鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

市民アカデミー2016前期第1回目

2016年04月18日 00時00分01秒 | 日記

平成28年4月15日

 

 平成28年度の前期が始まった。今回は前年度後期と同じテーマを受講申請した。2コースを受講することにした。定員が決まっているため、申込みが定員をオーバーすると抽選になるそうであったが、幸い2コースとも受講できるようになった。コースは、映像メディア「懐かしの名作を語る」と大学連携「生活の中に生きている先端科学」である。前者は12回、後者は5回である。会場は前回と同じ武蔵小杉にある川崎市生涯学習プラザである。コースによっては、高津市民館、ミューザ川崎、麻生市民館、中原市民館等が利用される。

 

 講座開始前に、主催の認定NPO法人かわさき市民アカデミーから組織の紹介と今年度の講座の特徴について森田女史から話があった。認定法人格を昨年の12月に取得できたこと、社会的公共性が求められていて、地域に合った活動を企画したとのことであった。地域連携、企業連携、大学連携、教育委員会との連携を行ったそうである。また、認定されたことによって市民や企業からの寄付を受けやすくなったようだ。事務局のボランティア古田女史から説明があり、参加人数65名、資料代金、緊急連絡事項等説明があった。

 

 今回の講師は元NHKエグゼクティブプロデューサー河本哲也氏であった。3回連続での登板で、映像の世紀に携わったとのことである。このエピソード等を話す予定とされた。初回は、20世紀の幕開けである。1995年に放映され、既に20数年前に業務に携わっている。

 

 古くから情報伝達の手段は静止画と文書のみで、動画、動く画像が誕生したのは100年前ということで、人類の歴史からすれば極めて、そう古い歴史を持っているとはいえない。ここ100年で、高度の映像テクニック向上は、背景に人類の飽き易さがあるといえる。動画の初期はふとした思い付きによって、ルミエール兄弟がスクリーンに映写し、エジソンが試みた個人向けのアニメーションとは異なった重要な発見をしている。それは大衆が一堂に会し見ることができるというものであった。

 

 記録として登場したのは第一次大戦であり、それ以前は、富裕者の道楽であったようで、一般化したのは相当後のことである。長尺フィルムが登場し、静止画の連続を残像によって動きを発見したのが動画であるが、機械式に歯車に食い込むための送り穴があったことを知る人は少なくなった。この他にも多くのエピソード等を話されたが、専門すぎるきらいがあったため、割愛する。


市民アカデミー15後期最終回

2016年02月02日 00時00分01秒 | 日記

平成28年1月29日

 

 映像・メディアコースの最終回が本日、武蔵小杉の生涯学習プラザで行われた。午後からは悪天候が予想されていたためか、10月30日に予定されていた講座がキャンセルとなったことも影響してか、出席者は1~2割少ない状況であった。講義は、鈴木肇先生、シルクロードのイスタンブールから最終目的地イタリアローマへと続く旅であった。

 

 イスタンブールはアジアとヨーロッパを結ぶ地点で1453年に、オスマントルコが制圧し、現在もトルコに属しているが、古くはローマ帝国の首都でもあり、コンスタンチノープルと呼ばれていたところで、ボスポラス海峡に挟まれた場所である。セントソフィア寺院はローマ帝国時代に建てられたキリスト教の寺院であるが、イスラム教に変わっている。講師の話によれば、IS(イスラム国)が破壊しない理由が、あまりにも立派であり、歴史を持った建物であるから、影響力が強く手を出せないのではないかとのことであった。

 

 余談であったが、甘利通産大臣の辞任に触れ、一週刊誌の記事が大臣の辞職に追い込むご時世は、マスコミの力を過少視するべきではなく、昔勤務した社会部での行動の一端に触れ、当時、若気の至りで、我が国の武器製造についてのドキュメントが放映されたときに、斉藤邦吉官房長からのお叱りを受けたとの話があった。やはり情報を扱うにはそれなりの精査の必要性と影響の大切さを学んだとのことであった。言いたかったことは、すでに時効と前置きして、情報の取り扱いには現職大臣の失脚にもつながることの影響力の重大さを述べられたようである。

 

 映像を見る限りにおいて、バザール等の異国情緒ある映像は、歴史の一端を示すことになるが、1000年もの時の経過は、民族同士の戦いと融和との歴史であり、トルコ国民がシルクロード取材班に対して示した友好的な対応は、明治に入ってから和歌山県沖で遭難したトルコの友好使節団を救ったことが影響しており、更には、日本がロシアのバルチック艦隊との日露戦争に勝利したことがあるようで、トルコ国民が我が国に対する歴史を国民の意識の中にあることに感激したそうである。

 

