ラン科ミズトンボ属のサギソウは湿地に生える多年草である。3cmほどの白色の花を咲かせ、名前の通りサギが羽を広げているようである。観賞用にも栽培される。夏場7~8月に開花し1~2週間は楽しめる。野草の中には胡蝶蘭やトンボソウ等昆虫や鳥類などの名を持った種も多い。その中でサギソウは実物の野鳥に最も酷似している。球根からの栽培はさほど難しいわけではないが、温度管理や水やりを欠かさないようにする手間がかかる。毎年、開花したサギソウを被写体として用いている。花びらの細かい凹凸は光に当たると輝くところが素晴らしいと思う。
サギソウが咲き終わり、葉が枯れても水やりは続け、1~2月ころ球根を掘り上げて、次の植え付けのため、しばらく、湿気を絶やさぬように冷蔵庫で保管する。今回ご紹介するのは球根の植え付け方である。2下旬~3月下旬ごろ、野菜室等で冷蔵していたミズゴケに巻いた球根を取り出し、常温で半日ぐらい空気にさらす。ミズゴケを取り除き、尖っている先端部分を上にして、準備した鉢に植え付ければよい。
まず、乾燥したミズゴケは前日にバケツに水を張り十分水を吸わせておく。鉢は長四角の素焼きで、高さは10㎝ぐらいのものを用意する。底の水通し穴は昆虫の侵入をふさぐために網を適当な大きさに切って塞ぐ。軽石を底一面に巻く。次に赤玉土を2cmの厚さに敷く。赤玉土が隠れるぐらいに水を軽く絞ったミズゴケを均等に敷く。これで植え付けの苗床が完成した。
球根は上下を間違えないように植え付けるが、丸くふくらみを持った方を下にする。2月を過ぎるころから早い球根では緑色の新芽を出すものもあるので、その場合には上下がすぐにわかる。植え付け間隔は5㎝ぐらい離すとよい。球根を配置した後、ミズゴケを絞り、球根の上に覆い隠すように敷いていく。球根がミズゴケに隠れると、ミズゴケを安定させるために赤玉土を振りかける。
これで植え付けは終わるが、霜に当たらないよう気を付け、直射日光に直接当てないような場所(長時間炎天下は避ける)で生育する。液肥はやらないほうが良いようである。ミズゴケが乾燥しないように水やりをこまめに行う。数日間留守にするときには、洗面器等に薄く水を張り、鉢ごと水に浸けて水分補給を行う。
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