震災(本震では耐え、4/11の余震で落下)で被害のあった我が家の瓦。
破損した直後に、津波被害により取り壊しの決まった家から、許可を貰って瓦を剥ぎ取り、リペア品として仮載せした件については以前書きました。
瓦を載せておけば、とりあえず雨漏り等は防げるのですが、しっかり固定してやる必要があります。
しかしこの手の被害は今回多かっただけに、瓦屋に頼むとなったら相当な順番待ちになるのは必定ですし、頼む金も無い(笑)。
最近、この手の修繕に関する飛び込みの営業も多いと聞きますが、業者として信用出来るかどうかの判定材料がありません。
となれば自分で修理してみよう、というのがいつもの流れです。
しかしネットで色々調査しても、なかなか屋根瓦の直し方というか、修繕の方法が見つかりません。
なんか、「腰痛を治す体操」のサイトを覗いても、肝心な事が載っておらず、この先はこの本を購入してください、みたいな感じで、修繕の方法をUPすると瓦屋の商売あがったりになってしまうのか?
というのは下衆の勘繰りでしょうか。
「とにかく雨漏りせず、地震で落ちなきゃいいだろう、最後は塗装で誤魔化せば良い」
と考え、屋根瓦の修理をDIYで行う事にしましたので、参考にしてください。
「屋根瓦のDIYは危険、プロに任せた方が無難」という見解も多いですが、この「無難」というキーワードに、生き方に対する攻めの姿勢を感じず、「けっ」と思っちゃうのが私の性格。
「一家の主として、このくらい自分で出来なきゃどうする!」というのが率直な気持ち。
ただし高所作業なので当然、危険です。
しかし危険を予知しながら作業をすれば、リスクポイントはある程度ですが下がります。
私は高いところが平気、というわけではありません。
素人ですからやっぱり怖いです。しかし結論から言えば、最後には慣れます。
必要に駆られた作業ですので。
注意する点としては、
①地下足袋を履く・・・裸足の方が滑りにくそうですが、日差しで瓦は相当な温度になりますので、裸足だと熱くて立っていられません。
靴とかサンダルの類は滑るのでOUTです。
②急動作厳禁・・・特に屋根から降りる時はそ~っと動きましょう。
作業服が突起物引っ掛かったりして、思わぬところでバランスを崩します。
③ハシゴの固定・・・これが一番大事です。昇降時これが倒れたら完璧に死にます。
④帽子をかぶる・・・屋根の上は日影が無いので、帽子着用の有無で体力の消耗度が全然違ってきます。ホントです。
⑤KY(危険予知)・・・「~したら~という事になり、~となる」と言う風に、常に落下・転落の危険を念頭に動作を行います。
⑥出来れば安全帯を付けて・・・これを着用すればBESTです。
一般家屋の2階屋根はロープを掛けるトコロがアンテナの支柱位しかありません。なので私は付けなかったのですが、そこをKYでカバーしました。
⑦セメント類はゴム手袋で扱う・・・アルカリ性が高いので、手荒れを起こします。
躊躇したらダメ!以上を踏まえ、いざDIY!
とにかく気になるのは、このしっくいとも言えぬ粘土のようなものです。
で、調べていきました。すると、ここで色々なものがある事が判りました。↓
http://www.diy-net.jp/SHOP/g63822/list.html
そこで、なんとなくこれっぽいな、というものを購入しました。
屋根を事前調査したところ、相当量必要な感じがしたので、これを10袋(15kg)買いました。
しかし、後から足りなくなって更に5袋、追加して買いました。
この製品は「ねんど」という言葉から想像するような粘度ではなく、わりと水っぽい。団子状に固められる粘度ではありません。グチャグチャした感じ。
仮置きしたのし瓦をどけてみて、この粘土をよく観察すると、細切れの「藁」が入っていました。
おそらく、粘土の崩れを防止する目的で「つなぎ」の役割を果たすものとして混合されたと思われます(たぶん)。
粘土から飛び出ているヒモみたいなのがそうです。
そこで、嫁の親戚に百姓がいるので、そのルートから藁をGET。
こんなにいらん、ちゅうねん(笑)。
粘土はのし瓦の固定に使うのですが、その前に古い粘土を取り、綺麗にする必要があります。
粘土の塊を大雑把に除去し、さらにワイヤーブラシと箒で掃き掃除します。
テキトーですが下準備完了。
先ほどの藁を、5cmくらいに切ります。
瓦粘土を洗面器にあけて・・・
何度かに分けて「つなぎ」の藁を適量入れ・・・
隠し味でセメントを少々・・・あとから判ったのですが、粘土だけだと防水性が無いので、ここでセメントを混ぜた方が良いようです(硬度・密着性も上がります)。
棒などでよくコネコネして混ぜ合わせます。
のし瓦を載せる部分に粘土を盛って行きます。
この間、屋根と庭を行ったり来たり、しかも屋根の上はある意味命がけなので、写真を撮る余裕がありませんでしたが、とりあえず瓦を載せるところまでいきました。
粘土が乾いたら、側面からセメントを塗りたくり、固定を万全なものします。
粘土を盛り過ぎたところがあり、持ち上がってますが気にしない!
下からは見えませんから(笑)。
いかにも素人の仕事だな~。
きれいに仕上げるのが案外、難しかったです。
でも、地震やゲリラ豪雨が来ても、これで暫くは大丈夫でしょう。
その他、大きな隙間・ひび割れなどは瓦用のコーキング剤をこれでもかと充填し、接着剤がわりにしました。
乾くと弾力性の強いゴムのようになるので、これもたいへん有効です。
休みの度に雨が降ったりして、なかなか作業が出来なかったのですが、なんとか梅雨入り前にここまで出来ました。
最期に防水シーラーと瓦用塗料で塗装をすれば完成です。
震災以降、屋根にブルーシートを掛けたままの家がなんと多い事か・・・
ブルーシートは風雨にさらされると劣化が早いので、一時しのぎです。
自分で出来る事は早めに自分でサクサクやらないと、豪雨が来た時目も当てられなくなります。
それにしても今年こんな事をするなんて、予想もしてなかったです。
※この後の塗装も記事としてUPしてますのでご覧ください。↓
http://blog.goo.ne.jp/kawayukawayu2436/d/20110703