 今回のコースは知らなかった世界を解説付きで過去に放映された映像とともに講座として12回も聴講することができた。毎回のテーマの取り上げ方も総じて良かったと思う。今年の企画は、4月以降の開講で、海のシルクロードということなのでぜひ参加したいと思っている。


市民アカデェミー15後期第11回目

2016年01月16日 00時00分01秒 | 日記

映像・メディアコース平成28年1月15日

 

 今日は小正月、成人の日が前倒しとなり、11日になったため、正月気分も一掃され、普段の金曜日に戻った感じがする。講座の会場は開始前の静寂の中、新年の挨拶を交わす声が響いていた。高齢者ゆえの律義な風景である。今年はあと2回が計画されていて、事務局からの挨拶があり、2016年度前期のプログラムの紹介があった。全般的に受講者が増えているようで、企画する側にとっては、企画冥利に尽きるということである。

 

 申し込み受け付けは既に始まっていて、2月の19日(金)までとなっている。講座の定員が満たない場合には3月31日まで追加募集が行われる。申し込みは18歳以上あれば市外の方でも参加することができる。川崎市民アカデミーのキーワードでホームページからでもよい。開設講座は53講座である。それぞれの講座は定員があり、応募者が多数で定員を上回れば抽選となる。先着順ではない。費用についても講座ごとに異なっている。

 

 今回の講座はプロジェクトX「極寒・南極越冬隊の奇跡」とのテーマで、NHK札幌放送局チーフプロデューサー金濱理卯(ただしげ)氏による講義であった。放映のあったビデオを見ながらの解説である。南極観測船しらせの出港から帰港までの航海を通じて、越冬隊が当初予定がなく途中で急遽決まったエピソードや観測技術が伴わないどちらかといえば研究者でなかった方が、選抜されて南極に1年近くを住み、研究を手掛けたということであった。研究テーマは決まっていたわけではなく、11名がそれぞれ興味がわいたことについて研究したようで、現在では考えられないことである。

 

 今回の講座では、内輪話にも触れられ、吐露した話もあった。実際は内々に進められた当初からの越冬計画があったようで、物語風に仕立てられた構成とは異なる見解は興味を引いた。中でも、南極に置き去りにされた、二頭の犬については南極物語等で有名になったが、食料が尽きれば最終的には処分されるという話は身に詰まされる思いで聞いた。当初の計画では安全を考慮されていて、基地建設が済めば全員(50数名)が帰国するはずであり、2年目に研究集団が行くこととなっていたが、隊長からの極秘計画であったとのことであった。

 

 国を挙げて行ったことであったが、当初計画が途中で変更になり、基地建設員が越冬隊に変わったことは、当時、許されたことに意外性を感じ、死者を出さず、結果として成功したことが唯一命令違反を塗り替える出来事になる。無謀で、納得のいかない感じを持った。


新年会放談

2016年01月13日 00時00分01秒 | 日記

平成28年1月11日 

 新年の祝辞を述べに昨年の末に計画後持ち上がった。中学時代の恩師宅への訪問である。中学卒業後何度かお伺いしたご自宅である。総勢5名であった。ご自宅は戸越銀座という場所で、仲間とは途中ピックアップしながら、午後2時の訪問時間に間に合った。戸越銀座は池上線の駅で、今まで、ほとんど利用していなかったが、自宅からは30~40分の乗車であった。今回のメンバーの中に逗子に自宅がある者もいて、久しぶりに合う仲間で、何かの折りには顔を合わす仲間であり、気心は良く知っている。ご自宅で83才となる恩師が出迎えてくれた。

 

 先生の奥様はここ数年ご両親の介護で体調を崩されていたようであるが、今回はお元気な様子で安心した。応接間に通され、新年の挨拶を行い、それぞれの息災をお祝いした。ほとんどが年金暮らしであるが、未だ現職で教師を続けている者が1名いた。やはり仕事を続けていることは端から見て若さを保っているように見えた。先生のご趣味は野鳥撮影で、最近近くの公園で撮ったカワセミの写真をご披露してくれた。

 

 参加者の近況が述べられ、中学時代のエピソードや先生の転勤時のご苦労話に話が盛り上がり、予定していた時間を大幅に過ぎてしまい、再会の約束をしてお宅を離れ、訪問した仲間と自由が丘で会食をすることとなった。成人の日でもあり、和服姿の新成人に出会ったが、にぎやかな場所である。同級生の近況が話されたが、他界した者、大病をし、療養中の者、成功して活躍している者の話は、日頃耳にしない話で、新鮮な情報であった。

 

