kazさんの日々彩々2

どうして花は咲くのだろう?どうして小鳥はさえずるの?
やさしい想いや言葉にふれて、どうして人は泣くのかな?

我が家の神童??

2007年02月15日 | 「人」の彩り
先日、娘がテーブルに座ってお菓子をポリポリ食べていたとき、
それをぽろっと床に落してしまい、それと同時にこう言った。
「落してしまった、悲しみに・・」

“落してしまった、悲しみに・・”

どこかで聞いたような言葉の表現だなあ、と思ったら
詩人・中原中也の『汚れっちまった悲しみに』という詩に
そっくりな表現ではないか

娘に「今の、面白い言い方だねえ。どこかで聞いたの?」と尋ねてみたら、
「べつに。ただ何となく」とキョトンとした顔で言う・・。

一瞬、「小学時代、神童と呼ばれた詩人・中原中也の女版再来か?」と思ったが
よく考えてみたら、小2にもなって人形のメルちゃんとまだ遊んでいる娘が、
そうとは思えない・・
(だいたい、親からして、そんな素養は無い

これは子供独自の言葉遊び。
ウチの子に限らず、子供たちという者は、
こうして時に詩人になったり天才画家になったり・・なのですね~。

万分の一でもいい、今持っているその感性を大きく伸ばしていっとくれ~

『汚れっちまった悲しみに・・・』

汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる

汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革衣(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる

汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢む

汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる・・・



(角川文庫・中原中也詩集より)

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2 コメント

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そうだろうと・・(笑) (kaz)
2007-02-17 10:10:03
やはり、そうでしたか~
インドア派のフラさんのこと、きっと純文学など
お好きだろうなあ、と思っていました

“ブログの文ひとつ書くのに四苦八苦・・”は自分の方こそで、フラさんのブログの記事の書き方はお上手ですよ~。
“簡潔に書く”のがブログというものらしいけれど、それがナカナカなのです・・

子供も、そして親である自分たちも、
いつまでも夢だけは持ち続けて
その実現に挑んでいきたいですね
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なつかし~~ (フラ)
2007-02-16 12:45:44
久しぶりに目にしました、中也の詩。 何を隠そう、フラさんはその昔、夜も日も明けず読書に没頭した文学少女。  40年くらい前、ですね。 立原道造・堀辰雄・萩原朔太郎・・・なんともロマンチックではありませんか。 あー、それなのに、今や文学のぶの字もなくブログの文ひとつ書くのに四苦八苦、です~ 
  それにしても子どもは天才、親ばかなどと思うなかれ、私等は娘たちが大人になってもまだ夢を持っているのですから。 
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