昨年の今頃、市内の広大なキャンパスで、思いがけずヤマユリを見る機会がありました。
「今年も、そろそろ花が見られるはず。どうか今年も見られますように」、と祈るような気持ちで自宅から10分程の所へ車を走らせました。
満を持して、昨年見た雑木林に立ちました。
が、咲いていれば目立つはずの、あの白い大きな塊が見えません。
一生懸命探すものの、あの特徴的な大きな葉っぱも見当たりません。
絶えてしまったのだろうか。それとも盗掘されてしまったのか・・・。
諦めて帰ろうとしましたが諦め切れず、もう一度、腰を屈めるようにして辺りを探しました。
すると、地面の際に、横たわるようにした葉っぱが見つかりました。
残念なことに花は終わった後でした。今年は3輪の花が咲いた形跡が見られます。
地面に、朽ちた花びらも見つかりました。
「もう少し早く来ていたら・・・」、と後悔一入です。
調べてみると、昨年見たのは7月16日。今年は23日ですから、昨年と比べると、ちょうど1週間遅かったことになります。
ずさんな行動のせいで、来年まで見られない、という罰を与えられたようです。
”後悔先に立たず”・・・今まで何度こういった経験をしていることか・・・。
遣る瀬無い気持ちで、花が付いていた枝の先に昨年見た花を重ね合わせ、つい先日まで咲いていただろう風景を、せめて想像してみました。
このヤマユリについては、5月に出版したエッセイにも掲載した心ときめく花です。
そう言えば、ユリは確か、名古屋市の市の花、わが母校の校章だったことを思いだします。