 同級生は直ぐに昔に戻ることが出来る。しかし、それぞれの身に降りかかった経験は、決して同じではなく、考え方の違いもあからさまになり、男女の考え方の違いもよく分かるものであった。女性の参加者と別れ、二次会は溝ノ口の居酒屋となり、全く気の置けない話となる。特に今回キャンセルのあった仲間の消息が話題となり、仲間の連帯心を深めるものであったが、人生の生き方を酒の力を借りてのはなしである。生き方の選択は中学時代と変わらないし、人間歳を重ねても本質は変わらないことも確認できた。

 

 置かれた立場は違うのは当然で、異なることがお互いの尊重に繋がり、放談はストレスの発散かも知れない。それを受け入れる心の深さに感謝するとともに、近くにいることだけで幸せに感じたひとときであった。歳月の流れは止めようもないが、いつまでも良い関係を続けたい思いである。


市民アカデミー15後期映像・メディア10回目

2015年12月19日 00時00分01秒 | 日記

平成27年12月18日

  第10回目である。プロジェクトX「エベレストの熱き1400日間」と題して、NHKマネジングプロデューサー小原美和氏であった。多くの番組を企画されていて、生活ほっとモーニング、シリーズ日本のガン医療を問う、ハートネットTV(福祉番組)等を手がけていて、その番組紹介があった。プロジェクトXでは、既に187本が収録され、放映してきたが、女性の話は僅かに4本ということで、今回のテーマはその内の1本である。女性をテーマとした番組は、男女雇用機会均等法、女子ソフトボールチーム銀メダル、宝塚歌劇団の復活物語である。

 

 エベレストの熱き1400日間放映後の反響について触れられた。山岳家田部井淳子氏がエベレスト8848メートルの高さに女性だけのグループで世界初登頂されたことには驚きを持って捉えたれた。夢を持つこと、それを実現するために果敢に挑む姿を見て、男女の差はないとし、人として感銘を受けたとの印象が多かった。また、男性側の意見として、共感を得た、登坂計画の企画、資金集め、組織の統率、目標達成に向けて実行する姿は仕事面と大変類似しているとのことであった。さらには、10名の仲間全員の登頂が夢であったが、途中、高山病や、シェルパの都合、雪崩の遭遇等の難局を乗り切り、リスクを避けて1名であっても登頂に成功したことへの賞賛が集まったとのことであった。

 

 撮影班など協力者がどれだけいたのかという質問ではサポートするシェルパ、ベースキャンプまで50名はいたとの話で、撮影はカメラマン2名だけであったようである。費用については企業からの寄付や大学山岳部の負担などが得られずに、全体で4000万円を要した。ほとんどはグループメンバーの手出しで、最低150万円ほどを個人負担したようである。

 

 後日、この番組のフォローアップが行われ、女性だけのグループによる世界初の快挙はその後も高く評価されていた。番組では様々な苦労話が披露された。家庭を持つ主婦や仕事を持っていることによる企業側の厳しい目があり、そのことが強く表現されていた。家族の協力の上に成功したわけであるが、ある種の男社会からの脱却が見え隠れするドキュメントでもあった。そのように感じるのは、企画者の本音が織り込まれた結果であろう。時として、強烈なアピールとなることもあり、視聴者への誘導的な考え方を強制する場合もあるとの印象を受けた。ノンフィクションは脚色され易いため、注意が必要であろう。


市民アカデェミー15後期映像・メディア第8回目

2015年12月05日 00時00分01秒 | 日記

平成27年12月4日

  林勝彦氏による講座3回目で、「天才と狂気は紙一重~無意識と創造性」というテーマであった。副題として、天才と狂気は紙一重といわれる。何故か?古い脳と新しい脳、A10神経を通して神秘に迫るである。NHKサイエンススペシャルのVTRを上映しながら、講義が行われた。VTRの内容は、養老孟司氏と樹木希林氏の出演で、脳内の視床下部付近にある視床が外からの情報をスクリーニングして、情報用をコントロールしているが、幻覚作用を及ぼすシロシベというキノコやLSD等は、シロシンという物質で、セロトニンという物質に構造が似ているため、レセプター(受容体)を活性化させる働きをする。

 

 レセプターが増大すると、視床の働きが低下するといわれ、低下することで情報のコントロールが効かなくなる。クスリによらなくても、イタコ(巫女であり、霊能者)や天才といわれる人々がいるが、何らかの方法、例えば、極度の身体の酷使、マラソンランナーのような持久力の限界体験、行者のような修験導者等に見られる脳内麻薬といわれるドーパミンが多量に放出される状況でも視床での情報コントロールの麻痺が起きる。

 

 情報コントロールが効かなくなると、幻覚を起こし、古い記憶が再現される。イタコなどはこの状況を作り出し、心霊的な治療に利用しているとのことであった。天才といわれる画家の中には深層心理を絵画で表現する。例えばムンクの叫びや、岡本太郎の芸術は爆発であるといったような幻覚に近い状況がキャンバスに再現されることを指しているようであった。

