおまけ。
のびのびと眠るたまこ。
場所を変えて、少ししっかりと寝るたまこ。
晩ごはんのあと、私たちが寝るまで、
再び、のびのびと眠るたまこ。
仮眠のはずが本寝に。
のびのび眠れることはいいことだよ。
仮眠のはずが本寝に。
のびのび眠れることはいいことだよ。
おしまい。