欧米では、管理する者と管理される者をホワイトカラーとブルーカラーとに分ける。ホワイトカラーには大卒のエンジニアを配置し、ワーカーは大卒以外とするという二極化の世界である。我が国のような、グレーカラーと呼ばれる中間層は存在しない。米国のグレーカラーワーカーとは別の意味に使われる。組織的には多層化され、各層間の移動不可能なピラミッド構造を持つ。
また、最近の状況は定かでないが、レイオフといって、一時解雇が継続していることは確かである。このことは雇用する側の随意雇用原則が継続していることを示しており、先任権制度が生きていることの証拠である。欧米では企業に採用されるという意味は、ほとんどの場合、技術・技能集団である職種別産業組合に所属し、そこから派遣されるという採用形態を取る。
つまり、企業ごとの採用ではなく、職種別の採用である。従って、産業組合が、労働者の過不足の調整機能を果たし、派遣先で問題を起こせば、もちろん企業の解雇となるが、産業組合も解雇される。企業に特定業種の専門家が足りない場合は、その情報が産業組合へ通知され、産業組合が持つ人材育成施設で育成し、もしくは配下の適任者を送り込む。従って、企業は企業内教育訓練はないし、技能・技術を持たないグリーンボーイを雇うことはない。
職務は、企業と本人とが交わす職務記述書による契約(本人との守秘義務、健康保険や、退職金契約もある)となるため、ジョブローテーションは考えられないし、コア社員を除き、一般の従業員には、まったく適応されない。職務記述書に書かれている内容以外の仕事をすると、契約違反となる。職務以外は他の職務記述書によって、担当する労働者が決まっており、その労働者の職務を犯すことになるからである。従って我が国の技能者と、技術者が相互に依存しあう関係であるとの考えは欧米には通じない。(次回へ続きます)
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