 

 催眠術も一種の無意識の世界を作り出した物で、催眠療法といわれる深層心理を治療に利用している。新しい脳の他に、古い脳が持つ様々な記憶は、通常の状態では呼び起こされたりはしないが、特殊な環境になれば誰しも再現可能なのである。今回の講義のポイントは、脳の安定化装置が機能しないときに古い記憶が呼び起こされたり、天才と呼ばれる行動が起きることがあり、一方では正常と異なる常軌を逸したことにもつながるとのことであった。

 

 林講師の言葉で、総括を示すと、人間はどこからきてどこへ行くのか、脳が戦争を生み、環境破壊を生んだ。一方で、地球の美しさと危うさを外から見てしまった私たちは、惑星生命の行く末までを心配する。人類の未来は「脳」そのものにかかっている。


市民アカデェミー15後期映像・メディア第7回

2015年11月28日 00時00分01秒 | 日記

平成27年11月27日

 林講師による2回目の講義で、NHKスペシャル番組脳と心の継続で、テーマは「秘められた復元力~発達と再生」であった。ビデオの上映を行いながら、ポイントとなる部分については、講師から具体的な事例と突っ込んだ話が行われた。内容は、植物人間や脳死寸前の患者が鬼籍の生還を果たす場合がある。その秘密を脳科学で探るものであった。

 

 脳死についての質問があった。我が国の脳死に限っていえば、脳死と判定されれば、これは生還することはない、しかし判定基準は国によって異なるため、外国の例では生還した者もいる。外国の判定基準を見ないと何ともいえないとのことであった。我が国の脳死判定基準は厳しいものである。

 

 ただし、事故等で、脳が損傷した場合、直ちに体温を冷やすことによって脳の構成する細胞の死滅を防止することが出来る。その理由は脳に送られる血液が不足すると脳が酸欠状態となり、細胞が死滅する。低温に保つと脳細胞が不活性化するため死滅を遅らせることが出来る。ちなみに、体重の2%が血液であるが、脳はそのうちの20%を必要としているそうである。

 

 脳の損傷が軽度であれば、死滅した細胞を体内機能によって再生される興味深い事例が紹介された。脳梗塞や、様々な機能不全では、死滅した細胞を免疫細胞であるマクロファージが取り除き、これでだめならB細胞、T細胞によって取り除き、空いた場所に新たな脳のネットワークが構築される。脳は右脳と左脳とがあるが、どちらか一方を切除しても、片側の脳だけで、時間は掛かるが、脳機能を再生することが出来る。

 

 そのメカニズムについても解説があった。多くの動物実験でも立証されていて、古い脳(脳幹)が出す電気信号と類似する物理的な処理によって、体内物質であるノルアドレナリンによる放出が、脳のニューロン(神経細胞)及び軸索(経路をつなぐ触手)を正しく構築しているとのことであった。

 

 私論と断った上での話であったが、左脳と右脳及び脳幹とのバランスを欠いた若者が増えていることに関し、感情を司る脳幹周りの大脳辺縁系の鍛え方が悪いことで起こるという。大脳辺縁系が果たす役割は大変興味深い話であった。最近の脳科学の進歩は著しいものがあり、脳障害を決して諦めないことが大切であるという結論であった。


市民アカデェミー15後期第6回

2015年11月21日 00時00分01秒 | 日記

 映像・メディアコースの第6回を受講した。前回の養老孟司講師のNHKビデオ、脳と心の進化に関連する内容で、同ビデオの制作統括であった林勝彦氏が3回にわたってコースを担当する。最初に事務局から講師の紹介があった。林氏は1943年生まれで東京都出身、慶応大学卒業後NHKに入社し、300本以上のビデオ制作に携わった。内容は幅広く、科学・医学・サイエンス映像関連である。著作も手がけられているとのことであった。

 

 ビデオ映像は講義で使われるが、最近は著作権や放映権が正しく要請されている時代であり、プロデューサーは問題ないとのことで、グレーゾーンだそうである。制作の手順はテーマに対しての情報収集から始まり、大枠を決める。ビデオはドキュメンタリーであっても、ストーリーが大切で、簡単に言えば起承転結である。中でも展開する部分が難しいといっていた。今回のテーマである、人生をつむぐ臓器「記憶」はサイエンスヒューマンドキュメンタリーで、人間を絡むドキュメントで、且つ、科学的見地から表現したものであった。

 

