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市民の図書館利用について(3回シリーズその1)

2012年12月04日 11時11分23秒 | 緑陰随想

 公共図書館が時代遅れとなってきたことは情報化の進展と関わりがないとはいえない。公共図書館のイメージを一変させ、地域のコミュニティに歓迎される機能が求められている。そもそも図書館は多種多様な目的を持った利用者に、司書を通じて目的に到達する手段を提供するところであるというクリアリング機能が期待されていた。従って、司書の役割は、館が所蔵する書籍類の中身のほとんどを理解し、どの場所にどの書籍があるかを把握していなくては務まらないとされていた。 しかしながら、もはや、書籍だけの提供が図書館の役目でもないし、情報が氾濫し、専門分野が広がることへ、司書の個人的能力は到底追いついていけるものではない。また、利用者の多くは図書館や司書にそのことを期待してはいない。
 そこで、利用者にとってこの情報化がもたらすこれからの公共図書館の姿をイメージしてみたい。たぶん、今の図書館は情報の選択、加工、蓄積、提供(公開、検索等)が抜本的に変わるのであろう。情報媒体は印刷物ばかりでなく、その種類は多様化し、情報は地域や時間に関係なく、いつでも好きなときに利用できる、いわゆるユビキタス社会となった。
 端的に言えば、アナログからデジタルに変わったと言うことである。情報を必要とする利用者は、インターネットからの情報がパソコン上からいつでもとれる時代である。直接図書館へ行かなくてもほとんどの情報はアクセス可能である。しかし、情報の種類によっては書籍の持つ情報量の多さと専門性の深さは公共図書館が未だに期待されている分野と思われる。


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