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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

日曜大工雑感(塗り替え工事)その2

2020年12月16日 00時00分10秒 | マニュアル

 次の工程は、素地(下地)調整である。木部では、透明塗料を塗ることが多く、時間が経過すると、雨染みや、木材から生じるアクや、ヤニ(樹脂)分が汚れとなって滲出するため、アク止めや漂白を行うが、元の姿に戻すことは不可能であることが多い。そのため、透明塗料ではなく、着色剤(マホガニー色などのステイン)を薄くしみこませ、何回か色目を見ながら着色することが一般的である。下地が荒れていれば、サンダー掛けを行う。へこんだ箇所には、透明性を厳密に期待しなければ木材用の樹脂パテがあるので、それを充填する。ほとんどのパテは乾燥すると体積が収縮するので何回か施工する。毎回研ぎが入る。透明塗料であっても、塗り重ねると経時変化で透明性が変化するため、次第にくすんだ色になる。したがって、エナメルといわれている不透明塗料に切り変えることを考えてもよい。

  鉄部の場合は、脱脂、脱錆、化成処理が一連の工程である。鉄面の錆をサンダー等で削り落とし、金属面を出す。電動工具の中にドライバードリルがあるが、軽量なため、円形ディスクをマジックテープで脱着できるので、ディスクの粒度を変えて行えば、さび落としから、磨き仕上げまで楽に作業ができる。木部と同様へこんだ箇所は、金属下地用パテ(ポリエステルパテ等)を木箆で施工する。

 露出した金属面は化成皮膜処理を施すと鉄の表面がリン酸鉄に変化するので防錆効果が高まる。旧塗膜と金属表面との境を平滑に研磨しないと上塗り後に境界が目立ってくる。研磨を念入りに行う。脱脂のため、シンナーで表面を拭いた後、その上にプライマー(錆止め塗料)と呼んでいる防錆下塗り塗料を塗布する。乾燥後に研磨紙で軽く研磨をする。

 塗装するには刷毛に塗料を含ませ、被塗物に運び、塗るために通常、3種類の刷毛を用意する。豆刷毛と称する5分筋違い刷毛、1寸筋違い刷毛、寸胴刷毛である。毛は馬毛が多く、用いられている。新品を購入すればよいのであるが、新品だからすぐに使えるわけではない。束ねた馬毛が抜け落ちないように、電気ごてで、束ねた部分の頂点を焼くことによって、抜け毛を防ぐ。 

 次に刷毛の製造過程で使う灰分・防虫剤等をしっかり洗い落とし、夾雑物を取り除く。

 細かい粒度の研磨紙の上で、軽く左右、上下にこすり、枝毛やくせ毛を取り除く。数日間菜種油か、ボイル油に付け込んでから使うようにする。追加で、初めて使用する刷毛は、下塗り用に使い、しばらく使った後、上塗り用に使えと言われている。多分、手になじませ、刷毛の癖や塗料の含ませ具合からそのように言われてきたと理解している。この操作は、漆工から来ているように思うが、漆刷毛は人毛をニカワで固め、ヒノキの薄板を使って箱状にした箱刷毛を使っているが、鉛筆を削るように必要な長さにヒノキを切り出し、毛先を切り整えた後、ハンマーで軽くたたいてニカワを落とし、菜種油に付けて箆で数回突き出しを行った後、菜種油の中に浸し込んで保存する。因みに漆液の溶剤には、片脳油またはテレピン油を使う。