 番組で既に放映されたものを再現し、区切りごとに、講師の解説を行う形式で講義は進められた。企画構成によって、難しい科学番組ではなく、今回は記憶障害者であるが、特殊な才能を発揮する人間を抽出し才能の発揮を通じて、脳の記憶分野をわかりやすい形にした内容である。ケースとして外国人3人が登場するが、いずれも異なる分野での高い才能を発揮する。取り上げられた2人は年代ごとの日付と曜日を総て記憶していたし、音楽分野で一度楽曲を聴くと総て再現できるという特殊能力であった。他の一人は、青年期に突然脳腫瘍となり、脳梗塞で古い記憶だけが残り、今話した言葉も直ぐに忘れるという記憶障害者であった。

 

 樹木希林女史と養老氏が登場して、脳の記憶とは何か、どこでどのようにして記憶されるのかを解明し、紹介している。若干アニメーションと両氏の行動は現実離れがして良いとはいえないが、視聴者に印象づけるのには十分すぎる脚色なのであろう。プロデューサーの立場からすれば、視聴率を稼ぐことへの必要性があると思われるが、苦しい台所事情なのであろうか、お笑いタレントを噛ます企画が多いと思われるのもそのあたりが影響しているのかも知れない。

 

 講師の経験からする脳の活性化のポイントは、①記憶が分かる一定の関連づけによるブロック化、キーワード付け②繰り返し考え、経験することによる記憶回数の増大化、③脳の活性化のための適度な運動と栄養及び会話、接触等人間活動を続けることだと喝破していた。


市民アカデェミー第4回大学連携

2015年11月19日 00時00分01秒 | 日記

平成27年11月17日

  巨大システムのマネジメントとリスクとのテーマであったが、前回の取り残した課題から始まった。ゲームの理論は奥が深く、一見常識と思える課題に対して、実は前提条件が変わることによって、答えの導き出す方法が異なるという。ヤギ問題についての解説があった。この問題は、確率の話で、3人の囚人と同様なジレンマの話でもあり、解答が分かれ、現在でも論議が続いているようである。

 

 引き続いて、12枚の硬貨中贋金1枚を見つける方法についての解説があった。前提条件は贋金は本物と重さが違い、重いか軽いかは分からない。上皿天秤のみを使い何回で贋金を見つけられるかという問題である。解答は、贋金のある場所と軽重は24通り、天秤測定1回の結果は3通り、天秤2回の結果は9通り、天秤3回の結果は27通りあるので、3回で十分な情報が得られる。では、1回目の測定で何個づつ天秤に乗せればよいか?答えは、天秤で測定されたグループと測定されなかったグループの不確かさ(情報量)が同じとなるようにする。すなわち4個づつ載せればよい。

 

 次の話題はリスクについてであった。リスクとは、予想される損害に発生確率をかけたもので、統計論で使われる「期待値」のことである。ビジネスやプロジェクトなどの総ての試みには必ずリスクを伴うので、利益とリスクは同じ土俵で起きる。国際標準(ISO)では、「目的達成に対する不確定性の影響」と定義されている。

 

 図示できればよいのであるが、意志決定プロセスにおいて時間との関係で達成目標に至る過程ではイベントの途中でリスクが発生し、場合によっては目的達成を阻むのでイベントの影響を皆無にすればよい。とはいえ、皆無が難しいので、リスクがどこまで許容できるか、さらにはリスクの重大性の評価によって、頻度との尺度(確立)で考える。許容できるかどうかは、失敗の頻度(極めて低い、低い、中程度、高い)の高低と影響の重大性(軽微、重大、致命的、破局的)をマトリックスにして適応する。

 

 ISOの定義によれば、リスクマネジメントは、リスク分析の結果リスクが許容できるレベルかどうかを決定することとされている。情報セキュリティとリスクの問題がマイナンバー等で、発生してきているが、暗号化の技術と相まって、最近では相当高度な認証方法へと発展し続けている。現在のセキュリティでは数学の素数を利用しているようである。


市民アカデェミー15後期第5回目

2015年11月14日 00時00分01秒 | 日記

  前回は突然の休講となったが、本日その理由が明らかとなった。講師の失念で、ダブルブッキングであったようで、本人からのお詫びの挨拶があった。講座の最後に補講を行うことで参加者からの了解が得られた。70代であろうが、そのようなことも起こるのだと勝手に納得したが、重大な事故等に遭遇しなくて良かったと思う。予定は未定といわれるが、他山の石として、自分も気を付けなければならない。

 

 本日の講義は、脳科学の専門で、多くの出版物も出している養老孟司先生の講義であった。テーマは「脳と心の進化を語る」であった。始めに事務局から略歴について紹介があった。現在は京都の漫画館の館長をされている。20年前に講義で武蔵小杉の生涯学習センターに来られていたとのことであった。1937年に鎌倉で生まれ、東京大学を卒業されている。

