情報の共有化は一部地域図書館間で行われているが、情報がデジタル化されれば、地域の公共施設が重複して書籍を持つ必要性がなくなる。また、書籍のデジタル化が進めば、配信が可能となり、蔵書スペースが著しく減少できる。まずは図書館間のネットワークの構築である。所蔵する情報の共有化によって、県内の図書館が地域にあった専門性の特化が進みやすくなり、トータルの情報量が増えるのは必然である。図書館が何を特化するかは今後、地域の歴史や、住民のニーズ、住民サービスの量と質等の現状分析を綿密に行わなければならないが、書籍販売店やDVD貸し出しを生業とする情報提供者との差別化を図っていかなければならない。メディアの変化は情報を提供する方法も変化せざるを得ない。公共図書館が提供可能なメディアの種類に応じた機能が必要になってくる。書籍の閲覧スペースは姿を変え、情報メディアに応じたブースとなるであろう。
図書館が持つ差別化機能の一つとして、個人が不要となった専門書籍類の収集および蓄積であろう。専門分野の情報は一般に、学会誌や、業界紙、専門書籍によるところが大きい。製品情報や、新たな施工技術等は、製品発表会や、セミナー等から得られた情報を利用してきた。公共図書館に期待し利用するには至らなかったが、苦労して収集した専門書籍や雑誌は、狭い自宅の書斎にはいつまでも保管できず、廃棄物となってしまう。図書館は決して古本や廃棄物の保管庫ではないが、家庭に眠っている書籍類は活用の仕方で地域に貢献する情報源となることは疑いようがない。(次回へ続く)
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