 

 人間の脳についての働きについて、他の動物と異なる点として社会脳という概念から話が進められた。特徴は、繋がり、心を読む、調和することをいう。人は集団の中で生きるため、脳が発達したといわれる。人間以外の動物が、それらの特徴を持っていない。

 意識は感覚がなせる技で、生きているという感覚は脳が持つ感覚であり、脳がだめになると意識もなくなる。また、同じであるという概念は、人間だけに備わっていて、動物から見れば、人間をそれぞれ異なる物体として認識するだけで、そのために臭覚や視覚を発達させたようである。人間は集団の構成員を同じ人として捉えることが出来る。もっとも顕著な例はお金が等価交換できるという考え方である。

 

 情報は、時間が経っても変わらない物をいい、人間は7年間で総ての細胞が新しく変わるため、別人となっているが、同じ人間として取り扱うこともあるが、日々変わると見るのが正しいようである。

 

 主体、自分らしさなど等を強調する時代となったが、欧米からの押しつけであり、宗教観が根本にあり、日本人も変わりつつある。幼い頃から主体性を植え付けられた欧米人と、同じという概念が薄まり、自己認識を強くしてきているが、本来人間が持つ調和は自己主張を抑える働きであるため、逆行していると捉えられていた。

 

 脳の働きについてはよく分からない世界でもあり、講師の視点を整理してもう少し深く考えてみたい。


市民アカデェミー15後期3回目

2015年11月12日 00時00分01秒 | 日記

平成27年11月10日

 

 大学連携最先端科学の知られざる自然科学史とエピソードの3回目である。当番に当たっていたため、早めに自宅を出た。小雨の続く天気であったが、気温は高く、晩秋とは思えない気温であった。本日のテーマは確率と統計である。情報の不確かさと現代の不安ということで、サイコロ、カード、等を題材に演習も含まれていた。

 

 生活の場面で多くの事象に確率や統計から導かれた推計が用いられている。しかしながら、どれだけ理解をして使われているのかは、はなはだ疑問であるとの宇宙物理学にも造詣が深く、慶応大学教授からの発言である。

 

 始めに降水確率に触れられた。10%と90%との違いは分かるが、30%と40%の違いは明確ではない。地震学会は余地をあきらめているが、地震学会の警戒レベルの違いは何なのか。アンケートの無作為抽出によるアンケート結果や回答率が本当に信用できるか。ロケットの打ち上げ成功は95%といわれるが、実際の打ち上げ量が少なく、だからといって、確率で捉えて良いのか。平均余命のバラツキ精度が僅かであっても個人的な幸福感を味わうことができるか等の事例を上げて解説された。

 

 根底にある法則は、「大数の法則」と「中心極限定理」であり、サンプルは多い方がよいということと、サンプルの集合結果の分散は正規分布(ガウス分布)になることが証明されている。よく例に示されるサイコロを振って出る目数の統計を取ると出る目の確率は1/6となることである。これは一様分布で、100個のサイコロを投げて出た目の数を足すとその和は100から600の間に釣り鐘型の正規分布となる。

 

 しかしながらコンピュータで分析の結果云々などの表示は怪しいものが多く、信用することは出来ない。統計的な数値と自分自身に降りかかることとは全く別次元のものであることを肝に銘じていただきたいということであった。確率理論はニュートン力学ほど確かではないとのことである。

 

 正規分布は偏差値などとして教育関係で用いられてきた。しかし少子化の影響や、学力差が二極化するなど正規分布をベースにすることの限界もあることを指摘されていた。コンピュータソフトでは乱数発生の機能が組み込まれている。これはガウス分布と同様一般的に使われている。本当にランダムであるかはしっかりと検証する必要がある。具体的な事例に従って、12枚の硬貨中の偽金の見つけ方や山羊問題等の演習を行った。


歯石除去

2015年11月05日 00時00分01秒 | 日記

 平成27年11月4日

 奥歯が歯槽膿漏で先週抜歯した。上あごはここも以前抜歯し、入れ歯を入れている。食事の時だけに使っていたが、忘れることも多くなり、しばらくは入れ歯を使用しない期間が長かった。そのせいもあって、下あごの奥歯が伸びすぎ、かみ合わせが悪くなった。歯の欠損が始まると次から次へと抜歯した両隣の歯が悪くなる。抜歯した部分はへこんでいるが、いずれは肉が盛り上がる。歯科医は入れ歯をしていないことをレントゲンも撮らずに見抜いていた。さすが歯科医と感心したが、次々と抜かざるを得ない歯があることは、歯磨きの励行だけでは完治しない。

 

 親からもらった歯を大切に使いたい気持ちはあるが、次回は下あご部分の入れ歯の型取りである。今でも上あごの入れ歯を入れると、舌がもつれ、うまく発音できないこともあるため、上下入れ歯になればさぞかし不自由になると思っている。今日は残っている歯の歯石を取ってもらった。しばらく取っていなかったため、歯科技工士は苦労していた。

 

 塗装では鉄部のさびをスケールといい、さび落とし用の工具に、スケロという物を使う。塗装では素地調整が大切で、鉄は酸化皮膜を持っていて、参加した鉄さびを落とすのは力作業である。さびが浸透している場合には、サンダーがけを行い金属の光沢面を出す。このまま放置するとすぐにさびが発生するため、脱脂後リン酸塩溶液を塗布して、リン酸鉄の薄い皮膜を作る。化成皮膜処理と呼んでいる。

 

 歯石の除去も似たような物である。歯石の成分はよく分からないが、唾液の中に含まれている物質か、歯垢がたまって石のように固着しているのか不明であるが、これを完全に取り除くのは結構大変である。ルーターのような器具を使うが、まずは歯についたぬめりの除去であった。これは特殊な歯磨きであり、歯ブラシをかける。次に鈎状の工具で人力で歯垢を取り除き、次にルーターで歯石を取り除いた。研磨剤を付けて平らにして磨きを行う。以上がステップである。この間何度か口を濯ぐようにいわれた。ルーターを使うときは研削を行うときに熱を発生するため、冷やすのと、水洗を兼ねている。口の奥に排水がたまるので、吸引してくれるが、鼻からの呼吸では苦しくなる。

 

 ルーターは歯に穴をあけるのではないため、痛みはないが、歯石を取り除くと過敏になるのか水がしみる。歯が着物を脱いだような状態になるからかもしれない。歯の裏に当たる舌の感覚も良くなり、本日の診療を終えた。


市民アカデミーのハプニング

2015年10月31日 00時00分01秒 | 日記

平成27年10月30日

 今日は市民アカデミー別コース第4回目の講義日であった。当番であったため、自宅を出る時間は30分ほど早く、途中で軽食を食べて会場へ向かった。すでに別の当番の人が受付で待機していた。当番は5名であった。自分は受付を済ませ、前回、前々回の資料を欠席した受講者へ配る役割であった。講義開始後5分前には受付を終わり、晴天であったためか、講義室はほぼ満席に近かった。講義時間になっても講師は姿を見せず、ボランティアの進行役からの話で、講師との連絡は取れず、ご自宅へ電話した結果、奥様からは時間通りに自宅を出たそうで、もう少し待つこととしたいとの連絡であった。

 

 しばらくして受講者が待っていることを気遣ってか、生涯学習センターの事務局長からの経過説明があり、講師の到着まで、次回講師である養老孟司氏がNHKで収録したビデオ(NHKスペシャル)を見ることになった。題名は忘れたが、内容は脳と深層心理であった。30分経過後進行役から再度連絡があり、本日の講義は休講にすることとし、後日補講を行う旨の話であった。また、本日講義後に予定されていた、講師を囲む会も中止と相成った。

 

 自分は、普段このようなことは今まで経験したことがなかったので、どのような対応をとるのか興味があったが、代替えの講師は短時間に見つけることも難しい状況の中、休講を選択したのはよい判断だと思ったが、講師がどのような状況であるのかその情報がないままでの状況で、休講になったことはどうも納得がいかなかった。たとえ、事故に遭われたとしても、何らかの手段で事務局等への連絡は取れそうであるが、物理的に電車の遅れもなかったようだし、推測ではあるが、特別事態が発生したとしか思えない。

 

 ハプニングである。いずれ時間が経過すればどのような状況であったかはっきりすると思う。しかし、現代の世の中で連絡が取れない状況が果たして起こりえるのであろうか、考えられることは、心神喪失状態か、重大事故に巻き込まれたか等を推測するが、埒が明かない。健康な人でも誰であろうとも、全く平常であるとはいえず、一寸先は闇であり、何事が起きても不思議ではないことは確かなことである。冷静に考えると、何があったか別段影響はないが、ただ、連絡が不可能ということだけを考えれば、講師失格であろう。

 

 一人の講師の行動が、受講者への許容できる範囲の理由が立てば別であるが、本日の状況の進展がない状態では、無責任極まる状況となっているのは事実であり、再度の講師登用・依頼の道は閉ざされると見るのが普通と思われる。人の行動は何気ない状況でも、まして、講師という要職についていれば、多くの人の行動に影響している立場となっていることを肝に銘じなければならないはずであるが。


市民アカデミー15後期別コース3回目

2015年10月25日 00時00分01秒 | 日記

平成27年10月23日

 映像メディアコースの3回目であり、鈴木肇講師所用のため、代わりにシルクロード研究者で古代楽器復元を手がける劉 宏軍講師が任に当たった。現在は日本に帰化し、麦島文夫と名乗っている。1946年大連生まれであり、日本語は上手であるが、発音や助詞の聞き取りが出来ない場面も多くあり、講師はなれていないようであった。

 

 シルクロードが文化面でも機能した時代には、楽器も同様で、多くは現存している物は中国にはほとんどなく、我が国伝えられた物が現在まで当時の現物となっているようであった。その意味においては、宮中での雅楽や正倉院の御物が研究対象としていると話されていた。中国にはないのは文化大革命がそれらの破壊を行ったためといわれるが、中央アジアの古代遺跡に彫刻や絵画が残っていて、そこから類推して復元に当たったそうである。

 

 我が国にもたらされた物は、貢品(みつぎひん)として天皇や寺院へ寄贈された物であり、東大寺等古くからある寺院にも大切に保管されている。講師の弁を借りれば、シルクロードが舞台となった楽舞は世界文化遺産であり、後世へ残すための努力は大変重要であるとのことであった。今回の講義には、講師が復元された多くの古代楽器を持参されていて、当時の楽譜から曲の復元まで行っている。メロディなども現地での舞踊曲を多数録音されて、聞かせてくれた。

 

 旋律は使っている楽器が、雅楽に利用されている、笙、シチリキ、横笛、琵琶、太鼓等であり、リズムも明るい物から、もの悲しい物、壮大で、威厳に満ちている物等多彩であった。古代楽器のハープ(クゴといっていた)が、古代バビロニアから生まれ、4000年以前であり、壮大な歴史が刻まれている。宗教とのドッキングや、当時の為政者の婚礼や、宴会等で行われていただろう歌舞音曲にこれほどまでの長い歴史があることが分かった貴重な話であった。

 

 雅楽は8世紀に大陸から渡来した音楽である。その源流は古代中国まで遡る。伝来以来、日本固有の神楽等も加わって宮廷を中心に貴族たちの間で行われたが、鎌倉時代以降は華やかさを失い、宮廷内や興福寺、四天王寺等で限られた寺院で命脈を保っている。

 

 世界遺産を巡る旅や、中央アジアに点在する遺跡類を見物する旅行の機会はなかったが、この講義で興味の範囲が広がったようである。


市民アカデミー15後期第2回目(大学連携)

2015年10月21日 00時00分01秒 | 日記

平成27年10月20日

  本日の市民アカデミー第2回目の狼教授の講義は、「最先端化学の知られざる自然科学史とエピソード」であった。前回の予定では、函館戦争後の榎本武陽や勝海舟の話となっていたが、それは次回となり、和算の話と、鎖国時代の情報収集であった。

 

 アカデミー失跡確認は受付で名簿に丸を付けるだけであるが、講義の運営については参加者のボランティアで行われていて、次回は当番になっていた。資料の配付や資料印刷代の徴収、会場の機器操作等の雑用である。数名が担当している。毎回メンバーが異なり、主として2年会員が担当するようである。

 

 我が国の近代史であるが、高校では日本史と世界史の選択であり、履修するが、日本史をとれば世界史が分からない。この弊害を最近では統合することになったようである。本来はその方が良いであろう。狼教授の専門は、宇宙科学とのことであるが、やはり根元を知るには歴史を遡ることが必要となり、世間でいわれていることとは異なる事実に遭遇してきたようである。

 

 鎖国時代における海外との接点は長崎の出島であるが、鎖国令なるもの江戸幕府から出たのは、幕府が貿易の利権を一手に握ることから行われたことや、一部商業は許されていたが、宗教上の弊害を押さえるための措置であり、我が国を植民地化する野望に対処するには情報網を張り巡らし、主として通事(通訳)を身近においたという説を繰り広げられた。参勤交代も大名の蓄財を消費させる以外に、情報収集であったようである。明治政府の発足も多くの通事が採用されていて、江戸幕府においても幕臣がその役に当たった。

 

 現在もそうであるように、各省庁においても情報収集、分析、加工が提言や政策につながる。世界各国における領事館や大使館では赴任地の情報収集が主たる任務であることは公然の事実である。自分もその通りだと思うし、CIA,KGB等の諜報機関が政治の世界でも暗躍する。スパイ映画ではないが、ネット社会でもサイバー攻撃はエスカレートしている。

 

 今回は鎖国によって断絶した世界においてもあらゆるルートを通じた情報収集が幕府の元で行われていたことに、現在の我が国の根元がある思いを強くした。また、和算の関孝和の円周率発見は偉業であり、日本人の血の中に拘り(こだわり)が物作りの正確性を助長したとの話は同感したところである。